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山のそばでものづくりVol.20「革細工まつした」松下亜里さん

山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は、革作家の松下亜里さんにお話を伺いました。

ものづくりが生きものへの愛着と探求心を育む

「革細工まつした」松下亜里さん

北海道出身。大学の美術コースで彫刻を専攻。卒業後に上京し、地図デザイン、バッグの修理などの仕事を経験。2013年より革作家としての活動を始めた。趣味はバードウォッチング。

Instagram @kawazaikumatsushita

北アルプス槍平小屋のお土産コーナーの一角には、オコジョやハクサンイチゲのブローチなど、山の動植物をモチーフとした革小物が並んでいる。この愛らしいお土産を手がけているのは、東北を拠点に活動する「革細工まつした」の松下亜里さん。

北海道出身の松下さんは、大学卒業後に上京し、東京都内の地図会社で働いた後、神奈川県内で靴やバッグを修理する仕事に就く。この経験が、革を使ったものづくりを始めたきっかけだった。

▲ヒグマのバッグチャームを制作中。ブローチなども同様に、型紙に合わせて革をカットし、写真のように縫い合わせる部分を目打ちしていく。その後、糸で縫いながら綿を詰めて立体感を出す
▲柔らかく色数が多いため、松下さんは豚革を使うことが多いそう。厚みを出したい場合は牛革を使用

「この仕事は自分に合うなと感じました。結婚後、夫の仕事の都合で東北に来て、バッグの修理の仕事を探したけど見つからなくて。それで自分で革小物を作って、クラフトフェアなどに出店するようになりました」

最初は植物をモチーフとした作品が多かったが、日本野鳥の会のイベントに出店した際に鳥に魅了され、徐々に動物モチーフの作品も増えていった。そして趣味と資料集めを兼ねて、鳥に会いに野山へ出かけるようになったという。

▲オブジェを作る際に用いる木型。片面ずつ革を木型に押し当てて成型し、木型を抜き取って両面の縁を貼り合わせれば立体のオブジェになる

ものづくりをきっかけに、自然界に息づく生きものに対して興味をもち始めたという松下さん。小物を作っているうちに「こんな色の花はないかな」と調べて、その花を探しに現地へ足を運ぶことも。

「いわゆる〝登山〞はしないのですが… …。『本来は山の上に生えている植物だけど、北海道のここなら登らなくても見れる』といった場所へ行っています(笑)」

革細工まつしたの作品につい目が留まってしまうのは、松下さんの生きものへの愛着や探究心が一つひとつに宿っているからだろう。

▲自宅のひと部屋が松下さんの作業場

革細工まつしたの商品一覧

(左)バッグチャーム ツキノワグマ

バッグなどに吊り下げられるチェーン付き。裏のお尻の部分には、尻尾が縫い込まれている。黒いため汚れが目立たないのもポイント。ヒグマ(2,860円)もある。2,970円

(右4種)ブローチ各種

山の動物のブローチ。セーターなど冬の装いのワンポイントに。(右上から時計周りに)シカ2,750円、ライチョウ(冬・メス)2,530円、キツネ3,300円、アカゲラ3,520円

(画像右から紹介)

オブジェ スネグラーチカ

ジェド・マロースの孫娘。「雪娘」とも呼ばれる。青い瞳、金色のおさげ髪が愛らしい。部屋の片隅に飾ればほっこりした気分になり、寒い冬を乗り切れるかも。8,250円

オブジェ ジェド・マロース

旧ソ連の国々に古くから伝わる霜の精。“ジェド”はおじいさん、“マロース”は寒波を意味する。1月8日までのあいだ、スネグラーチカとともに飾られることが多い。19,800円

オブジェ キクイタダキ

冬に日本へ飛来する鳥の中でもっとも小さく、体長10㎝ほど。チャームポイントは頭頂部に入った黄色い羽毛。背面のオリーブ色も忠実に再現されている。7,700円

オブジェ カケス

カラス科の鳥で、翼の一部が鮮やかな青色になっている。ほかの動物の鳴き真似が得意。このチャーミングな鳥のオブジェがそばにあれば、癒し効果は抜群のはず。12,100円

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PROFILE

ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

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