【いつか泊まりたい山小屋 #32 中央アルプス・ホテル千畳敷】リニューアルして生まれ変わった国内最高所の絶景ホテル
ランドネ 編集部
- 2023年01月08日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。32軒目は、中央アルプス・駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅に直結する、ホテル千畳敷をピックアップ。
リニューアルのポイントは、テラス新設とレストラン改装
ロープウェイで気軽にアクセスできる中央アルプスの千畳敷カールは、登山客はもちろん、登山目的ではない観光客も多く訪れている国内屈指の観光スポット。ホテル千畳敷はそんな千畳敷カールの下、標高2,612mに建つ宿泊施設で、駒ヶ岳ロープウェイの山頂駅である千畳敷駅に直結するという好立地にある。建物内には、客室のほかカフェ&レストランやお土産ショップもあり、ロープウェイを利用する人々の休憩スポットとしても重要な存在だ。
1989年にオープンし、2022年で開業33周年を迎えるこのホテルが、この冬大規模な改装を行い新しく生まれ変わった。改装のおもなポイントは、千畳敷側に広がるウッドデッキのテラスと、レストランの内装。テラスができたことによって、遠い昔に氷河に削り取られた美しいカールを、落ち着いて眺められるようになった。さらに千畳敷側に設えられているレストランの窓がより大きくなったことで、レストランの中からもカールの絶景を堪能できるように。館内の一角に、景色を存分に眺められるラウンジも加わり、館内全体がロープウェイ乗車の前後にゆっくりと時間を過ごせる空間へとパワーアップしたのだ。
夏の星空に年始のご来光。通年営業ならではのお楽しみ満載
駒ヶ岳ロープウェイもホテル千畳敷も通年営業なので、星空やご来光など、季節によって表情を変える多彩な景色を楽しむことができる。冬の場合、この高さまでたどり着くためには充分な雪山の経験や装備が必要だが、ホテル千畳敷がゴールであれば、しっかりした防寒着とスノーブーツがあれば問題なし。雪山ならではの、澄み渡った青空と白い雪が織りなす絶景を、快適な館内からでも眺めることができる。
もちろん、夏の天の川やカールを埋め尽くす高山植物の景色も見応え充分なので、季節を変えて何度でも訪れてほしい場所だ。
山小屋から目指すおすすめルート【ホテル千畳敷~伊那前岳 片道約1時間30分】
ホテル千畳敷を拠点にすれば、体力や経験、装備によってさまざまな歩き方ができる。体力に自信がない人や登山未経験の人であれば、千畳敷カール周辺をぐるりと散策するのがおすすめ。宝剣岳などが映り込む剣ヶ池などもあり、歩き応えは充分にある。健脚であれば、乗越浄土まで岩の急登を登り、そこから木曽駒ヶ岳や宝剣岳を目指すのもよし。
千畳敷カールの美しい地形を眺めるのにおすすめなのは、乗越浄土から東の稜線を歩いてたどり着ける標高2,883mの伊那前岳だ。お椀のようなカールの独特な地形、反りあがる宝剣岳の雄姿を眺めることができる。木曽駒ヶ岳や宝剣岳に比べたらメジャーではないスポットなので、ハイシーズンでも山頂付近が混雑しないのも魅力だ。写真撮影やスケッチなど、山の上での時間を静かに楽しみたい人にも、ぜひ足を運んでみてほしい。
駒ヶ岳ロープウェイを利用して気軽にアクセスでき、滞在を通してアルプスならではの絶景を堪能できる、国内最高所の快適な宿。「山を好きになってもらいたい」と思うパートナーや家族、友人を連れて行くには、絶好の場所になるに違いない。
ホテル千畳敷
https://www.chuo-alps.com/hotel/
・標高:2,612m
・営業期間:通年
・宿泊料金(税込):1泊2食12,100円~(2名1室)、素泊まり8,800円(冬季のみ)、お弁当650円
・電話番号:0265-83-3844 (8:30〜17:00)
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、個室あり、マスク要持参
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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