メリノウールが山ウエアにぴったりな理由|山好きを魅了するアイスブレーカーに聞きました
ランドネ 編集部
- 2023年05月30日
一度着たら、手放せなくなる。そんな声をよく聞くウエアの素材のひとつがメリノウール。着心地と機能性について熟知する、アウトドアブランドのスタッフにお話しを伺いました。
まずは「Mt.ランドネ」会員さんにアンケート
Q、メリノウール素材を使ったウエアの印象は?
・肌触りがよい ・汗冷えしない ・消臭効果がある ・天然素材で肌に優しそう
・チクチクしないか気になる ・夏や低山ハイクでは暑くない? ・値段が高い
お話を伺いました
ザ・ノース・フェイス3(マーチ)スタッフ 持田真理香さん
山梨県出身。子どものころから家族と登山へ。アイスブレーカー愛用歴は5年。お気に入りは、山の上での防寒や冬のアクティビティで活躍する260 テックシリーズ。
――最近はメリノウールのアイテムをよく目にするようになったのですが、アイスブレーカーの扱うウールの特性を教えて下さい。
持田 品質のよさがなによりの特徴かなと。使用している羊の毛がとても細くて柔らかいので、肌に触れたときのチクチク感がないんです。
――羊の毛そのものが、よいものなんですか?
持田 原材料となるメリノ種羊が育てられている場所は、ニュージーランドにある標高1,800mの山岳地。東京ドームおよそ1個分の広さに対して、羊3頭という比率で、水も食べものも自由に摂ることができる。そんなストレスのない環境で暮らしている羊の毛は、質がよいものになるんですよ。
――ぜいたくですね!
持田 はい。夏は35度、冬はマイナス20度と、厳しい環境のなかで生きる羊の体を、常に快適に守っている毛がアイスブレーカーの製品になっているので、登山のウエアとしても快適という訳です。
――ウールと聞くと、冬に着るものというイメージがありますが。
持田 素材の機能としては、高い吸保湿性があり、体から出る水蒸気を吸収して発散させることで、肌をサラサラに保ってくれます。そのため、暑いときでもウエアの中を常に快適な温度に調節をしてくれます。逆に寒いときには保温をしてくれる。
――一年中、着ることができるってことですね。
持田 さらにアイスブレーカーのアイテムは、毛のグラム数を見てもらうと、どの季節に適しているアイテムかがわかるようになっているんです。夏山シーズンですと、120〜150のオールシーズン快適な薄手のものがおすすめです。
――耐久性やお手入れ方法も気になるところです。
持田 お手入れについては、洗濯機で通常の弱アルカリ性洗剤を使ったお洗濯で問題ありません。その際は、柔軟剤は使わずに、ほかの洋服との擦れや引っかかりなどを避けるため、単品またはネットに入れるなどがおすすめです。じつは洗濯機で定期的に洗うことで、生地が回復する効果もあるんです。毛玉にもなりづらく、使い込んでも着心地のよさは変わりません!そもそも、縦走登山やテント泊などの洗濯ができない環境では、汗や脂がもとになる雑菌の繁殖でニオイが発生しやすい。そんななかでも、メリノウールの繊維は菌が繁殖しにくいので、何日間着用していても、ニオイは気にならないはずです。
――これからメリノウールデビューを考えている人に、おすすめのアイテムはありますか?
持田 ブラやショーツなどのアンダーウエアだと、価格的にも取り入れやすいと思います。タンクトップやキャミソールは日常でも着やすいのでおすすめですね。着てみると、気がつかないうちに体を温めていてくれたり。その機能性を実感してもらえると思います。
――いろんな環境でメリノウールを着てみたいです。
持田 私のおすすめは、寝るときにメリノウールを着ること。寝ているあいだも温度調節をしてくれるので、快適な睡眠が得られます。テント泊や山小屋泊のときに体の調子を整えてくれる。一枚で幅広い可能性があるウエアだなと!
――着心地がよくて、オールシーズン山でも街でも着ることができれば、値段も
高く感じないのかも。
持田 万が一、穴が開いてしまったり、糸がほつれてしまったときには、リペアサービスもあるので、お近くのショップまでお持ちいただければ受付可能です。お気に入りのアイテムを見つけて、できるだけ長く着てもらうことで、環境にも配慮しながら山を楽しむことができる。まだ着たことのない方には、ぜひ一度試してみてほしいです!
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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