寒い冬は暖かさを求めて海沿いの山へ 。千葉県南房総・花嫁街道|編集部員の山活LOG
安仁屋 円香
- 2024年12月06日
富士山が雪化粧をし始めると「ああ、もう冬だな~」と感じ、そこからあれよあれよと、憧れのアルプスや東北の山々がおなじように冬景色へと姿を変えていく。個人的には、冬シーズンはスノーボードや雪景色の中で入る温泉が楽しみであるため、春夏秋シーズンとは異なるテンションでアウトドア旅の準備を始めるとき。そのいっぽうで、”冬こそ”暖かい低山を歩きたいという気持ちも生まれてくるのです。2024年の初め、寒さをしのぐために向かった、千葉県南房総にある小さな山を紹介します。
寒い冬は暖かさを求めて海沿いの山へ
山の名前は烏場山。「花嫁街道」といったほうが、ピンとくる人が多いかもしれません。山間の集落と海辺の集落の交流の道であり、塩汲みや生活物資の往来、学校への通学路として使われていたほか、さらには花嫁行列もこの道を通っていたという。その名前のインパクトとかわいらしさから、いつか歩いてみたいと頭の片隅にあった花嫁街道。あるときふと思い出し、スタッドレスタイヤを履いたままの車で向かったのです。
登山口の近くには和田浦海岸があり、ルート上に点在するいくつかの展望台からは、太陽の光で輝く海を臨むことができる絶景の山でもあります。木漏れ日の差し込む登山道はとても歩きやすく、登山口から山頂までのあいだには道標も多い。初めてでも道迷いの心配なく、標高266mの烏場山までたどり着くことができます。山頂で海側とは反対側に目を向けると、小さな山並みの上に真っ白な富士山の姿。歩いている山を好きになる瞬間は、きっとこんなとき。
下山ルートは「花婿コース」と呼ばれているあたりも、ぐっとくる。下山後はそのまま海へ向かい、道の駅「和田浦WA・O!」で人気のお弁当(このときはイカフライ/660円)を調達。ほかにも、地元の採れたて野菜や海産物、和田浦ならではのクジラの加工品なども並び、お土産選びも楽しめる場所です。山を歩いて、海でランチ。なんともぜいたくな1日は、長い冬の寒さを忘れさせてくれるはずです。
【今回歩いたルート】歩行時間:約3時間10分
花嫁街道入口~第二展望台~見晴台~烏場山~見晴台~花婿コース入口~花嫁街道入口
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PROFILE
ランドネ / 編集部(ADDIX)
安仁屋 円香
旅と山歩きをミックスした“山旅”が定番のスタイル。訪れた土地で見つけたお土産(コーヒー、布のもの、クラフトビール、郷土玩具、焼き物など)をたっぷりと買いがち。クルマ、スノボ、白濁した温泉も好き。ホームマウンテンは尾瀬。
旅と山歩きをミックスした“山旅”が定番のスタイル。訪れた土地で見つけたお土産(コーヒー、布のもの、クラフトビール、郷土玩具、焼き物など)をたっぷりと買いがち。クルマ、スノボ、白濁した温泉も好き。ホームマウンテンは尾瀬。