今月の小道具:さまざまな場面で役立つ「虫よけ」|低山小道具研究家・森 勝さんの「とことん小道具研究」
ランドネ 編集部
- 2024年08月30日
ライターやライト、小型ナイフ、ホイッスルなどなど、あると何かと役立つ山の小道具について、低山小道具研究家の森 勝さんが熱弁します! 今回は場面に合わせて選べる最新の虫よけをご紹介。
虫の出方は山によって違うため装備を整えて登りましょう
大きな川が交わる、虫がとても多い地区に住んでいます。これからの時期に気をつけないとならないのが熱中症と虫さされ。日課の裏山登山は人が少なく快適なコースを選んでいますが、逆に虫が増えヒル・ダニ・蚊・毛虫・メマトイなどを中心にさまざまな虫の攻撃を受けています。
1)天然成分の虫除けスプレー。2)ムヒのムシペールα 30。3)キャラバンのモスキートヘッドネット。4)小型の蚊取り線香スタンド。5)フレックステイルのライトリペラー。6)ヒル下がりのジョニー
天然成分で作られた虫よけ剤(1)はとても人気。写真は一般的に販売されている製品ですが、ハッカオイルなどを調合し自分で作る人も多い。人の多い一般ハイキングコースでは問題になることは少なく、私もよく使います。しかし、虫の多いエリアやマイナーコースでは効かないことも多々、行く場所によっては日本国内で一番強力なディート成分30%の虫よけ剤(2)を使用しています。かなり強力でさまざまな虫を寄せつけませんが、時計やウエアなど樹脂製品を傷める成分があり、吹きつける場所には注意が必要です。こんな強力な虫よけ剤をつけても裏山では、塗りムラ部分を見つけて刺してくる虫もいます。
▲携帯お香セットを使用した最軽量の蚊取り線香セット。燃えないフェルト繊維やくしゃくしゃにしたアルミホイルでも作れる
刺す蚊などは虫よけ剤や肌の露出を減らすことで対処できますが、顔の周りを飛び回るメマトイなどの小さな虫はとてもうっとおしい。そんなときは顔ネットやサングラスが有効です。とくに顔ネット(3)は虫が異常発生したときに役立ちますが、そんなときに限って持ってきてないことが多い。私はこの顔ネットを収納袋として使用しています。衛生的には問題ですが忘れるよりいいですし異常発生時にしか使わないのでひとつ二役と割り切っています。
宿泊時や休憩時間が長い停滞時手軽なのが蚊取り線香(4)です。一般的な蚊取り線香でもよいですが林業でも使用される強力な線香を携帯ケースに入れて焚くと虫が寄りつかなくなります。最近はモバイルバッテリーを使用したアウトドア仕様の加熱マット式(5)も販売されています。火が出ないので安全に使用できる注目の虫対策アイテムです。
▲近年の注目はモバイルバッテリーを使用した加熱マット式。電源ON で使用でき、火が出ないので管理や予備も持ちやすい
ヒルは足元から這い上がってくるので、靴や靴下やトレッキングパンツにヒルよけ剤(6)を吹きつけて対処します。経験上、完全に避けることはできませんが吸いつかれる回数が減ると思います。あまり一般的ではありませんが、裏山の散歩コースでメマトイが大発生した時期に使っているのが家でも使っている電撃ラケット。何をやってもまとわりついてくる虫をバチッ! とやっつけています。
人の多い一般登山道とマイナールートでは虫の質が違います。私自身、人の多い山では肌の露出多めですが、逆に近所の裏山では露出を少なくし電撃ラケットまで持って歩いています。どの山もおなじではないですし、日によって時間によって虫の出方が変わってきますので、初めてのエリアに行く場合は情報を集めて、万全な装備で向かうことをおすすめします。
教えてくれたのは……
低山小道具研究家
森 勝さん
高尾山や奥多摩など関東の低山をおもなフィールドに、アウトドアアイテムの研究を重ねるアウトドアライター
http://morikatu.seesaa.net
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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