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群馬県・万座温泉を拠点に山と温泉をめぐる旅

心と体を癒すため、自然と名湯を求めて旅へ。大パノラマの絶景をじっくり味わう稜線歩きと標高1800mの高地に湧き出る硫黄泉。山と温泉をマイペースに楽しんでみませんか。

山の恵みを受け取って
自分をいたわる2日間

体温以上の気温が続く夏をすごし、私は心身ともにちょっぴりくたびれているのを感じていた。たまらず、自然を求めて旅に出た。JR高崎駅から吾妻線に乗る。電車の揺れに身を任せ、徐々に都会の喧騒から解放されていく。バスに乗り替えて到着した温泉街は、硫黄の香りが立ち込め、一気に気分が高まった。

▲JR高崎駅から吾妻線に揺られて万座・鹿沢口駅へ。まぶしい青空が迎えてくれた
▲万座温泉までは駅前ロータリー発着の路線バスを利用。本数は少なめなので時刻をチェックしてから駅前を散策しよう

万座温泉は群馬県嬬恋村に位置する。1800mという日本有数の高地に湧出している酸性硫黄泉が特徴だ。27種類もの泉質があり、古くから万病に効くといわれている。1日に540万ℓものお湯が湧き出るというのだから、そのスケールの大きさにも驚かされる。

山のそばの温泉で
ゆったりリトリート

今回の宿に選んだのは、老舗の「万座温泉日進舘」。荷物を置いてまず向かったのは、離れにある露天風呂「極楽湯」。真っ白ににごった硫黄泉は、光の加減か少し青くも見える。まるで空の色をスポイトで吸いとり、浴槽に垂らしたかのよう。とろりとしたお湯に体を沈めると、じわじわと疲れが癒されていくのを感じる。翌日に歩く予定の山が見えて心がはずむ。

▲本館から約3 分歩いたところにある「極楽湯」。山と空をすぐそばに感じられ、自然と一体化したような気分に。夜には星空も眺められる

浴衣に着替えて大浴場「長寿の湯」へ。味わい深い総天然木造りで、歴史の深さを感じる。源泉100%の姥湯や、頭上から温泉が流れる滝湯など、趣が異なる4つの浴槽が並び、大浴場にいるだけで、まるで温泉めぐりをしているよう。湯に浸かっては上がり、また浸かる。体の芯から元気が湧いてくる。

▲左)大浴場「長寿の湯」では、源泉の濃さや温度の異なる4 つの浴槽をめぐれる。右)大きな窓があり、近くで森を感じられる「万天の湯」

野菜たっぷりの夕食を食べて戻ってくると、ふかふかの布団が敷かれていた。たまらずダイブ。すぐに深い眠りへと落ちていった。

▲どこかほっとする和室。部屋に置かれた散策マップで山歩きの予習
▲情緒を感じる佇まい。ウサギが飼われていて敷地内をかけ回っていた

万座温泉日進舘

万座温泉でもっとも古い旅館とされ、硫黄濃度日本一の源泉をかけ流しで楽しめる。全138 室と広く、和・洋室のほか、湯治用の客室もあり長期滞在しやすい。朝食と夕食には、群馬県産の食材をたっぷり使った体に優しい料理がずらり

住所:群馬県吾妻郡嬬恋村干俣2401
電話番号:0279-97-3131(7:00 ~ 22:00)
営業時間:立ち寄り入浴10:00 ~ 17:00(受付は~ 16:00)
チェックイン:14:00 /チェックアウト:10:00
料金:1泊2食付 11,500円~、立ち寄り入浴 1,000 円

穏やかな道をたどり
温泉郷と山、空をぐるりと見渡す

翌朝、朝食の前に朝風呂へ。湯気が立ち昇る浴槽に身を沈めると、心と体がじんわりと温まった。山歩きの所要時間は約2時間30分。コースはぐんま県境稜線トレイルの一部だ。突然だが、私は稜線が好きだ。樹林帯を抜けて、視界がぱっと開ける瞬間や、涼しい風が体を包む感覚がたまらない。それまでの疲れやほてりも、ちゃんと歩けるかなという不安も、一気に吹き飛ばしてくれる。

▲クマよけの鐘。カンカンと鳴らしてごあいさつ

歩き始めてすぐに、白い煙を上げる湯畑が現れた。自然のパワーを間近に受け取る。東屋のある展望スポットをすぎて、しばらくは森のなかを歩く。色とりどりの花が咲いていて、一つひとつに目を向ける。何度も立ち止まり、花の名前をスマホで調べながら、ゆっくりと進む。早出早着が基本の山歩きだけれど、前日に万座温泉に着いたおかげで、時間を気にしすぎずに歩けるのがうれしい。

▲左)硫黄の香りが漂う道。火山らしい荒涼な岩肌と穏やかな森の対比が見事。右上)ゴゼンタチバナやオトギリソウ、アカモノなどの山野草が道を彩っていた。右下)なだらかな道が続き足どり軽やか。景色を楽しむ余裕もたっぷりある

20分ほど歩いて、ついに稜線に出た。360度の展望。クマザサの草原が遠くまで広がる。そのなかでときどき、長身のトウヒやコメツガが伸びている。木道はないけれど、北アルプスの秘境・雲ノ平を思わせる風景。そう思っていたら、北アルプスの山々が見えた。助走してジャンプすれば、上に飛び乗れそうだ。そう思わせるほど、見晴らしがよかった。

▲万座の温泉郷を見下ろす。森に溶け込むようすが秘境らしさを感じさせる

歩行時間:計2時間30分

万座温泉日進舘
↓30分
熊四郎洞窟
↓1時間
白根山登山口
↓1時間
万座温泉日進舘

advice
クマ鈴やベアホーンがあると安心。クマが頻出すると通行止めになることもある。「万座しぜん情報館」のHPを確認しよう。

ぐんま県境稜線トレイルとは?

