CAMMOCの「キャンプしてたら防災できた!」#7 防災に役立つアウトドアの魅力/クリスマスラスク&プレーンラスク
キャンモック
- 2022年12月19日
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キャンプの道具や知識には、防災に役立つものがたくさんあります。でも、いくらすぐれた道具を揃えても、電源や水道のないストイックなキャンプ経験があっても、災害時にはまったく経験したことのないさまざまな問題が襲いかかってくるでしょう。予期せぬ事態を目の前にしたとき、道具や知識がいつものように使えないかもしれません。
そんな悔しい思いをしないために、災害時に役立つ情報やすぐに使える収納方法など、ちょっとしたヒントを知っておくとあなたの知識や道具がもしもの時にぐっと頼もしいものになってくれるはずです。
この連載では、無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱するCAMMOCの防災士資格を持つメンバーから、アウトドア好きの皆さんへ、もしものときに役立つ情報とレシピをお届けします。
防災に役立つアウトドアの魅力
これまで防災に役立つアウトドアグッズや、アウトドアアクティビティを通してできる備蓄法など、さまざまな情報を紹介しました。防災を意識することでいつもの道具がより頼もしく、愛おしいものとなった方もいるのではないでしょうか。
キャンプが防災に役立つのは、道具や備蓄法だけではありません。その場にあるものでピンチを乗り切る知恵や、なにごとも諦めない心が自然と身につきます。また、自然を知ることや魅力を感じることも防災力へと繋がります。
今回はそんな防災に役立つアウトドアの魅力を、少し広い視点でお話します。
命を守るための行動力
日ごろから登山やキャンプなどを楽しんでいると、天気図の見方を覚えたり、気圧が下がり空気が湿ってくるような雨降りの前兆が分かるようになったり、そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
自然の変化を敏感に感じると、たとえばゲリラ豪雨が来る前に「天気が荒れそうだから早めに帰宅して家でゆっくりすごそう」などとおのずと難を逃れる行動ができるように。これは発災直後の状況判断と行動を早くすることにも繋がっています。
避難指示が出ていても、さまざまな理由からなかなか行動に移せず、命を落とすという悲しい状況があとを断ちません。バックパックを背負って歩いた経験がある人は、防災バックを背負い避難する一歩を踏み出すハードルも越えやすいかもしれません。キャンプをして外で寝たことがある人は、避難所で夜を迎える覚悟も決めやすいかもしれません。こうしたアウトドアの経験は、命を守る行動力となるでしょう。
なにより大切なことは「自分の命を守る」こと。自分の命を守れなければ、大切な人の命を守ることはできません。子どもも常に親と行動しているとは限らないため、自分で自分の身を守る力が必要です。
遊びながら命を守る力が自然と身につくアウトドアは、子どもも大人もみんなにおすすめの防災法なのです。
命を繋ぐ力
命が助かり避難所に身を寄せることができたとしても、災害発生から72時間は人命救助が最優先されるため、支援物資は届かないことが多く、助かった命を繋ぐには自力でなんとかしなければなりません。
全国的に甚大な被害が出ている状況であれば、その後も支援は受けられない可能性もあり、自分自身で備えておくことはとても重要なこと。
とはいえ常に災害を恐れて備えることを気負っていては、それだけで具合が悪くなってしまいそう……。
この連載でお伝えしているように、アウトドアを楽しみながら備えることができる道具や備蓄法があります。
備えておくことが大前提ですが、例え必要な道具がなかったとしても、登山やキャンプをしていると、その場にあるもので乗り切らなければならない状況に合うこともよくありますよね。そんな経験を通して、乗り切る知恵や諦めない心が身につくのもアウトドアの魅力です!
地球に優しい暮らしと防災
山や海の美しさや心地よさを味わうと、『この地球を大切にしたい』と思う気持ちが湧き上がり、「消費電力が少ないものを選ぶようになった」「ゴミが出ない工夫をするようになった」など、積極的に行動するようになる人も多いと思います。
自然破壊は災害を引き起こす原因となるため、環境問題に取り組むことは防災にも繋がるとても大切なこと。
日ごろから家庭で生ゴミ処理にコンポストを利用していれば、ゴミ収集が厳しい被災時でも臭いや衛生問題に悩まされなくなります。使いきれない野菜や食材をドライフードにすることで、被災時にも栄養が取れる保存食にすることができます。このように地球に優しい暮らしは、防災に強い暮らしでもあります。
SDGs防災キャンプ
子どもが「大きくなったら困るから勉強しなさい!」とただ言われても、その大切さや楽しさを実感できなければなかなか勉強に手が付かないように、私たちも「災害が起きたら困るから防災しなさい!」「環境破壊が進むと大変だから地球に優しくしなさい!」と言われても、なかなか手に付かないのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、キャンプや登山などのアウトドアアクティビティは、楽しみながら防災力を身に付け、地球に優しい行動が積極的にしたくなる防災を持続可能にする方法です。
自分で自分の命を守ることができれば、大切な人たちの命も守り、救助の手は必要な人に届けることができる。自分に必要なものを自分で賄うことができれば、余裕のあるものは分け合い助け合うことができる。それは、持続可能な未来を作る方法です。
「CAMMOCのキャンプしてたら防災できた!」ではこれからも無理なく無駄なくできる楽しい防災、『SDGs防災キャンプ』を発信していきます。皆さまのお役に立つことが出来れば幸いです。
今月のレシピ/クリスマスラスク&プレーンラスク
クリスマスラスク
クリスマスシーズンにぴったりなラスク。簡単に作れるのでパーティーの一品や、非常食として常備しておくのにもおすすめです。
材料
パン…1カップ分(食べやすい大きさに切ったもの)
※バケットでも食パンでもOK
バター…大さじ2
砂糖…大さじ1
クリスマススパイス…大さじ1
・シナモン
・クローブ
・ナツメグ
・ジンジャー
・カルダモン
※スパイスはすべて同量に混ぜ合わせるのがおすすめですが、手に入りやすい材料やお好みの配分で調節してもOK
作り方
1.食べやすい大きさに切ったパンをフライパンに入れ、弱火〜中火で転がすように煎りながら焦がさないように焼く。
2.パンの水分がしっかりと飛んだらお皿に移す。
3.フライパンにバター・砂糖を入れて火にかけ、バターが溶けたら火を止めて、1のパンを入れてしっかりと絡め合わせる。
4.クリスマススパイスをまんべんなく振りかけ混ぜ合わせ、網やザルなどに重ならないように並べて、冷めたらできあがり。
プレーンラスク
乾燥剤と一緒に保存すれば約1カ月常温保存が可能。いざというときの保存食としてはもちろん、ジャムを塗ったり具材をのせたり、いろいろなアレンジが楽しめます。
材料
バケット…適量
作り方
1.バケットを1cm幅に切り、オーブンに重ならないように並べる。100〜120℃の温度で約15分焼く。
2.そのまま約15分オーブンの熱がとれるまで置く。
※水分がなくなりカリカリになるように、温度や時間は調整して下さい。
※オーブンがない場合は、フライパンを使い弱火でじっくりと両面焼いて、水分をしっかりと飛ばします。
クリエイターズユニット
CAMMOC(キャンモック)
左から、三沢真実、三宅香菜子、内舘綾子
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。アウトドア・フードロス・防災などの観点からドライフードに注目し、初著書「うまみがギュッ!干すだけ簡単 はじめてのドライフード(山と溪谷社)」全国書店にて絶賛発売中。
HP:https://cammoc.com
Instagram:www.instagram.com/cammoc
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PROFILE
キャンモック
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱。 https://cammoc.com/
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱。 https://cammoc.com/