四角友里のにっぽん“食”名山＃24「鎌倉トレイル・力餅」

ランドネ / アウトドアスタイル・クリエイター

四角友里

2025年01月07日

アウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんが、山やふもとの町を旅するなかで出合った「食」にまつわるエピソードを綴る連載『にっぽん食名山』。今回は、神奈川県は鎌倉トレイルのふもとにある力餅家のお菓子を紹介します。

江戸時代から300余年、鎌倉最古の和菓子屋さんの味を

▲御霊神社の面掛行列にちなんだ福面まんじゅう、ハイキングコース上にある標高93mの源氏山をかたどった饅頭、そして求肥力餅。

都心から電車で1時間、気軽に旅気分が楽しめる鎌倉は、冬の山歩きにもおすすめ。葛原岡・大仏ハイキングコースは2時間ほどの道のりで、北鎌倉の浄智寺から長谷の高徳院（鎌倉大仏）までをつないで歩きます。途中、寺社に立ち寄ったり、海を眺めたりもでき、街めぐりも併せれば充実した一日に。

ふもとで、私がいつも吸い寄せられるように暖簾をくぐるのは、創業300年、趣ある店構えの「力餅家」。毎朝つきたての餅を、きめ細かなこしあんでくるんだ名物の『権五郎力餅』を買い求めます。包みを解くと、箱に並んだようすも見目麗しい。賞味期限が当日中なのは添加物などをいっさい入れず、創業当時から変わらず守り続けている味だからこそ。風味豊かなあんは甘さが口の中に残らず、さっぱりして、「もっと大きな箱を買えばよかった」と後悔するのがお約束です。

とはいえ、登山中の持ち歩きが心配、すぐには食べられない――という方もご安心を。日持ちのする求肥（ぎゅうひ）力餅もあり、個包装され、ひとつから販売してもらえます。ひと口サイズで鎌倉の山おやつにもお土産にもぴったりです。