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年末恒例の番外編 「ヤマノハナってチョウ!?」|植物ライター・成清 陽のヤマノハナ手帖 #41

登山&撮影をライフワークとする花ライターがお送りする、高山植物の偏愛記。静かに、しかしアツ~く、お花をご紹介します!

急激に冷え込みが強くなり、やっと冬らしい日々。そしてジャストタイムでっ!わが家に薪ストーブがやってきました。で、暖かいなか原稿書きが捗ると思いきや、むしろ逆。火をニマニマ見つめ、ちょいと薪をいじったり……。むしろ、隠居に拍車がかかっております。さて、そんなスキモノライターが年末にお送りする、山の花を巡る番外特別編。今回は、花好きなれば必ず見かける、華々しいキャラクターをご紹介します!

鳴くというウワサはホントウか

■Data
クジャクチョウ(タテハチョウ科)
一般的な出現期:7~8月
おもな生育場所:高山帯の岩場など
撮影地:爺ヶ岳登山道

チョウにハマるきっかけをつくってくれたのが、こちら。出会いがちな山頂部では、ひらひらと強風に舞って、美しさに見とれていると、すぐに消えてしまう。または、石でのんびりと日なたぼっこするものの、近づくとすぐに飛び去ってしまう……。そんなすてきな思い出をくれるチョウチョです。なお、このコ、「鳴く」というウワサが。これ、一度も確認できていませんが、ぜひ聞いてみたい(飼育しないとムリか?)。なお、本州ではキホン高い山でしか見られませんが、知床半島ウトロでは、漁師の家に迷い込んだこともあります。

触っちゃダメなの〜

■Data
キベリタテハ(タテハチョウ科)
一般的な出現期:7~9月
おもな生育場所:亜高山帯の林縁部など
撮影地:鷲ヶ峰登山道(霧ヶ峰)

尾瀬や霧ヶ峰、知床まで幅広く分布しますが、少しマニアック……。というのもこのチョウチョ、まあまあ大きいながら、クジャクチョウ同様に飛ぶのが早く、また留まっていても目立ちにくいんです。が、どうですか黄金色のヘリに、青い斑紋。なかなかの美人だ!と思いませんか。しかし、かつて自然ガイドの上司に「捕まえたい~♥」と話したところ、「このチョウには触るな!」と注意された経験が。じつはこのチョウ、蜜より動物のウ×チを好んで吸うため、キッタネーのだそうです……なんだか残念~!

全国一(!?)有名な「渡りチョウ」

■Data
アサギマダラ(マダラチョウ科)
一般的な出現期:7~9月
おもな生育場所:亜高山帯の湿地、高山帯など
撮影地:八島ヶ原湿原(霧ヶ峰)

日本の伝統色・浅葱色(優しい水色)をここまでフィットさせた命名は、見事というほかありません。そんな彼らが好むのは、アザミの花やヨツバヒヨドリ、フジバカマなど蜜をたっぷりもつ植物。そんな優雅なチョウではありますが、南方から本州へ渡ってくるため、かつて全国規模で調査されたこともあるほど。おもしろいのは、捕まえたチョウに記号をペンで書き(書けるのか~!驚)、再び放蝶して行動圏を調べたという、独特の調査方法。ときおり、その軽い体で高山の山頂にもふわりと遊びにきます!ぜひ一度は見てほしい!!

ファーをまとった、いぶし銀

■Data
クモマベニヒカゲ(タテハチョウ科)
一般的な出現期:7~9月
おもな生育場所:亜高山帯の林縁部など
撮影地:仙丈ヶ岳登山道

さまざまなチョウを見ていくと、徐々に憧れが増すのがこのチョウかも?私自身も、長らく見ることができていませんでしたが、近年やっと出会うことができました!大きさはシジミチョウふたつぶんくらいと小柄ですが、よく見ると翅(はね)のフチにお毛々が……。このファーは防寒対策……ではないでしょうが、チャームポイントなことは間違いありません。なお、高山帯には、もっと希少なタカネヒカゲがいるそうで……憧れは続きます。

ノドがカラカラな貴婦人たち

■Data
ミヤマカラスアゲハ(アゲハチョウ科)
一般的な出現期:7~9月
おもな生育場所:登山口へ向かう舗装路など
撮影地:天生湿原付近(国道上)

おもな生育場所に「舗装路」と書くのがツライくらい、美しすぎるチョウのひとつ。舗装路とはなまじ冗談ではなく、ホントにアスファルト上で見かけることが多いんです。しかも、「集団吸水」という行動をとる彼女たちは、大群でアスファルト上の水を占拠します。なんだかそのようすは、バーゲンセールに群がるオバサマを連想させます。そして、生ビールにありついて「プハーーー!」っとしているオジサマをも……。いやいや、それは言わないお約束。翅を開いた瞬間だけを、楽しみにすることにしときましょう!

さてさて、今回の番外編「ヤマノハナ手帖」改め「ヤマノハナってチョウ!?」はいかがでしたでしょうか?美しい花×美しいチョウのワンショットは、心を和ませてくれること請け合いです。ぜひぜひ超望遠レンズを担いで、山登りしましょう(ってこれはオススメすべきか?)。さて、本年もこのキャラ濃いめの連載にお付き合いいただいて、本当にありがとうございました。来年もフルスロットルで、ヤマノハナたちをこきおろし…もとい、楽しくご紹介していきます。To be Continued!!

それでは、また。
みなさまのココロに、すてきな花が咲き誇りますように。

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PROFILE

成清 陽

ランドネ / 植物ライター

成清 陽

持ち前の強い好奇心で、大学時代から山・海・島を渡り歩いてきた個性派。自然ガイド、環境コンサル、アウトドア誌編集者、市営公園管理人、企業の森づくりなどなど、自然にまつわる職を転々としたのちにフリーランスに。好きな山は尾瀬、白山、御嶽、北岳。2023年春から岐阜県山間部のプチ古民家に移住し、半隠居ライフを通じて、どこまでユルく生きていけるのか絶賛お試し中!

成清 陽の記事一覧

持ち前の強い好奇心で、大学時代から山・海・島を渡り歩いてきた個性派。自然ガイド、環境コンサル、アウトドア誌編集者、市営公園管理人、企業の森づくりなどなど、自然にまつわる職を転々としたのちにフリーランスに。好きな山は尾瀬、白山、御嶽、北岳。2023年春から岐阜県山間部のプチ古民家に移住し、半隠居ライフを通じて、どこまでユルく生きていけるのか絶賛お試し中!

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