
【八ヶ岳/高見石小屋】山好きな母を連れて!週末のんびり山歩き|#1

三上美羽
- 2025年01月23日
まだまだ登山歴の少ないランドネ編集部員のみかみが、山の魅力に惹かれて「登山」が趣味のひとつになった母を連れて、週末に山歩きをいっしょに楽しむようすをお届けします。
今回の記事では、八ヶ岳の高見石小屋に宿泊をする1泊2日の旅を紹介。標高500mほどの低山しか足を運んだことのなかった母に、人生初の”山小屋泊”を伴う山旅を体験してもらいました!
「山小屋泊」の前日は、2人とも少し緊張気味?
「山小屋泊の持ち物って、普段の旅行と同じ感じでいいのかな? うーん、防寒具はどのくらい持っていこう……。」
前日の夜、いっしょにパッキングをしていると母がそう呟く。ああ、私も最初の山小屋泊の前日はこんな感じだったな~と、少し懐かしい気持ちになる(とはいえ、長い月日が経っているわけではなく、一昨年の話である)。
今回の山旅は、初めて母と私の2人で、低山以外の山に登る……。しかも山小屋泊付きのスペシャルなプラン。GPSがしっかり使えるか、当日の登山ルートとコースタイムに問題はないか、心配性の私は何度も確認を行なった。せっかくならば、山に興味を持ちはじめた母に「山小屋泊」の良さを伝えたい! あわよくばしっかりと沼にハマってもらって、今後も山旅に付き合ってもらおうと目論んでいた私は、少しの緊張を抱えて眠りについた。
まずは白駒池を一周して、自然を満喫!
始発電車に乗り込み、電車とバスを乗り継いで向かった先は、初の山小屋泊デビューにぴったりな八ヶ岳。今回は、ランドネ本誌を見てからずっと気になっていた、星とランプ、そして揚げパンが有名な「高見石小屋」に泊まることに。
初日は標高差が少なく、時間にゆとりのあるプランにしたかったので、白駒池のバス停から山に入り、ぐるっと白駒池を一周してから高見石小屋に向かうコースにした。
山に入ると、さっそく母が「空気がおいしい!」と声をあげ、大きく手を広げる。見るからにテンションが高くなっているようすに、私もうれしい気持ちに。共用しているランドネオリジナルブランド「かわり芽」のバンドカラーシャツも似合っていて、にんまりとしてしまう。

歩き始めてから数分で、青苔荘に到着。行動食は持っているし、山に入るまえにおにぎりを食べていたので、ごはんは食べなくていいかな?と話しつつも「舞茸の天ぷら」という文字に吸い寄せられて、即座に注文してしまう。母と私の大好物なので、しょうがない……。
秋の味覚でお腹を満たしたあとは、さっそく白駒池の周遊を開始。歩いていると目に入ってくる、紅葉に色づいた木々や、秋らしいひんやりとした空気がたまらなくて、「山って本当にいいね~!」というやり取りを何度も繰り返していた。


白駒池周辺の木道は一本しかない箇所が多く、劣化している木道を通るときや、登山者とすれ違うときには、少しだけハラハラしてしまう。怖いものしらずな母でも、滑らないように気をつけながら慎重に歩いていた。
途中からアスレチックのコースのような道が続き、ついつい足元ばかり見てしまいそうになっていたが、ふと顔をあげると美しい木漏れ日が木道に差していた。その神秘的な景色を目の前に、何回も立ち止まって周囲を見回したり、写真を何枚も撮ってしまう。お互いのことを理解しているからこそ、自分たちのペースで山を楽しむことができるのが、家族登山のいいところだと実感した。
いざ、宿泊場所の「高見石小屋」へ
白駒池をぐるりと一周して、高見石小屋へと向かう登山道の入り口に辿りつく。気づけば14時ごろになっていたこともあり、名物の揚げパン目当ての人が少ないからか、登山道は混雑していないようだった。母も私も人混みが苦手なので、静かな森のなかを歩くことができる喜びを噛みしめながら、宿泊場所である高見石小屋を目指して登りはじめることに。前日に雨が降っていたこともあり、登山道はぬかるんでいる道が多めだった。登山靴をできるだけ濡らさないように、2人で安全そうな道を教え合いながら進んでいく。こういった協力プレイみたいなことは、日常生活のなかではあまり機会がないため、母といっしょに山を歩いていると、RPGゲームをしているような気分になったりもする。
そんなこんなで登ること1時間弱、向かう先から和気あいあいとした人の声が聞こえてきて、高見石小屋に辿りついたことに気がつく。今夜は星がきれいに見えますように……! と神頼みをしながら、上へ上へと足を進めていった。
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