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山アイテムへと生まれ変わる山旅の思い出 成瀬恵理さんとものづくり

山歩きのおともとして選びたくなるアイテムは、山での思い出が詰まった大切なものだったりする。山を愛するアーティストとランドネ読者の山旅からここにもひとつ、そんなアイテムが生まれようとしている。

山アイテムへと生まれ変わる山旅の思い出

鍛金作家

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成瀬恵理さん

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ランドネたのしみ隊

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ハコさん

車中泊をしながら、全国各地の山を歩く行動派。今年は初めて九州の山(阿蘇、祖母山、雲仙、くじゅう)をめぐり、念願のミヤマキリシマにも出会えたという。

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マミさん

岩稜帯の山好き。2年前にチャレンジした剱岳で三角点を触り忘れたことが心残りで、この夏1泊2日の山小屋泊で再び登頂。快晴で夜には満点の星空も堪能。

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ミウラさん

海外生活を送るなか、現在日本に帰国中。山にはソロで行くことが多く、日本百名山には8山登頂。山で出会った人に教えてもらった利尻岳にいつか登ってみたい。

山の景色と思い出を山の器のモチーフに

この旅のきっかけは、岐阜県中津川市を拠点に活動する、鍛金作家の成瀬恵理さんが作る「Ery」のアルミの器や真鍮のカトラリーを、ランドネのECサイト「GOOD LIFE GOODS」でお取り扱いさせてもらったところから。

▲恵理さんが一つひとつ、想いを込めて作り出すEryの器やカトラリー。アルミの器は軽く、銅のシェラカップは直接火にかけられるのが魅力。折れることのない丈夫な真鍮のスプーンもあり。作品はすべて素材を切り出し、たたいて形にする作業を3〜4日間(1日6時間ほど)行ない完成させているという。

一つひとつていねいに、鍛金技法で叩き作り上げられたアイテムは、とても繊細で、力強さも感じられる。「山並みボウル」と呼ばれるアルミ素材のお皿の内側には、タガネを使って手打ちされた山並みが描かれている、まさに山を愛する人の心に響くアイテムだ。

そんなこだわりのものづくりをする恵理さんは、私たちをおなじく、山を愛するひとりの女性。恵理さんが山で見るものや心動かされる景色は、どんなものなのか。また、そんな山での出会いをEryの作品に落とし込むことができたら、どんなに素敵なものとして生まれ変わるのか。その作品をぜひ、ランドネ読者のみなさんに届けたい。そんな想いを恵理さんに伝え、この旅の準備は始まった。

霧が晴れたら、青空が見え
少しすると、また霧がかかって。
自然の一つひとつに一喜一憂する、旅の一日

▲晴れていれば、雲の向こうに白馬三山(白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳)が連なる場所。八方池まであと少し

ものづくりをすることには、作り手の想いが大切なのはもちろん、使う人がどんなものを求めているのかを知ることも、欠かせない。ランドネでいえば、読者のみなさん。山を愛する方々が、どんなアイテムを求めているのか。それを知るために、この旅にお誘いしたのは、ランドネの会員サービス「Mt.ランドネ」のメンバーであり、ランドネたのしみ隊の3名。一日いっしょに山を歩き、一人ひとりがどんな山の景色に心を動かし、どんなアイテムを魅力に感じるのかを、じっくりと知る機会にできたらいい。そして、恵理さんには、この度の思い出を作品として生み出してもらう。出発前からわくわくしてしまう。

▲八方尾根をゆっくりと進むと、三角形の石(ケルン)が登場。雨に降られる前に、と記念撮影を。

八方アルペンラインの乗り場前に集合した恵理さんと、たのしみ隊のメンバー。乗り込んだゴンドラから、好きな山の話が絶え間なく続く。この日の天気予報はあいにくの雨。いつ着ることになるのだろうと、心のなかで不安に思いながら、レインウエアをバックパックに詰め込む。
「一日雨予報ですね。無理せず歩けるところまで、歩いてみましょう」

