山・カヤック・温泉を満喫「知られざる群馬の魅力にふれる旅」

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ランドネ編集部

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魅力あふれる山が多く、屈指の温泉大国でもある群馬県は、山歩きも温泉も観光もすべて楽しみたい「よくばりさん」におすすめの場所。みなかみ町にある三国山のパノラマ展望と緑や水を五感で味わう旅へ。

みなかみ町・猿ヶ京で自然の恵みをたっぷり満喫

▲山頂付近の稜線からはぐるりと山並みが見渡せ、高度感も気持ちいい。展望の美しい地点にはベンチもあるので、絶景を噛みしめながらのんびりと進みたい

視界いっぱいに広がる絶景、肌をなでる爽やかな風。稜線歩きは、このうえない心地よさに浸れる山登りの醍醐味だ。「ぐんま県境稜線トレイル」は、群馬・新潟・長野を分ける山々を結んだ道。100㎞ものトレイルには2000ｍ級の多彩な山が含まれ、それぞれの登山口を組み合わせて自由に山行をアレンジできる。今回選んだのは、猿ヶ京エリアの三国山。３時間ほどで往復でき、温泉や観光、地元グルメをまるごと楽しむ山旅にぴったりなのだ。

「ぐんま県境稜線トレイル」とは？

群馬県みなかみ町の土合から嬬恋村の鳥居峠を結ぶ登山道。新潟県や長野県との県境をなぞるように連なり、総距離は100㎞越え。日本百名山の谷川岳や四阿山もトレイルの一部。

今回歩いたのは…

三国山

群馬県と新潟県の県境にそびえる山。標高1,636mとトレイルのなかでは比較的低く、往復３時間ほど。挑戦しやすいスポットながら、ダイナミックな見晴らしやお花畑など、高山のような山歩きが楽しめる。群馬側の登山口は新三国トンネルの出入口そばにある。

歩き始めておよそ50分。鳥居を構えた社を右に進むと、視界が開け始めた。カラフルな高山植物や、眼下に広がる山並みに心が踊り、足取りも軽くなる。しばらくすると、日光がたっぷりと注ぐ明るい道に到着。すると、群馬と新潟の山の大パノラマが左右に広がった。近くに浮かぶ雲も手伝って、まるで天空を歩いているかのよう。バックパックを下ろすと涼しい風が服の中を通りぬけて、体のほてりが和らいだ。
下山後は「法師温泉長寿館」で汗を流すことに。140年以上の歴史を感じる風情に背筋が伸びる。足元からボコボコと湧き出す不思議な温泉を穏やかに味わった。

翌日はふもとの赤谷湖でカヤックに挑戦。「三国山に源流があって、湖に流れ込んでいるんです」とガイドの兼子明典さんに教わり、その壮大さになんだか心が弾んだ。絶壁の先にある渓谷は水の透明度が高く、エサをついばむ魚も見える。カモシカやサルが水を飲みにくることもあるそうで、山に棲む生きものの休憩所におじゃました気分だ。自然とたっぷり向き合いたくなったらまた猿ヶ京にこよう、と思いをめぐらせて帰路に着いた。