CAMMOCの「キャンプしてたら防災できた!」#9 ドライフードの魅力/インスタント味噌汁&カラフル味噌玉
キャンモック
- 2023年02月17日
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キャンプの道具や知識には、防災に役立つものがたくさんあります。でも、いくら優れた道具を揃えても、電源や水道のないストイックなキャンプ経験があっても、災害時には全く経験したことのない様々な問題が襲いかかってくるでしょう。予期せぬ事態を目の前にした時、道具や知識がいつものように使えないかもしれません。
そんな悔しい思いをしないために、災害時に役立つ情報やすぐに使える収納方法など、ちょっとしたヒントを知っておくとあなたの知識や道具がもしもの時にぐっと頼もしいものになってくれるはずです。
この連載では、無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱するCAMMOCの防災士資格を持つメンバーから、アウトドア好きの皆さんへ、もしもの時に役立つ情報とレシピをお届けします。
身近に存在する備蓄食
防災に役立つ「日持ちする食品」と言えば、どんなイメージがありますか?
数年〜数十年間保存可能な長期保存食を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、スーパーなどで手軽に購入できる缶詰、レトルト食品、カップ麺なども含まれます。ある程度日持ちするため、日常的に食べながら補充を続ける「ローリングストック」に向いた食品で、キャンプなどアウトドアでの食事にも活用しやすいのがうれしいですね。
また、私たちの身近なところには、手作りも可能で古来から食べ続けられている「日持ちする食品」も数多くありますが、どんなものを思い浮かべますか?
じつはなじみ深い醤油や味噌、そして乾物、燻製、漬物なども、優秀な備蓄食です。
今回はそのなかでもアウトドアと相性が良い「乾物=ドライフード」にフォーカスしてみましょう!
ドライフードの魅力
乾燥させることで小さくて軽くなるドライフードは、持ち運びに便利!登山を楽しんでいる方には行動食としておなじみかもしれません。
野菜などを乾燥させると、旨みがぎゅっと凝縮されるので、たとえばドライフードをたっぷり入れて作ったお味噌汁は出汁がいらないほどの味わいになるんです!また、乾燥させることによって変化する食感は食品によってさまざまで、グミのような食感のイチゴや、コリコリしたきゅうりの歯応えはクセになります。
にんじんや大根など皮をむいて食べることが多い野菜も、ドライにすると皮まで美味しく食べることができます。また、旅先で見つけた美味しそうなきのこや野菜をつい買いすぎてしまったり、中途半端に残った野菜の切れ端を冷蔵庫の中でシワシワにしてしまったり……。そんなときもサッとドライにしておけば日持ちさせることが出来ます。食材から出るゴミを減らし、野菜を余すことなく活用できるドライフードはフードロス削減にも繋がります。
そんな美味しくて環境にも優しいドライフードですが、さらにうれしいのは自宅で作れること!はじめてみると思いのほか、さまざまな食材を簡単にドライフードにすることができるので、きっと楽しみながら続けられます。
ドライフードの作り方
ドライフード作りはとてもシンプル。お天気が良ければだれでも簡単に作ることができますが、ポイントを抑えておくとさらに美味しく仕上がります。
基本の干し方
①食材を切る
食材を洗って水気をとり、適当な大きさにカット。このとき、薄切りや細切りにすると水分が抜けやすく、干し時間が短くなります。
②並べて干す
カットした食材を、ざるやネットなどに重ならないように並べて干します。干す場所は日当たりがよく風通しの良い場所がベスト。全体に日が当たるよう時々ひっくり返してあげましょう。
セミドライorドライ
水分がほどよく抜けた「セミドライ」はそのまま食べても美味しく、食材本来の味を楽しむことができます。カラカラと完全に乾燥した「ドライ」は長期保存が可能になり、色々な食感が楽しめます。
食材や切り方、天候などにより異なりますが、セミドライであれば数時間から1日ほど、ドライであれば1〜5日間ほどかけて仕上げます。
ドライフード作りはいまが最適!
