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アウトドアショップ「エルク」が案内!山梨百名山の楽しみ方|#7 錦秋が彩る白砂青松の山

山梨百名山の魅力や楽しみ方を伝える、アウトドアショップ「エルク」の綾井です。
今年の3月から12月までの10か月間で100座登って魅力を伝える「山梨百名山チャレンジ」も、いよいよ後半戦!今回は、標高の高い南アルプス山域のなかでも、チャレンジしやすい山を紹介します。

その前に10月に登った山をふり返ります。

10月に登った山梨の山

・瑞牆山 2,230m
・国師ヶ岳 2,592m
・金峰山 2,599m
・間ノ岳 3,190m
・農鳥岳 3,051m
・鳳凰山 2,840m
・二十六夜山 972m
・倉岳山 990m
・甲斐駒ヶ岳 2,967m
・笹子雁ガ腹摺山 1,358m
・杓子山 1,598m

南アルプスなどの高峰の登山シーズンが今月で終わるということもあり、10月は登っていなかった高峰を中心に歩きました。

▲農鳥岳

白峰三山の縦走となる間ノ岳・農鳥岳では、山梨百名山の「新標柱運び」もあって苦労しましたが、好天に恵まれ、無事に標柱の差し替えもすることができました。

▲甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳は日本三大急登に数えられる「黒戸尾根」を登り、北沢峠へ下りるワンウェイルートで。この場合、交通手配が個人では大変ですが、エルクのツアー登山に帯同したためこのルートで歩くことができました。

さて今回紹介する山は鳳凰山です。アクセスが容易で各コース上に山小屋もあるので、人気の高い山。この時期だからできるワンウェイルートで行ってきました。

鳳凰山~錦秋が彩る白砂青松の山~

鳳凰山(ほうおうざん)は地蔵ヶ岳・観音ヶ岳・薬師ヶ岳の3山の総称。そのため「鳳凰三山」といった呼び名のほうが馴染みのある方が多いかもしれません。甲斐駒ヶ岳とともに、例外的に花崗岩の白い山肌となっているのが特徴で、その白い稜線を歩くのがとても気持ちのいい山です。

鳳凰山のシンボルといえるのが、地蔵ヶ岳の山頂部にあるオベリスク(地蔵仏)でしょう。オベリスクは巨岩で構成された巨大な尖塔で、鳥のくちばしに見立てられることから鳳凰の山名由来になっていると考えられています。

▲オベリスク

私が生活している甲府盆地からもその姿を見ることができます。その山体を街からしっかりと見ることができるので、甲斐駒ヶ岳も同様に、信仰の対象として登られてきた山であります。

そんな鳳凰山に、今回は夜叉神峠~鳳凰三山山頂〜広河原というルートで登ってきました。ワンウェイで行くことができるルートとなっておりますので、ご参考にしていただければと思います。

夜叉神峠から始まり

▲夜叉神峠登山口

鳳凰山へ登るルートは、おもに3つ(厳密には5つあります)。青木鉱泉から登る「ドンドコ沢コース」、御座石鉱泉から登る「燕頭山コース」、そして今回紹介する「夜叉神コース」です。夜叉神コースは、夜叉神峠駐車場の脇にある登山口からスタートです。

▲夜叉神峠展望

まずは樹林帯の登りが続きますが、夜叉神峠までの約1時間の行程を登り終えれば、白峰三山の大展望がお出迎え。夜叉神峠は手軽に登れてこの展望もあることから、ハイキングとして峠まで登られる方も多い場所です。

▲歩きやすいと登山道

夜叉神峠からは尾根上にひたすら登っていきますが、このルートはしっかりと整備されているので本当に歩きやすいです。トレイルランニングのコースとしても人気なのもよく分かります。

▲苺平手前からの黄葉

杖立峠、苺平といったちょうど疲れたところにチェックポイントがあるので、休憩の目安とするのがいいでしょう。苺平手前ほどからカラマツやナナカマドの赤や黄色の紅葉がすばらしく、ご機嫌に歩を進めました。

▲南御室小屋

苺平からほどなくして南御室小屋へ到着です。ここではおいしい南アルプスの天然水が補給できますので、補給&休憩ののち、待ちに待った鳳凰山の森林限界へ向かいます!

白砂青松の稜線

▲砂払いからの展望

南御室小屋からは急登が続きますが、約1時間の登りを頑張れば、砂払いという開けた場所に出ることができます。そして砂払いから薬師岳小屋を越え、最初の一座「薬師岳」です。

薬師ヶ岳からが、森林限界を越えた稜線歩きの始まりです。

左手に北岳、右手に甲府盆地を見下ろし、白砂の稜線を気持ちよく歩きましょう。

白砂青松、花崗岩の白とハイマツなどの青に、この時期は赤や黄色が彩る稜線となっていました。

そして二座目「観音岳」を越えれば、その先に続く地蔵岳のオベリスクをはっきりと見ることができました。さらにその先、甲斐駒ヶ岳の雄姿も目の当たりに。地蔵岳まで続く多少のアップダウンも、この展望を見ながらでは苦ではありませんね。

地蔵岳の前に赤抜沢ノ頭へ出ます。ここからのオベリスクがやはり一番かっこよく見えるのではないでしょうか。ここからオベリスクのほうへ下りれば、子授け地蔵が大量に並んだ賽の河原という場所に出ます。今回は日帰り山行だったため、時間を考慮して先に進むことにしました。

静かな高嶺と広河原への下り

▲高嶺

今回の行程は、鳳凰三山を縦走したのち、高嶺(たかね)を越えて白鳳峠へ、そして北岳の登山口である広河原へ下りるという計画。広河原からはバスやタクシーで夜叉神峠へ戻ることができるので、このコースは自家用車の方でもワンウェイで山を楽しむことができます。

とはいえここからの道は、岩場の険しさあり、倒木やうるさい藪ありとアドベンチャーなルート。チャレンジされる方は、時間の余裕と、ある程度の経験も必要になってくるでしょう。

ここでは高嶺についても触れさせてください。

▲北岳登山道上からの高嶺(写真左のピーク)。

鳳凰三山に比べ、地味な存在ともいえる高嶺。じつは地蔵岳よりも高い標高2,779mの山です。日本百高山の一座でもあります。北岳を登っている途中にふり返り見ると、よく目立つのがこの高嶺なのです。この静かな頂から、いままで歩いてきた鳳凰稜線を眺めます。

さて、広河原への下山ルートは先ほども書いた通り、倒木やうるさい藪ありの中級者向けルートになります。白鳳峠から樹林帯に入ってからも急登の下りとなるので、気を付けて下りていきましょう。

鳳凰山は、冬でもアクセスできるので、オールシーズン楽しむことができます。とはいえこの気持ちのよい稜線に、秋の彩が添えられたこの時期が一番好きですね。

ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

11月は山梨百名山チャレンジ企画で、もっとも”登りまくる”月にします!

葉が落ち始めるこの時期は、中低山でも展望が期待できますね。これからの中低山は私も登ったことのない山が多いので、とても楽しみです。

次回のvol.8もお楽しみに!

エルクスタッフ 綾井瞭
北岳の山小屋で勤務後、山梨の山が好きで移住し、エルクに入社し7年。登山、トレイルランニング、スキーと広く山を楽しんでいたが、ヒザを壊してからは山梨県の山を改めて登り始める。山梨百名山チャレンジ企画の担当であり、山梨県の山を登って魅力を発信することをモットーに山登りを続けている。

エルクブログ「山梨百名山チャレンジ」はこちらから!

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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