バイクの王が17年ぶり完全刷新。1,833ccゴールドウイングが383kgへと38kg軽量化

ホンダが作った、ツーリングの王様

美しい景色の中を風に身をさらして走り、各地の名物を楽しむツーリングはバイク乗りにとってはたまらない楽しみ。

そんなツーリングを快適に行うために、徹底的に作り込まれた車両が『ツーリングバイク』というカテゴリー。荷物を積んだりタンデムしたりしても安定感があって操縦しやすく、雨の中や夜でも怖がらず快適に走れる機能を満載している。

そんなツーリングバイクの中でも『王様』と言いたくなるようなバイクが『ホンダ・GOLDWING(ゴールドウイング)』だ。

1,833cc水平対向6気筒という、軽自動車の3倍近く。四輪車で考えても大きなサイズのエンジンを搭載し、余裕の走りを実現。走りながら音楽を聞くこともできれば、旅のお土産を放り込むトランクスペースも完備する。

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巨大なボディと、それを軽々と扱わせてくれるハンドリング

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2018年4月2日、そんなGOLDWINGの新型が発売された。なんと従来型から17年ぶりのモデルチェンジ。その間に貯め込まれた先進技術がこれでもかとばかりに投入されている。なかでも目玉となっているのは、まるで四輪車のようなダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション。そしてもうひとつが上級機種GOLDWING TOURに搭載された、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)と呼ばれる一種のオートマ機構だ。

バイクの魅力の原点、それは操る楽しみだ。思い通りの曲がり、走り、止まる、そのために操りやすい重量とサイズを追求した。フレームまわりから外装、エンジンに至るまで軽量化を果たし、新型GOLDWING TOURと先代(いずれもエアバッグ付き)を比較すると、なんと車重は38kgも削減している。

2018 GL1800 Goldwing Tour

コンパクト化の実現に不可欠だったのはダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンション。これがハンドル軸まわりのスペース削減につながり、ライダーの着座位置を前方に移動するとともにフロントカウルの小型化が可能に。一般的なテレスコピック式よりも、路面からハンドルに伝わる衝撃を従来比で約30%低減、ハンドルで操作するフォーク部の慣性マスも40%以上軽くなった。

これにより微速走行から扱いやすく、高速走行時のハンドリングも軽快になっている。つまりは大きなバイクなのに、思うがままに軽やかに扱うことができるようになったのだ。

2018 GL1800 Goldwing
ダブルウィッシュボーンサスの上下アームは、ストローク軌跡がほぼ垂直方向になるよう設定。ストロークしても前輪がエンジンに近づかないため、エンジンを車体前方に寄せて前輪分担荷重を最適化できた。

7速DCTと電子制御のライディングモードで、巨体が思いのままに

水平対向6気筒のレイアウトこそ前作から踏襲し、排気量もほぼ同じだが、ボア×ストローク比など根本から見直し。電子制御スロットル化を軸に、ライディングモードも搭載した。そして注目の変速機には、ホンダ二輪車として第3世代となる7速DCT仕様を設定。これをライディングモードと連動させた。

2018 Honda Gold Wing
エンジンは大幅に軽量小型化を達成。MT仕様同士の比較では先代よりも単体重量で約6.2kgも軽量だ。

エンジン、サス、ミッション、ブレーキが、4タイプに切り替わるライディングモード

ライディングモードは4タイプ。電子調整式サスや電子制御式のコンバインドABS、7速DCTやトルクコントロールの制御がライディングモードと連動して切り替わる。もちろん、走行中にも切替え可能だ。

それでは、ここからGOLDWING TOURを中心に、その走りの世界を紐解いていってみよう。

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先代は、大きく威風堂々。雄大な乗り味を求めるならまさしく最高だった。新型は、ライダーとの一体感が強調されている。『バイクに乗っている!』という充実感があるのだ。感銘を受けるのは7速となった第3世代DCT。4つのライディングモード(エコノ、レイン、ツアー、スポーツ)によって変化するシフトアップ/ダウンのタイミング、MTモードで操作している感じ。すべてに違和感がなく、気ぜわしい操作も不要ながら、操る醍醐味にあふれている。

4つのライディングモードは、その変化のわかりやすさと各モードの完成度が印象的だ。普段使いはエコノかレインがオススメ。サスペンションの減衰力が弱まって吸収性が良くなり、エンジンもスロットルのオンオフに対して穏やかに反応する。特にタンデム時は快適そのもので、この2つ以外は使いたくないほどだ。クルージング向きのエコノ、そっと走りたいときのレインと言えそうだ。

巨体を思いのままに操り、どんな状況でもどこまでも快適に走る

ツアーはよく走り、加減速がしっかりと出る。これがスタンダードといっていいだろう。スポーツはシフトアップをなかなかせず、エンジン回転を高く保つ設定で、ワインディングを積極的に走らせるときに向いている。サスペンションの減衰力やブレーキレスポンスも強まり、ウデがないとこれでスロットル開度100%は難しいのでは、と思わせるぐらいスポーティだ。ただ、スポーティに走るのなら左手元のボタンによるマニュアルでの変速操作もオススメ。とにかく音がいいので、四輪でいうパドルシフトのような感覚でスパスパと軽快な変速が楽しめるからだ。

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外から聞いていると静かだが、乗っているとエンジンのサウンド、躍動感とバイブレーションが豊かに感じられる。モーターのようなスムーズさを追求してきた従来にくらべ、内燃機の面白さを前面に押し出している。アメリカ大陸をノントラブルで横断できるグランドツアラーとしてユーザーとともに成長してきたゴールドウイングは、再びバイクらしい操作感や醍醐味を追求しているのだ。

そして、今回のゴールドウイングは日本の道も意識している。極低速域でバランスが取りやすく、街中の混合交通の中で違和感なく走れる。レーンチェンジも難なくこなす。もちろんワインディングや高速道路はお手の物だ。車体構成に大きく影響したダブルウィッシュボーンサスペンションはフリクションが少なく、路面の凹凸を細かくいなしてくれるので疲れない。

2018 Honda Gold Wing

新しいゴールドウイングは、大型ツアラーとは思えないほど自在な走りを楽しめる。“ツーリングできるスポーツバイク”と言ってもいいほどで、ロングツーリングだけでなく、日帰りのワインディングや都内での移動も十分に楽しめる。興味のある方は、全国のホンダドリーム各店で試乗できるので、ぜひ体験してみていただきたい。

(ライダースクラブ編集部)

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