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3rdアルバム『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』を8/9にリリース|Helsinki Lambda Clubが考える、山と音楽のさらなる楽しみ方とは

宇宙的感覚を研ぎすます「山と音楽のさらなる楽しみ方」をテーマに、さまざまなミュージシャンにインタビューしていくシリーズ。音楽フェスをはじめ、アウトドアフィールドで聴きたい音楽を紹介する。

Helsinki Lambda Clubが3rdアルバム『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』を8/9にリリース

ジャンルや時空を越え、テーマパークのような3rdアルバム『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』が完成した。10周年を迎えたばかりだが、時代を映し出すパラレルワールドのような展開で大作を完成させ、Helsinki Lambda Clubとはこれだと高らかに提示する。今回、橋本薫(Vo&G)、稲葉航大(B)、熊谷太起(G)に話を聞いた。

――テーマパークのようにめくるめく展開で、映画などもいま、パラレルワールドのようなテーマに切り込んだ作品が多いので、時代性も強く感じたのですが……。まずは、この大作が完成したということで、その手応えから伺えますか。

橋本:毎回前の作品を超えなきゃと思っているんですけど、今回は、余裕で前作を超えたなという手応えはありますね。毎回、自分のなかに感覚的に浮かんでいる映像のようなものを音に変える、方法論も確立しづらい作業ではあるんですけど、手探りながらもあきらかに違う手応えがあって。

熊谷:やりたいこと自体、より具体的になって解像度があがった感じがあるんですけど、その実現度も高まっていると思うんです。

稲葉:3人の中の絆というか。「こうくるだろう」という以心伝心の感じもすごくあって。

橋本:メンバー間の意志の疎通はあった上で、感覚でつながらないとできないアルバムだったと思うんです。

稲葉:そうそう、あまり言葉で説明できない。

橋本:僕のわけのわからない構想に、本当ついてきてもらったって感じはありますね。

――サウンド面もそうですが、すごく膨大な思考や情報量が時代感とともに入っていると思うんですよね。時空や国境も越えているし。

橋本:バンドの軸として「旅」というテーマがあるんです。『Tourist』(2018年)という作品は場所としての旅、次の『Eleven plus two / Twelve plus one』(2020年)では時間軸の旅、『Hello,my darkness』(2022年)は精神性や内面の旅をテーマにして。その経験すべてが合わさって、今作はいろんな角度から、めちゃくちゃ立体的な旅になったと思うんです。そういう境地にようやくたどり着いた感があって。

――『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』というタイトルを掲げられるわけだ。

橋本:そうですね。「これが、Helsinki Lambda Clubだな」っていう形がようやくできた感じはあって。カオティックな状態ではあるんですけど、そのなかにも軸がある、どこかつながっている感じを提示できたというか。「それも自分だな」と受け入れられた。

――そこに至るきっかけってあるんですか。

橋本:10年やってきたというのは、やはりけっこう大きくて。曲を作るって基本的に自分と向き合う作業が多いので、自分と向き合いながら10年かけて徐々に見えてきたところも多かったし、あとは、僕、仏教の思想とかが好きで。ちょこちょこインプットしたりして、自分というものが見えてきた感じはしますね。受け入れるということが、ようやく腑に落ちたというか。

――いろんな音楽性が詰まっているとはいえ、一枚のアルバムとしてもコンセプチュアルであり、バンドとしての世界観は統一した美しさがありますね。

橋本:混沌と言いつつも、それを自覚した上で、一貫性とか説得力みたいなのは意識できたと思います。最初はこうキャッチーに、エンタメ感で楽しんでいるあいだに、いつのまにか沼に入ってるみたいなイメージはありました。気づいたらわけのわからんとこに来てたみたいな。自分たちも沼っていきながら作っていたと思いますけど、自分のなかでは曲だけじゃなくて、全体のイメージもどんどん湧いてきたりするんで、見えてくるものに従っていくという。

――今回の制作は何が一番ちがったんでしょう?

