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イラストエッセイスト・松鳥むうの「山のふもとのゲストハウス案内」#13 太陽堂(長野県飯田市)

その土地の暮らしに寄り添いながら、訪れた旅人を優しく迎え入れてくれる宿、ゲストハウス。全国各地に点在するゲストハウスを100軒以上訪ねてきた、イラストエッセイストの松鳥むうさんが、山歩きの拠点にもおすすめのゲストハウスを紹介する連載。13軒目は、ちょっと神秘的な空気が漂う長野県飯田市の集落にある、ゆるりとした宿「ゲストハウス太陽堂」です。

神様がお風呂に入りに来る谷合の集落

宿近くのお店の前に……!

南アルプスの麓の谷合に、小さな集落が点在する長野県飯田市の遠山郷。毎年12月に行われる「霜月祭り」(国の重要無形文化財)は、全国の神様がお風呂に入りに来るといわれており、『千と千尋の神隠し』のモデルにもなった場所でもあるとか。そんな、ちょっと神秘的な空気が漂う集落に、ひときわゆるゆるとした時が流れる宿がある。「ゲストハウス太陽堂」だ。

オレンジとグリーンの昭和レトロな香りがぷんぷん感じられるビニールの店舗テントをくぐり、ガラスの引き戸を開けると、広い土間。右手には天上まで届く本棚が壁一面に!左手には、宿のシンボルの暖簾の奥に小さな休憩スペース。そして、真ん中には大きなテーブルが置かれ、その奥に小上がりのように畳部屋。何やら、男性陣3名が各自PCをいじっているので、きっと長期滞在の常連さんかと思いきや、うち1人は宿の旦那さん・ヨッシーさんだった。旦那さんが常連客に見えてしまう宿は、良い意味でゆるい宿が多い(松鳥比)。ゆる宿好きの私は、チェックイン前から「これは、良い宿に違いない」というわくわくが身体中を巡った(笑)。

屋久島好きが高じて転職!?

オーナーはヨッシーさんかと思いきや、「ゲストハウスがやりたい!」と遠山郷にやって来たのは、奥さんであるサチエさんのほうなのだ。ふたりとも、もともとIT関係のお仕事をしていた時から、趣味は山登り!山好きの憧れの地のひとつ・屋久島にも何度も通い、その度に泊まっていた老舗ゲストハウスがお気に入りすぎて、自分でもゲストハウスを始めてしまったのだという。

「太陽堂」の裏手にある遠山川

南アルプスも好きで遠山郷に通っていたから、この地を選んだのかと思いきや、まったくもって偶然の流れで辿り着いたそう。

「太陽堂」の物件は、もともと、「太陽堂商店」というお店であり、ここをリノベーションしてゲストハウスをする予定だった人が諸事情で断念した時と、サチエさんがゲストハウス物件を探していた時が重なり、知人に紹介してもらった。偶然という名の必然。山好きさんが山の麓で、山に囲まれながら、好きなゲストハウス業をするなんて、最高のご縁としかいいようがない。

陽当たりの良い女子ドミトリー。足元側の仕切りが簾なので、通気性も良くて心地良い
ゴロゴロできる畳の個室。連泊してのんびりしてしまいたくなる

「僕は元々宿業をやる気はなくて、1年目は東京と遠山郷とで別居してたんだよね。でも、(サチエさんが)宿のリノベーションの様子や遠山郷での暮らしをSNSで日々挙げるんだよ。それが、楽しそうで。こりゃ、(サチエさんは)東京に帰って来ないなと思って、僕も移住して来たんです。」と、ヨッシーさん。

「太陽堂」がある和田集落の入口。霜月祭りの際に登場するお面の石像がお出迎え

その楽しさは、もちろん、今も続いている。何かと人が集まればジンギスカンをする遠山郷の人々とジンギス(「ジンギス」と略す場合が多い)を食べ、集落の人と一緒に秘密の場所へきのこ狩りに行ったりと、サチエさんとヨッシーさん自身も、ゲスト以上に遠山郷を日々楽しんでいるのだ。

ちなみに、遠山郷は昔からジンギスカンが愛されており、週3日はジンギスを食べるという地元民も。しかも、肉も羊以外に様々で、馬肉や鹿肉まであるのだ。

遠山郷のジンギスの有名店は、「太陽堂」から徒歩すぐ!

夜の語らいは、しみじみとゆるゆると

「太陽堂」は、もうひとつ、カフェ&バルという顔をもつ。と、言っても、土間の共有スペースが週末の日中はカフェに、ゲストが宿泊している夜はバルに変身する形だ。サチエさんもヨッシーさんも人と酒を呑みかわすのが好きだそう。ココで書いている話も、すべて、呑みながら聞いたもの。酒を片手に語らう夜はゆるゆるとして心地いいな~と、しみじみ。

この日は、ゲスト陣で宿の障子の張替えのお手伝いをしたので、サチエさんが夜ごはんに手料理をご馳走してくれた特別DAY!

その「しみじみ」は、最後の最後まで続く。チェックアウト時、「それじゃ、また」と、一声かけて去ろうとしたら、サチエさんがヨッシーさんに「むうさん、帰るって」と声をかけ、ふたりそろって、出口まで出て来てのお見送り!もちろん、他のゲストさんにも、同じくお見送り。

ああ、こんなことをされたら、これはまた「ただいま~」と帰って来てしまいたくなるじゃないか(笑)!帰りのバスに揺られながら、お見送りの光景を脳内でしみじみとリピートしつつ、次の遠山郷行きの予定を考え始めてしまった。

太陽堂

https://tohyamago-taiyodo.com/

宿泊料金:(すべて素泊まり)
・男女混合ドミトリー、女性専用ドミトリー
大人:3,800円/人
・個室A、個室B
大人:8,400円/部屋
(11月~4月は暖房費として+300円/1泊、1人)

TEL:050-5359-4393

ゲストハウス太陽堂を拠点に歩きたい、尾高山

しらびそ峠から約3時間で往復可能。登山道にはシラビやトオヒの原生林が生い茂り、一面緑のあざやかなコケに覆われていて、標高2,212mの山頂からは赤石岳を間近に眺めることができます。この時期は道の凍結や積雪があることもあるので、装備の準備と天気予報の確認を忘れずに!

 

松鳥むう(まつとり むう)

イラストエッセイスト。離島とゲストハウスと滋賀県内の民俗行事をめぐる旅がライフワーク。訪れた日本の島は118島。今までに訪れたゲストハウスは100軒以上。その土地の日常のくらしに、ちょこっとお邪魔させてもらうコトが好き。著書に『島旅ひとりっぷ』(小学館)、『ちょこ旅沖縄+離島かいてーばん』『ちょこ旅小笠原&伊豆諸島かいてーばん』(スタンダーズ)、『ちょこ旅瀬戸内』(アスペクト)、『日本てくてくゲストハウスめぐり』(ダイヤモンド社)、『あちこち島ごはん』(芳文社)、『おばあちゃんとわたし』(方丈社)、『島好き最後の聖地 トカラ列島 秘境さんぽ』(西日本出版社)、『初めてのひとり旅』(エイ出版社)等。最新刊は『むう風土記~ごはんで紐解く日本の民俗・ならわし再発見録~』(A&F)。

http://muu-m.com/

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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