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アウトドアスタイル・クリエイター四角友里さんの歩く、田辺の魅力【#5】田辺で暮らす人の思い出が宿るお菓子

山、海、町、食、そして人。南紀白浜空港から、車で30分ほどの立地にある和歌山県田辺市は、旅のきっかけを見つけるには充分すぎるほどの魅力にあふれる場所。この田辺を、山や自然を愛する人が旅をするなら――。そんな目線で、登山靴を履き、バックパックひとつを背負って”田辺時間”をすごした四角友里さん。たくさんの山と町を歩き、心を動かしてきた友里さんが見つけた田辺の魅力を、お届けします。

【#1】ここにしかない山と町の風景
【#2】表情の異なる地元の愛され山
【#3】熊野古道・中辺路
【#4】何度も訪れたいふもとの町

ふもとで愛されるお菓子を持って、山の上まで

地元の方の幼いときからの思い出が宿ったお菓子や、大切なだれかに贈りたいお菓子。……人々に愛されている味には、その土地の風土や歴史までもが色濃く映し出され、旅人の私たちに町の魅力を語りかけてくれる存在です。

田辺のお菓子は種類も趣もさまざまで幅広い。田辺ならではのモチーフが使われている銘菓も多く、例えば、『二宮』では鬪雞神社の紅白の鶏がモチーフになった「鬪雞まんじゅう」、や、植物学の世界的な研究者としても知られる南方熊楠にちなんだ「南方熊楠っまんじゅう」が。『七福堂』や『鈴屋』では、田辺で生誕したと言われている武蔵坊弁慶にちなんだものなど。お菓子が田辺を深く知るための仲介人になってくれるんです。また、味だけでなく、お店の佇まいや名前や形に込められた想いなど、お菓子が生まれた背景までも楽しめます。

滞在中は山でも町でも、その土地で作られたものだけを食べたいから、いつもお菓子を買うのは最初にし、山のおやつも現地で購入します。そして、好きなものを、旅の終わりにもう一回買うのが私のスタイル。お菓子を求めて町を歩くことで、より立体的に町のようすも知ることができるんです。

お菓子の宝庫、田辺。旅の楽しみを何倍にもしてくれるお菓子を通して、町や人と仲良くなりましょう。

 

「平山製菓」のバナナ焼きと鈴まんじゅう

愛らしい形の鈴まんじゅう、バナナオイル入りのバナナ焼きなど、スーパーや産直でも購入できる田辺の定番おやつ。外まで甘い匂いが漂う作業場を併設した店舗では、作りたてのほんのり温かい鈴まんじゅうを詰めてもらえることも。作業風景ものぞかせていただけ、焼台に向かってあぐらをかいて座り、カステラ生地を流し込んではカチャンカチャンと音を立てながら鉄の焼き型で素早く手焼きしていく職人のお父さんの真摯な姿がありました。一つひとつ丁寧に作られたやさしい味のおやつです。

平山製菓 
田辺市上万呂59-6
TEL.0739-22-9979
営業時間:8:00~18:00
定休日:日曜

※「産直市場よってって  いなり本館」などでも購入可能

「鈴屋」のデラックスケーキ

県内外からひっきりなしにお客様が出入りする鈴屋のショーケースには、最中や饅頭、レモンケーキなど和洋折衷のお菓子がずらり。なかでも人気なのが「デラックスケーキ」。カステラに白いんげん豆やゴマをベースにした特製ジャムを挟み、ホワイトチョコでコーティングされたオリジナル。和菓子の技法をベースに作られた洋菓子という、繊細な味わいがある銘菓です。5センチ四方のミニケーキで、銀色のレトロな包み紙も優雅で特別な気持ちを演出してくれます。

鈴屋
田辺市湊15-11
TEL.0739-22-0436
営業時間:8:00~18:00
定休日:なし

「ともゑ堂」の量り売りのおせんべい

昭和六年創業以来、レトロなガラスケースに入ったお菓子をスコップですくって袋につめる量り売りスタイルのせんべい屋さん「ともゑ堂」。店の奥で手作りされている無添加のたまごせんべいをはじめ、かりんとうや芋けんぴ、豆菓子など、山おやつにもぴったりな品揃え。「量り売りって大変じゃないですか?」とお聞きすると、返ってきたのは「ずっとこのスタイルだったから、他がわからないのよ」という言葉と笑顔。その“当たり前”には、昔ながらの情緒と今の時代に必要なやさしさが宿っています。

ともゑ堂
田辺市南新町47
TEL.0739-22-1260
営業時間:10:00~17:00
定休日:日曜、年末年始

 

 

〜旅人 アウトドアスタイル・クリエイター 四角友里〜

「山スカート」を日本に広めた女子登山ブームの火付け役。現在は講演や執筆、アウトドアウエア・ギアの企画開発を通し、メッセージを発信する。海外の山や日本全国の山を旅しながら、土地の食や文化を味わうのがライフワーク。著書に、登山ノウハウが満載の『一歩ずつの山歩き入門』(枻出版社)、山の思い出を綴ったエッセイ『山登り12ヵ月』(山と溪谷社)など。雑誌『ランドネ』にて「にっぽん食名山」を連載中。Instagram@yuri_yosumi

 

【#1】ここにしかない山と町の風景
【#2】表情の異なる地元の愛され山
【#3】熊野古道・中辺路
【#4】何度も訪れたいふもとの町

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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