ドライフード作りで注意すべきは”湿気”。カビや腐りの原因となるため、雨の日やジメジメとした天気が続く梅雨の時期は避けましょう。
ベストなシーズンとしては湿度の低い秋冬。さらに暖かい日差しと風が抜ける春や、カラッと晴れた夏など、晴れが続く日に干すのがオススメです。
ドライフード作りに役立つ道具
一般的には竹など自然素材で作られたザルやカゴ。手入れのしやすい金属製の網やカゴもあり、吊るしやすいようにフックや蓋が付いたものもあります。
キャンプで食器を干すのに使うドライネットや、洗濯物干しに使うピンチハンガーなども吊るして干すのに使えます。
いつもの味はあたたかい存在
魅力たっぷりのドライフード!日常的にも楽しめて、日持ちもするのでアウトドアやもしものときのためにぜひ常備してみては。普段から食べ慣れているものは、不安な状況下でも心や身体をほぐしてくれるあたたかい存在になってくれるはずです。
ドライフードは日本人にとって定番のお味噌の具材などにもおすすめです。
今月のレシピ/インスタント味噌汁&カラフル味噌玉
お湯を注ぐだけのインスタント味噌汁は、作り置き可能でいざという時の防災食に最適。小分けの味噌玉にすることで、忙しい朝やお弁当、キャンプにももって行きやすく便利です。保存期間は冷蔵で約1週間、小分けの味噌玉は冷凍で約1ヶ月。
インスタント味噌汁 5食分
材料(味噌汁の素)
お好みの味噌…大さじ5
粉末出汁…小さじ5
干しネギ…1/2本分
乾燥わかめ…大さじ3
*その他おすすめのドライフード&具材
干しにんじん、切り干し大根、干し玉ねぎ、干しきのこ、干し小松菜、じゃこ、干し海老、天かす、油揚げ、青のり、焼き海苔、高野豆腐、とろろ昆布、梅干し、生姜など。
作り方
1. 全ての材料をよく混ぜ合わせる。
2.お椀に①を1/5入れて熱湯200ccを注ぎ、よくかき混ぜる。
カラフル味噌玉
お好みのインスタント味噌汁を作ったら1/5ずつ小分けにする。表面がカラフルになるよう食材をまぶし、ラップにひとつずつ包む。
飾りつけ食材(全て適量)
花麩、白胡麻、黒胡麻、大葉(乾燥)、干し海老
*お使いのお椀に合わせて、味噌汁の素と熱湯の分量を調節してください。
*味噌の種類や粉末出汁により塩分濃度が変わるため、お好みの味になるよう分量を調節してください。
ドライフード作りにぴったりな1冊
アウトドアやフードロス、防災などの観点からドライフードに注目していた私たち。2022年にCAMMOC初著書となる「うまみがギュッ!干すだけ簡単 はじめてのドライフード」が絶賛発売中です。
◆こんな方にオススメ
- キャンプ料理や登山飯に野菜を取り入れたい
- 時短で栄養満点なレシピが知りたい
- 食材をつい余らせてしまう
- 料理がワンパターンになりがち
ひとつでも当てはまるものがあれば、ぜひこの書籍をお手にとってみてください。これらの悩みを一気に解決してくれる存在となるでしょう。ドライフードをきっかけに、みなさんの暮らしがより豊かになると信じています。
クリエイターズユニット
CAMMOC(キャンモック)
左から、三沢真実、三宅香菜子、内舘綾子
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。アウトドア・フードロス・防災などの観点からドライフードに注目し、初著書「うまみがギュッ!干すだけ簡単 はじめてのドライフード(山と溪谷社)」全国書店にて絶賛発売中。
HP:https://cammoc.com
Instagram:www.instagram.com/cammoc
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PROFILE
キャンモック
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱。 https://cammoc.com/
「キャンプのある暮らし」をコンセプトに空間やフードのコーディネート、キャンプ撮影の監修、防災講演など、多数メディアで活躍するクリエイターズユニット。無理なく無駄なく楽しくできる「SDGs防災キャンプ」を提唱。 https://cammoc.com/