▲登山道脇にはさまざまな秋の高山植物の姿が。赤い身をつける少し前のイワショウブもあちこちに。

どうか、八方池までは持ちこたえてほしい。強い願いとともに、曇天の空を見上げる。幸い、足元にはたくさんの高山植物が咲き、うつ向き気味に歩く私たちを笑顔にしてくれた。
「この花の名前は?」「ウメバチソウだね」「白い花ってかわいいよね」「山並みは森飛んだけど、こういう花とかが、山で使うアイテムに描かれていたら、ほしくなるね」

▲スケッチブックを取り出して植物や風景を、さっと描いていく恵理さん

小さなことで共感し合い、歩いたことのない山の思い出話にも興味を持つこともできる。ついさっき出会ったばかりの山仲間だけれど、好きなものがおなじって、こんなにも早く打ち解けられるのか。それはきっと、河野深くて途方もない山という懐のなかにいるからに違いない。

▲真っ白だった目の前の霧が晴れ、青空が見えた瞬間。思わず「すごい!晴れた!」と声を上げながらカメラにその時の感動をおさめる一行。

八方ケルンをすぎたころ、急に雲が流れ始めた。目の前の霧のうしろに、ちらちらと青い空が見え隠れしている。「青空だ!」「すごい!」。とても短い言葉で、ここにいる全員が喜びを表現していた。ふり返ると、ここまで歩いて来た、一本の木道が続いていた。

山の上の静かな湖畔で仲間とご飯を食べながら
話すことは、やっぱり大好きな山の話

▲八方池のほとりにあるベンチで、おにぎりランチタイム!
▲八方尾根から眺められる、白馬連峰の展望図

標高2065mまで、雨に降られず歩くことができた。今朝の天気予報を考えれば、これは奇跡と呼んでもいい。Eryの器のような八方池。この景色が見たくて、みんなで歩いて来たのだ。

 

▲どんな器やカトラリーなら、山で使いたくなるか。それで何を食べたいか、などをEryの作品を見ながらおしゃべり。軽さは気になるポイントに

「Eryの器にフルーツポンチを作って食べたい」「おもちを入れた温かいおしるこも、いいかもね」

▲意見を聞きながら、作品のイメージを膨らませていく恵理さん。「こうして作品を触ってもらいながら、フィードバックをもらえる機会がなくて、皆さんに“いいね”と言ってもらえて、とてもうれしいです」。

恵理さんの頭の中には、新しい作品のイメージが浮かんでいく。

COMMENTS

成瀬恵理さん

山で出会えるものを落とし込んだアイテムに!

「普段は夫と山に登ることが多いので、こうして皆さんと和やかな雰囲気のなか山を歩いて、とても楽しかったです。気になる植物を見つけたり、天候が変化したりするたびに、みなさんのリアクションがとてもよくて(笑)そういう一つひとつが思い出になりますね。山に持っていくお皿やカトラリーは、軽いことが大切だと、改めてお話をするなかで感じました。長く使い続けてもらうことも意識して、ものづくりをしたいと思います」

▲岩のすきまの小さな植物や、くり返す山の景色が好きだという恵理さん

ハコさん

アルミや真鍮のアイテムは、冷たい印象があったけれど、実際に触れてみると、ゴツゴツしていたり、土で作った器のようでとても好きだと思いました。Ery×ランドネの山に持っていける器が、楽しみです!

マミさん

これから恵理さんが作るアイテムには、今日の山旅で見ることのできた、葉っぱや花など、自然のモチーフがワンポイントでも入っているといいなと思いました。軽くて、使い心地の良いマグカップもあるとうれしい!

ミウラさん

アルミの器がとても軽くて、お気に入りのアイテムとして持ち歩きたいなと。ボウル皿には、温かいお味噌汁などを入れて、おにぎりといっしょに食べたい!取っ手付きなら、折り畳めると持ち運びにも便利そうですね。

GOOD LIFE GOODSで気になるアイテムをチェック!

今回の旅の思い出を「Ery」の作品に落とし込み「GOOD LIFE GOODS」で発売予定です。発売時期や詳細は、ランドネ公式サイトをチェック!

GOOD LIFE GOODS

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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