山のそばでものづくりvol.9 「Akane BonBon」梅川茜さん
ランドネ 編集部
- 2022年11月29日
山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は、紙箱・張子作家の梅川茜さんにお話を伺いました。
和紙を染めるところから、自分の手で行なう
Akane BonBon
profile
梅川 茜さん
長野県松本市出身。高校卒業後、南仏に渡り2年間修業を積む。帰国後、紙箱作家として活動開始。紙を扱う会社へ就職してグラフィックデザインも学び、作家兼デザイナーとして独立。Instagram@akanebonbon
部屋の片隅に飾るだけでも主役になる、かわいらしい紙箱。これは、北アルプスの玄関口・長野県松本市を拠点に活動している、紙箱作家の梅川茜さんが手掛けたものだ。
「木工作家の父親の背中を見て育ったので、〝私もなにかを創る人になりたい〞と思うようになりました」
松本市で生まれ育った梅川さんは、高校卒業後、厚紙の箱を布や紙でデコレーションするフランスの伝統工芸〝カルトナージュ〞の技術を学ぶために、南フランスのヴァルレアスへ。2年間、現地の学校で修行した後に松本市へ戻り、2003年より紙箱作家としての活動を始めた。
「フランスの学校は工場で働くための職業訓練校という位置づけで。自分の学びたいこととは少し違いました。現地での経験はもちろん活きていますが、帰国後に独学で技術を模索した部分のほうが大きいですね」
すべての行程を手作業するのは
自分が表現したい形に近づけられるから
梅川さんの紙箱で特徴的なのは、箱を装うさまざまな柄の和紙。じつはこの和紙は、〝型染め〞という日本の伝統技術を使って、梅川さん自らが染め上げたもの。大きな箱にも貼れるサイズの柄を刷れる手法が、この型染めだったそうだ。
梅川さんのもうひとつの代表作が、雷鳥をモチーフにした張子だ。2015年に友人と4人で制作を始めた。
「雷鳥張子を作るようになってから、山に登り始めました。唐松岳で本物の雷鳥を見たこともありますよ(笑)。作品がやっと認知されてきたので、がんばって作り続けたいです」
手作りにこだわり制作を続ける梅川さん。その手仕事への愛情や好奇心が、作品に息を吹き込んでいる。
Akane BonBonの商品ラインナップ
右奥)角トレイ
高さ違いのトレイを2 枚重ねることで、紙製とは思えないほど丈夫な仕上がりに。鍵置きなどにおすすめ。各3,300 円。17.5㎝×12.5㎝×高さ1.5㎝。
右前)オーバル箱
美しい楕円型をした小箱。型染めで、かわいらしいモチーフが表現されている。山バッチなど小物の収納にいかが。各5,500円。15㎝×10㎝×高さ6㎝。
左)みだしなみ箱
蓋の中央に折り目があり、片側だけ開閉できる。出し入れすることの多いハンカチやアクセサリーの収納に便利。各8,800円。27㎝×10.5㎝×高さ6㎝。
奥)見張り雷鳥
春の繁殖期、なわばりの岩の上に立ち、見張りをしている雷鳥がモチーフ。高さがあるので、起き上がり雷鳥と組み合わせて飾りたい。3,740円。高さ約9㎝。
手前3点)起き上がり雷鳥
何度転んでも起き上がる雷鳥張子。夏毛、冬毛、雛と3種類の展開あり。登山のお土産にピッタリ。各2,500円。幅約4~5㎝、高さ約4~5㎝。
型染めカード
山の動物たちが型染めで描かれた和紙のカード。部屋に飾るもよし、絵ハガキにするもよし。(中)1,300円。15㎝×20.5㎝、(大)3,000円。28㎝×23㎝。
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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