山のそばでものづくり Vol.10「monom」うだまさしさん
ランドネ 編集部
- 2023年01月31日
山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は、木工作家のうだまさしさんにお話を伺いました。
使い捨てのモノではなく、長く使えるモノを作りたい
monom
profile
うだまさしさん
千葉県出身。大道具会社から家具工房へ転職した後、都内の職業訓練校にて木工技術を学び、2011年秋に独立。埼玉県の秩父を拠点に日用品を中心とした木工品の製作を行なう。Instagram@uda_masashi
カトラリー、トング、お皿、カッティングボードと調理や食事に欠かせない道具を、木材を用いて製作しているmonomのうだまさしさん。四方を山々に囲まれた秩父盆地の北部、皆野町に自宅ギャラリーと工房を構え、妻の由香さんや子どもふたりとともに暮らしを営んでいる。
工業高校へ進学し、ディスプレイデザインや舞台美術を学んだうださんは、卒業後にテレビ番組の大道具制作などを行なう会社へ就職した。
「最初の会社では、すぐに捨てられてしまうモノを作ることに心苦しさを感じていました。そこで2年間働いた後、家具工房に転職したんです。働くなかで『自分のモノが作りたいと思うようになり、基礎を学べる職業訓練校に入りました」
定規やコンパスを使わずに下絵を描くのが
ぬくもりを感じるフォルムの秘訣
2011年に独立し、木工作家としてのキャリアをスタート。最初は家具と小物を製作していたが、次第
に小物がメインとなっていったそう。
「家具は寸法がすべてなんですけど、数字が苦手な自分の性格には合わなかったんですよね」
手元の木材にフリーハンドでカッティングボードの下絵を描きながら、うださんはそう謙虚に語った。じつはここに、monomの全作品に通じる〝ぬくもり〞の正体がある。うださんは木工製作において、定規やコンパスをほとんど使わないのだ。
「直線も正円も、自然界にはないですから。僕は自然な形をモノで表現していきたいと思っています」
monomの作品に愛着を感じざるを得ないのは、うださんのこうした想いが詰まっているからだろう。
monomの商品ラインナップ
右下)ミニボード
薄くて取っ手が付いているため、取り出しやすい。片面はツルツル、片面は凹凸のある仕上がりで幅広く使える。7,700円。約16㎝×約26㎝×厚み約1㎝
右上)ツリーフォーク・ツリースプーン
柄の部分が針葉樹の形になっている、キュートなカトラリー。スプーン4,950円。幅約3㎝×長さ約17㎝/フォーク4,180円。幅約2.5㎝×長さ約16㎝
中)モン皿
キンモクセイの模様が散りばめられたお皿。模様の部分を残し、鉄焙煎で染められている。和菓子との相性もよし。8,800円。直径約16㎝×深さ約2.5㎝
左)山皿
山をモチーフにした一枚。ポッテリしたフォルムと稜線の立体感がポイント。赤ん坊の握り拳から着想を得たそう。15,400円。約25㎝×約23㎝×深さ約3㎝
トング
経年変化を楽しめる真鍮を使用。さまざまなサイズやデザインがある。大11,000円。幅約4.5㎝×長さ約28㎝/小9,900円。幅約3.5㎝×長さ約15㎝
Uの一輪挿し
壁に吊るすことも自立させることもできる一輪挿し。自然のなかで出会った野花をそっと挿し込んでみて。3,520円。約11㎝×約13㎝×厚み約1.5㎝
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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