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高山植物(山の花好き)ライター・成清 陽の「ヤマノハナ手帖」#23 イワショウブ

登山&撮影をライフワークとする花ライターがお送りする、高山植物の偏愛記。静かに、しかしアツ~く、お花をご紹介します!

「いや~今日は暑いですね!」、「朝冷えたね~」、「昨日はすごい雨で警報が出たね!!」……。かなりアヴァンギャルドな天候が続く、今年のニッポン。コロコロ変わる天気のせいで、飲む酒の選び方に困る……じゃなくて、山に行こうにも、気乗りしなくて困っております(でもホントの困りゴトは前者)。そんなときには、大好きな大好きなお花の話をして、暗い気分を吹き飛ばしたい! ということで今回は、筆者の独断と偏見による“美人すぎる”一輪をご紹介させていただいちゃいます!!

某銀行の「秘密の質問」のワンテーマ!

Data
イワショウブ(チシマゼキショウ科)
一般的な花期:7~8月
おもな生育場所:山地の湿地など

「好きな花はなんですか?」。日常生活で聞かれるタイミング、ないですよね。ところが、ところが。銀行のWEBサービスログインでパスワードを忘れたときに聞かれる「秘密の質問」ってあるでしょう? 「母親の旧姓は」「ペットの名前は」などが一般的ですが、ニッポン国民ほぼ全員(?)が利用するというウワサもある某銀行の質問、冒頭のクエスチョンがあるんですヨ。これ、花の質問を選ぶ人は10万人にひとりくらい(無根拠)。で、私はというと……この質問の回答に、イワショウブを登録してますっ!!

どこまでも地味。でも清楚美人

読者に1ミリもメリットがない、ソレガドウシタ感満載の情報漏えいからスタートした今回。ですが、これだけは言いたい。「イワショウブの美しさはホンモノですっ」。一輪の花のサイズは5ミリ内外、そしてマイクロメートルサイズの黒い花粉は、真っ白い花弁の引き立て役。そして、写真のような果実になると、艶っぽいえんじ色に染まるそのお姿……。取り立てて目立つわけでもなく、なんなら、ランドネ編集部員までも見落とす、その地味さ(!!)。でも……イイノダ カワイケリャ。要は何を言いたいかというと、「美人は正義ですっ」(声量極大)。

賢い!聡い!そして粘る!?

問題発言で読者を敵に回しがちな筆者ですが、そろそろマジメにイワショウブを紹介しますと……。イワショウブには、とっても大きな特徴が。花の茎にある細かい毛「腺毛」(せんもう)が、ネバネバする汁を分泌しているため、茎が粘るんです。これ、花の蜜を求めて茎を登ってくる蜜ドロボウ・アリから自衛するためなのだとか。なんと気高く美しく、そして聡い!! 天は二物を与えるとは、まさにコノコト(ほめるほめる)。

「じつはワタシも賢いんです!」

とまあ、何の見返りもないのに激的にほめちぎっているわけですケド、じつは聡いヤツはほかにもいるわけで。少しイワショウブから離れますが、こちら平地にも生えるノアザミのツボミ周辺(紫色の部分)にご注目。こちら、何のヘンテツもないつぼみに見えるわけですが、こちらはさらに強力。イワショウブどころの騒ぎではなく、こちらは「Gホイホイ」(おうちのカタチしたアレ)さながらです。トンボさん、涼しい顔して止まってますが大丈夫でしょうか?

燃え尽き症候群じゃないんです

「話題がブレてない?ほらほら、『ノアザミさんに持ってかれた~』って、イワショウブがしょげちゃったよ!?」。写真を見た方からそんなご指摘が聞こえてきそうですが、大丈夫。これは果実が種を飛ばして、“やりきった感”を全力で出してるトコだから。美人が美魔女を経て、白髪のきれいなおばあちゃんになったみたいでしょ(ナニガナンデモほめ続ける)。さあ、イワショウブの話してたら、山に行きたくなって……きましたね、みなさん! 山に行きましょう!! あ、でもイワショウブが咲くのはもう少し先でしたっ(てへぺろ♪)。

 

さてさて、今回ご紹介してきたイワショウブ。いかがでしたでしょうか? いい感じに中身の薄い今回(毎回?)でしたが、最後の最後にひとつだけ。じつはイワショウブ、ユリ科からチシマゼキショウ科という仲間に鞍替えしたのだとか。セキショウ=菖蒲、つまり「ショウブ」。ひょっとして、数センチにも満たない葉を大量にお風呂に入れたら、アノ香りがするのかも? 一度、試してみたいところですネ。まあ、秘密の質問の回答にイワショウブを掲げるワタクシ、罪悪感からそんなコトはできませぬが……。

それでは、また。
みなさまのココロに、すてきな花が咲き誇りますように。

 

花ライター
成清 陽
持ち前の強い好奇心で、大学時代から山・海・島を渡り歩いてきた個性派。自然ガイド、環境コンサル、アウトドア誌編集者、市営公園管理人、企業の森づくりなどなど、自然にまつわる職を転々としたのちにフリーランスに。好きな山は尾瀬、白山、御嶽、北岳。2023年春から岐阜県山間部のプチ古民家に移住し、半隠居ライフを通じて、どこまでユルく生きていけるのか絶賛お試し中です!

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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