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モデル仲川希良の「絵本とわたしとアウトドア」#34 たんぽぽは たんぽぽ

与えられた環境のなかで考える〝自分らしさ〞とは

小学生のときに、在来のカントウタンポポに代わり外来のセイヨウタンポポが増えていると知った私。それからしばらくはタンポポを目にするたび総苞そうほう(ガクのようなもの)をチェックし、「これは関東、これは西洋」と見分けるのがブームでした。そのうち校庭中のタンポポを確認しようと思いつき、紙に簡単な学校の地図を描いて、カントウタンポポを見つけた場所には「カ」、セイヨウの場合は「セ」と書き込んでいきました。たしかにほとんど「セ」。でもセだろうがカだろうがタンポポはどれもかわいく、土地によっては駆除対象らしいセイヨウタンポポをどうこうしようとは思えませんでした。

タンポポ系は強いようで、ボルネオ島キナバル山の標高3,300mあたりでも見たことがあります。元来ここにはないが海外登山者が運んだ種が広まっている、と言うガイドさんに、それは大変ですねと返しつつ、やはり摘み取る気にはなれず。むしろ湧いてくる尊敬の念。たまたま通りかかった靴に着いて、海を渡り山を登り、たまたま落とされたこの地で花を咲かせているなんて。

▲関東では珍しいシロバナタンポポ。見つけたのは天覧山の下山後、カメラも鞄にしまって歩いていた車道沿いだった。本人は珍しくあろうと思って咲いているわけではないのだよな、と改めて思う

森を歩いているといつも、植物や動物、生きものすべてがそれぞれの命をまっとうしようとしている姿に感動します。与えられた環境でただ生きる美しさ。モミの木がモミの木として、シジュウカラがシジュウカラとして、そこに居るだけで心動かされるのです。

絵本「たんぽぽは たんぽぽ」のなかでは、生きもの同士で声をかけ合い、その生を確認します。「たんぽぽは たんぽぽ」とスズメに言われたタンポポは、花びらをピンと伸ばす。そのタンポポに「ありんこは ありんこ」と言われたアリは、小石をどんどん運ぶ。私は人なので、「たろうは たろう」と言われた主人公がまごつく気持ちがよくわかります。人とは?私とは?ウインクをしてみせたたろうに、生きものたちは首を傾げます。「たろう、もっと!」の声を受け、さらにエイヤとでんぐり返し。これが正解かはわかりませんが、たろう自身は満足したのか、今度は自分から「すずめは すずめ」と声をかけるのです。

この本の「あなたはあなた」なところが、気に入っています。私が私であろうとするより、私を囲む他者に己であれと言われた方が、力が出る。独りよがりでない自分らしさを発揮できる気がする。では「希良さんは 希良さん」と言われたら、私は どうするのでしょうか。

今回の絵本は……

たんぽぽは たんぽぽ

作 おくはらゆめ
大日本図書

ふくふくと朗らかな絵がページいっぱいに弾けていて、元気がもらえる。異質な仲間から注がれる視線や、それに覚える緊張感は新生活とも似たものが。なんとも春らしい一冊

モデル/フィールドナビゲーター
仲川希良

テレビや雑誌、ラジオなどに出演。登山歴は14年目。里山から雪山まで広くフィールドに親しみ魅力を伝える。一児の母。著書に『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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PROFILE

仲川 希良

ランドネ / モデル/フィールドナビゲーター

仲川 希良

テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの14年。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に、『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

仲川 希良の記事一覧

テレビや雑誌、ラジオ、広告などに出演。登山歴はランドネといっしょの14年。里山から雪山まで幅広くフィールドに親しみ、その魅力を伝える。一児の母。著書に、『わたしの山旅 広がる山の魅力・味わい方』『山でお泊まり手帳』

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