【いつか泊まりたい山小屋#28 霧ヶ峰・ころぼっくるひゅって】絵本の世界のような山小屋でファンタジーに浸る休日
ランドネ 編集部
- 2022年10月21日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。28軒目は、霧ヶ峰・車山のなだらかな稜線上に佇む、ころぼっくるひゅってをピックアップ。
名物はボルシチとチーズケーキとサイフォンコーヒー
アイヌの説話に登場する小人‟コロボックル”を名前に冠した山小屋、ころぼっくるひゅっては、八ヶ岳の北西に広がる霧ヶ峰の中心地にある。山小屋のすぐそばにバス停「車山肩」や駐車場がありさほど歩かずともたどり着けるうえ、霧ヶ峰の最高峰・車山までも片道45分という好立地。そのため、ハイキングを目的に訪れた人だけでなく、ドライブがてら気軽に立ち寄る観光客も多い。
この山小屋を訪れた人々を虜にしているのが通年営業のカフェで、なかでも人気なのがウクライナ料理のボルシチだ。トマトをベースにしたスープのなかに煮込まれた牛肉や野菜がたっぷり入っていて、栄養も満点。寒い時期には、よりいっそう体に染み渡る。
濃厚なレアチーズケーキと、霧ヶ峰の水を使いサイフォンで一杯ごと抽出されたコーヒー「ころぼっくるブレンド」も、山小屋で人気のメニュー。ペレットストーブに暖められた山小屋のなかで、または外のテラスで、おいしい時間を心ゆくまで味わってみて。
一泊してファンタジーな世界観を存分に味わおう
ころぼっくるひゅっては、立地上の特性から立ち寄りで利用する人が多いいっぽう、宿泊での滞在を楽しんでいる人も多い。きっとその理由のひとつには、まるで絵本のなかにいるようなファンタジーな雰囲気を、この山小屋が纏っているからだろう。
手作りの看板が目を引くエントランス、そして山小屋のなかの大きなやかんの乗った大きなストーブ、天井から吊り下がるたくさんのランプ……。宿泊すれば、山小屋の外に広がる稜線や湿原の景色とセットで、非日常的な気分にどっぷり浸ることができるはずだ。天候次第ではあるが、美しい日暮れや夜明けに立ち会えることも、稜線上に建つこの山小屋に泊まることの大きな醍醐味といえる。
山小屋から目指すおすすめルート【ころぼっくるひゅって~車山 片道約45分】
山小屋から登りで片道45分なので、車山なら到着日でも宿泊した翌日でも無理なく目指せる。標高1,924mの山頂は360度の展望があり、北に美ヶ原、西に南アルプス、東に蓼科山とその南に連なる八ヶ岳を一望。のんびりピストンでもいいけれど、公共交通機関で訪れた人なら、白樺湖のほうへ降りれば景色が変わっておもしろい。またマイカー利用の人でも、蝶々深山や車山湿原、八島ヶ原湿原などを繋いでぐるりと歩ける。ルートが多彩なので、ルートの選び方次第で異なる風景を楽しめるのが、このエリアの魅力的なところだ。
ころぼっくるひゅっては、登山というよりのんびりハイキングを楽しめる山小屋だ。最寄りのバス停や駐車場から徒歩1分でたどり着けるので、「体力に自信がないけれど山小屋の雰囲気を味わってみたい」という人にぜひおすすめしたい。
ころぼっくるひゅって
https://koro-kirigamine.hardrain.rocks/index.html
・標高:1,820m
・営業期間:4月下旬~11月末 ※カフェは通年営業。4~11月9:00~16:00、12~3月(好天時の土日)10:00~15:00
・宿泊料金(税込):1泊2食9,000円~
・電話番号:0266-58-0573 ※メール予約は不可。
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、個室あり、マスク・除菌シートを要持参
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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