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日本の国立公園を知る、歩く。【#6】十和田八幡平国立公園がもつ、冬こそ感じられる魅力を探る

青森・岩手・秋田の3県にまたがる、十和田八幡平国立公園は、八甲田山、奥入瀬、十和田湖からなる十和田八甲田地域と、八幡平や岩手山、秋田駒ヶ岳のある八幡平地域のふたつで構成されている。

山深いこのエリアでは、大規模なリゾート開発などが行なわれておらず、ありのままの豊かな自然が残されている。北アルプスのような標高はないが高緯度に位置するため、春から夏は多種多彩な高山植物が咲き乱れる。

冬に体験できるアクティビティの種類も豊富で、奥入瀬や十和田湖といった緩やかな森で楽しむスノーシューや、八甲田の山スキーまで幅広い。アオモリトドマツに微細な水滴がぶつかることで形成される樹氷「スノーモンスター」は、大きく育つ1月下旬から2月が見頃で、自然が創り出す美しいオブジェをひと目見るために多くの人が足を運ぶ。

八甲田山で見ることのできるスノーモンスター

十和田八幡平国立公園がもつ冬の魅力とは?その問いに対して、国立公園管理官である鈴木愛さんは「心が動くような、ハッとする瞬間が見つけられるところ」だと教えてくれる。

1年の終わりと始まりを迎える季節だからこそ、新しいことに挑戦したくなる冬。
「まっさらな雪に覆われた白銀の景色は、なにかを始めるモチベーションにつながり、人生を変える転機になるかもしれない。そんな『瞬間』をぜひ見つけてほしい。」そんな思いをもちながら、公園の魅力発信に日々努めているという。

さまざまな火山現象を間近に観察することのできる、大湯沼で行なわれたスノーシューツアー

そのほかにも、冬の魅力として外せないのが温泉だ。八幡平地域には、古くから長期間温泉に滞在しながら、心身を癒し、整えるという「湯治」という文化があり、いまでは珍しい混浴が残る温泉も点在する。ここでは山小屋の代わりに湯治宿をつなぎ山を歩く。そんな楽しみ方があるのだそう。

療養を目的とした「湯治」で知られている玉川温泉の散策路

公園の自然とも大きく関わってきた歴史ある湯治・混浴文化。十和田八幡平国立公園では、この文化のこれからを考えていくため「10年後の混浴プロジェクト」という取り組みを公園内の宿や地域と行なっている。「湯治文化の価値や魅力について意見を重ね、日本の貴重な文化として発信していきたいです。」

酸ヶ湯温泉で行なわれた湯あみ着を用いた実証実験のようす。湯あみ着を着用することで混浴への抵抗が大幅に軽減される

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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