みなかみ町の土合から嬬恋村の鳥居峠を結ぶ道。新潟や長野との県境をなぞるように、爽快な稜線歩きができる。全長100㎞ と国内最長だが、ふもとの町歩きと合わせ、短い距離を区切りながら歩ける。

今回歩いたのは……

万座・鹿沢エリア
群馬県吾妻郡嬬恋村に位置し、草津白根山の南西に広がるエリア。トレイルのそばには、古くから湯治場として愛されてきた万座温泉がある。標高1,800mと高く冷涼な気候で、夏は避暑地、冬はスキー場としても人気。

ぐんま県境稜線トレイルの情報はインスタグラムをチェック!

山を仰ぎ見て
旅をしめくくる

温泉街に戻ると、硫黄泉への恋しさがまた胸に広がる。まだ午前10時台。ふたたび温泉に身を委ねることにする。今度は「万座亭」へ。温かなお湯に肩まで浸かり、心の奥深くまで安らぎを届ける。温泉と山のサンド。ぜいたくな旅だ。

この旅の魅力は、つめ込みすぎず、ただ気分に従ってゆっくりとすごせるところにある。日々の忙しなさから離れ、温泉に癒され、自然と向き合う。シンプルだけれど、心を軽くし、また次の旅へと私を動かす。あぁ、もうすでに、私はまたあの場所へ戻りたくなっている。それほどまでに、万座温泉と周辺の山々は、訪れる人の心を深くとらえて離さない。

万座亭

万座温泉日進舘から徒歩1分。立ち寄り入浴もできる温泉宿。ログハウス調の広い露天風呂からは、かつてゲレンデとしても使われていた朝日山を見上げられる。バスタオルがレンタルでき電車旅にもうれしい。サウナもあり

住所:群馬県吾妻郡嬬恋村干俣万座温泉2401
電話:0279-97-3133
営業時間:立ち寄り入浴 11:30 ~ 14:00(平日は~ 17:00)
チェックイン:15:00 /チェックアウト:10:00
料金:1泊2食付16,500円~、立ち寄り入浴1,300円

つまチャリでめぐる!万座・鹿沢口駅周辺立ち寄りスポット

嬬恋村観光案内所で電動自転車をレンタル(貸出時間8:30 ~ 17:00)すれば、電車やバスの時間を気にせず、好きな場所をめぐれる。万座・鹿沢口駅からつまチャリで行ける、おすすめ立ち寄りスポットをご紹介!

まずは訪れたい、嬬恋村の魅力を知れる場所

駅から徒歩約2 分。観光や山歩き用のパンフレットを配布している。窓口で旅の相談をするのもOK。ショップでは嬬恋村のお土産やぐんま県境稜線トレイルのグッズを購入できる。カフェスペースもあり。

嬬恋村観光案内所

住所:群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原710-136
電話番号:0279-97-3721
営業時間:8:30 ~ 17:00
定休日:年末年始

希少な牛乳とソフトクリームでクールダウン

嬬恋高原の牧場で生産された有機牛乳をとり扱う。日本の市販牛乳の5%未満しかない低温殺菌牛乳(500㎖/300 円)が自慢。栄養価を損なわず吸収がよく、生乳本来のやさしい甘み。ソフトクリーム(450 円)は濃厚ながら後味さっぱり。

牛乳屋

住所:群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原大カイシコ2015-50
電話:0279-84-2110
営業時間:10:00 ~ 16:00
定休日:火・水・木曜(7 月中旬~8 月末は無休、11月~ 4月冬期休業)

こだわりのそばや天ぷらで山の恵みをたっぷり味わう

1972年創業の割烹。おすすめは山菜天付きもりそば(1,600 円)。約70種類の中から、その日に店主自ら採った山菜を天ぷらで楽しめる。初めて出合う山菜もたくさん。石臼挽きの手打ちそばと併せてどうぞ。

割烹 中居屋

住所:群馬県吾妻郡嬬恋村大字三原388
電話:0279-97-2643
営業時間:11:00~14:30、17:00~19:30(L.O.)
定休日:火曜

地元のガイドさんが案内するツアーも!

嬬恋村をもっと深く知るなら、ツアーを利用するのがおすすめ。事前申し込み制で、地元を知り尽くしたガイドさんが案内してくれる。四阿山を登頂したり、里山をゆるりと歩いてキャベツ畑を眺めたりと、さまざまなツアーが用意されている。

あそびの倉庫 山笑ふ
電話:0279-82-1015
https://yamawarahu.muraomohi.com

 

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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