熊谷:今回、メンバーはもちろんなんですけど、友達(巽啓伍<never young beach>、谷朋彦)といっしょに、音楽スタジオを併設している山のなかのコテージで合宿して曲作り(「Golden Morning」「See The Light」)をしたんですよね。そういうのはいままでやったことなくて違いましたね。

橋本:山梨県山中湖の「サウンドビレッジ」でね。そこは、大学のころに一度行ったことがあって。すごくよかった記憶が残っていたから、今回、行ってみたんですけど、やっぱりめっちゃよかった。

――山のなかだと違いますか。

熊谷:バイブスがもう全然違いましたね。単純に外に出ると森があるって結構大きくて。

橋本:とにかく環境がいいと精神衛生上いいよね。見る景色も空気もうまいっていう。

熊谷:下北とかのスタジオに入って煮詰まったりすると、どんよりしちゃう感じはありますけど、そういうのもまったくなかったんで。

稲葉:リフレッシュさがね、全然違うよ。

橋本:2泊3日で行ったんですけど、24時間音を出せる環境で。ごはん食べて寝る以外は、ずっと音を出していました。集中力が半端なくて。何回かゾーンに入る瞬間があったよね。そんなことはいままで経験したことがなくて。それもやっぱり周りに邪魔をする要素がない環境に身を置いたからだと思うし、めちゃくちゃよかったなって。

――稲葉さんはメンバーのなかでも一番アウトドアがお強いと伺ったのですが。

稲葉:そうですね。いつもだれかについていくみたいな感じではあるんですけど、寝袋とかテントはそろえています。キャンプガチ勢が準備しているのを手伝いながら、「早く終わんないかなあ」と思うくらいのところまでいって、汗だくで準備したあと“クッ” と飲むミニ缶のビールがうまくて。「あのサイズってなんの意味あるんだろう」ってずっと思っていたんですけど、アウトドアにはそれがいいんですよ!冷やしておいて“クッ”と飲みほす。350m㎖ではぬるくなるから、ミニ缶のありがたみを知りました。

橋本:うわー、もういまから多摩川とか行きたくなってきたな!

――(笑)。今作は合宿もそうですが、人との関わりで作られた曲もいい感じで。「触れてみた (feat. 柴田聡子)」とか。

橋本:素敵な方でしたね。個人的にもともとすごくファンだったんですけど、この曲はアルバム制作中に、女性とのデュエットソングも形にしたいなと浮かんで。曲の和の雰囲気も踏まえた上で、誰がいいのかなって考えていたんですけど、柴田聡子さんの歌声の少女と大人を行き来する感じが歌詞にもフィットするなと。面識は全然なかったんですけど、遠慮して後悔するのももったいないなと思ってお声を掛けさせていただきました。柴田さんって、実は、熊谷の高校の先輩なんですよね。

熊谷:そうなんですよ。被ってはいないんですけど。だから僕も本当にただのファン状態で。レコーディングもずっとファン丸出しでした(笑)。

――さらに「愛想のないブレイク (with FORD TRIO)」ではタイのファンクバンドFORD TRIOと2022年に続くコラボを。

橋本:FORD TRIOって、まだ知名度は高くないんですけど、実力めちゃくちゃあるんですよね。練習量もすごいから、独自のグルーヴもあって。

稲葉:自分たちのスタジオを持っているんですよね。そういう環境でずっと何かしら音楽をやっている。

熊谷:東京のインディバンドとかだと、練習もスタジオ何時間か借りてって大変だからね。

稲葉:音楽と向き合っている時間が圧倒的に違うんだよね。

――アジアのバンドシーンもおもしろくなっていますね。Helsinki Lambda Clubは、先日も香港のイベント「ALL EARS ASIA」にも出演されていましたが、いかがでしたか。

橋本:本当に楽しかったよね。アジアのバンドが集まるショーケースライブだったんで、香港以外のバンドもたくさん出ていたんですけど、クオリティが高くて。2010年代くらいまでは、欧米のカルチャーを追いかけているムードだったと思うんですけど、今は、自国のトラディッショナルなルーツミュージックをどのバンドも消化していたりして、それって、欧米の人から見てもやっぱり面白いものだととらえられているんです。だから、自分たちのアイデンティティがなんなのか、そのルーツ感って、本当に大事になっている。

――いま、海外でもK-POP人気はもちろん、J-POPもバンドもそうですし、アジア全体の音楽が注目されてきているムードがあるなかで、Helsinki Lambda Clubが「バケーションに沿って」ではJ-POPを意識されたと聞いて、なるほどなと思ったんです。

橋本:年齢を重ねたおかげもあって、徐々にそういう部分も出せるようになってきたんですかね。僕らの場合、J-POPが逃げようったって逃げられないくらい血肉になっているものなので、そういうルーツ感を説得力の一つとして、ちゃんと目を向けようって。自分の血肉になっているものから目をそらさないというのはテーマとしてありました。ポジティブな意味でサザンオールスターズなども意識したりしていたしね。

――時代とのリンクもあって、2023年にこういうアルバムが完成したというのは、おもしろいですね。

橋本:時代感は相当出ていると思うんですよ。それは、けっこう、世界とリンクしたほうの時代で。日本という部分で考えると、ちょっと違うのかもしれないですけど。

――ただ、今後、アジアや世界に目を向けているのか否かで何か大きな違いが生まれてくるとは思います。

橋本:僕ら、そこにいち早く気づけたのはありがたいですね。日本には日本のよさがいっぱいありますけど、シンプルにマーケットのことを考えても、アジアって無視できないし、今後、もっとアジアの連帯とかめちゃくちゃ大事になってくると思うから。社会的にもアジアというものに目を向けるムーブがあるから、自分たちも無理にということではなく、自然にマインドも乗っかってやれたら、今後新しい景色が見られそうだなと思うんです。

――まずは、このアルバムを携えて全国ツアーへ。

稲葉:14個所という、これまでで一番回るんですよね。だから、体力つけないと……。そこが本当に大事ですね。

――3日連続ライブなどもあるようですね。このアルバムがライブでどう表現されるのかも気になりますが。

橋本:いやあ、そこがちょっとまじでわかんないですね。

熊谷:まだ見えてない……。

橋本:なんかすごいことにもなりそうだし、下手したら大惨事(笑)。

稲葉:どうなることか。ある意味、どっちに転んでもすごいぞと!

Field Like Music
◎アウトドアで聴きたい1枚。

Sam Gendel/『COOKUP』

山だとSam Gendel『COOKUP』かな。僕はこのアルバムの最後の曲「Water Runs Dry」がすごく好きで。間とか空気感が独特なんですよね。でも、いいメロディでしっかり歌心もあるという(熊谷)。

異論なし! このアルバムめちゃくちゃいいよね。Sam Gendelはみんな好きなんですが新譜も当然みんなチェックしてたよね(橋本)。

音もめちゃくちゃよくて、それが自然の環境で鳴ると、鳥の声とかも混じって、すごくいいと思います!(稲葉)。

Helsinki Lambda Club

橋本薫(Vo&G)を中心に、2013年7月4日に結成したオルタナティブロックバンド。写真左から熊谷太起(G)、橋本、稲葉航大(B)。中毒性の高いメロディ、遊び心のある歌詞、実験的なサウンドで、変幻自在に音楽的ジャンルや文化の垣根を越える。2019年には香港、北京、上海、台湾などでのツアーを実施。「FUJI ROCK FESTIVAL ’22」ほか、国内のフェス出演をはじめ活躍の幅を広げるなか、2023年夏、結成10周年を迎えた。
www.helsinkilambdaclub.com

Information

『ヘルシンキラムダクラブへようこそ』
8.9 release
(2LP+CD)¥5,500+税、(ダウンロード)¥2,222+税、(配信)
Hamsterdam Records / UK.PROJECT

Helsinki Lambda Club「バケーションに沿って」

2023.7.19 Digital Release 
https://FRIENDSHIP.lnk.to/ALONGVACATION

LIVE

「10th Anniversayr Tour “ヘルシンキラムダクラブへようこそ”」
8/26(土)千葉・稲毛K’S DREAM
8/27(日)神奈川・横浜BuzzFront
9/1(金)香川・高松TOONICE
9/2(土)岡山・CRAZY MAMA 2nd Room
9/3(日)福岡・The VooDoo Lounge
9/9(土)岐阜・Yanagase ANTS
9/15(金)北海道・SPiCE SAPPORO
9/16(土)宮城・仙台MACANA
9/17(日)新潟・新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
9/18(月)石川・金沢AZ
9/22(金)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
9/23(土)京都・京都磔磔
9/24(日)大阪・梅田CLUB QUATTRO
9/26(火)東京・渋谷Spotify O-EAST

 

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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