ヤマハNIKEN初試乗(前編)――重戦車のような900ccの前2輪バイクは驚異の乗り物だった

(PHOTO:SATOSHI MAYUMI)

これまで体験したことないような安心感と、強烈な減速G

どんなにバイクの乗るのが得意な人だって、ブレーキングは不安なものだ。

雨、マンホールや路面のペイント、夜、寒い冬……というような条件が重なった状況では、誰だって不安なもの。これはバイクの宿命とでも言うべきものだ。

たぶん、何百台というバイクに試乗して来たが、すべてのバイクにそんな『フロント周りの不安感』があった。はじめてそんな『ブレーキングの不安のないバイク』に出会った。それがNIKENだ。

まず、微妙なコンディションの時だって、安心してブレーキをかけられる。バンクしても前から転びそうな不安はない。コーナリング中でもあるていどブレーキを強くかけられる。もちろん、限度はあるが、四輪車でコーナリング中にブレーキをかられるのと同じぐらい(四輪と同様に限界もあるが)安心してブレーキをかけられる。『バイク』としては、異次元の安定感なのだ。

さらに、フルブレーキしたって、なにしろ前2輪なのだから、強烈な減速が可能なのだ。

トリシティの安心感にスポーツ性を

まず、NIKENに採用されているLWM(Leaning Multi Wheel)というという技術についておさらいしておこう。

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LMWの基本的な構造は、すでにヤマハのトリシティ125、155に採用されているものと同様で、前2輪なのにリンクシステムを設けて車体をバンクさせるというもの。このLMWという仕組みはバイクの楽しみを活かしながら、バイクの欠点をなくすために開発された。

バイクならではの軽快感、バランスを変化させてライディングする楽しみを残しながら、コーナリングで前輪から転ぶ恐怖感がある、リーンした状態での制動が難しい、制動力が乏しいというバイクの欠点をカバーしてくれるのだ。

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(PHOTO:SATOSHI MAYUMI)

実際に、トリシティ125、155では、バイクに乗ったことのない人に、安心感をアピールし、多くの人に不安感のないコミューターとして人気を博した。実際にヤマハが想定したよりも売れたそうである(累計約1万4000台)。

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(PHOTO:SATOSHI MAYUMI)

その安心感に、さらにスポーツの楽しみを加えようということで開発されたのが、このNIKENだ。

今すぐ大黒PAに自慢しに行きたい

実車を見るとその迫力に驚く。

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なにしろ前2輪に、ワイドなフロントフォークの迫力だ。1,200ccのバイクよりもはるかに迫力があるといってもいい。さらにその異形の面構え。今すぐ大黒PAに自慢しに行きたくなる。リーンすると、左右に離れた前2輪が並行してバンクする不思議なルックス。バイクに乗る人なら絶対に「どんなバイクなの?」と声をかけたくなるに違いない。

価格は178万2000円(税込)。受注生産。と、誰もが手に入れられるバイクではないが、今どきの大排気量車の価格に、フロントの挑戦的な機構を組み合わせたことを考えると、むしろバーゲン価格というべきだろう。

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またがるとライディングポジションは意外と普通のバイク。ただ、シート高は高くライポジも若干大柄なヨーロピアンを意識したもののように思える。安心して操るには165cmぐらいの身長が必要かもしれない。

低速での取り回しもまったく普通のバイクと同じ。細かいターンも苦もなく可能。安心感も大きい。

しかし、もちろん、サイドスタンドを出さなければ転んでしまう。

思いのほか普通のバイク

というわけで、RIDERS CLUB誌面での小川編集長による本格的なレポートの前に、本サイト編集長(元RIDERS CLUB編集部員)による速報試乗レポートをお届けしよう。

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(PHOTO:SATOSHI MAYUMI)

裏山のせまいワインディング……といった風情の、修禅寺のサイクルスポーツセンターのクローズドコースを走り始めると、NIKENの乗り心地が案外と普通であることに驚く。ちょっとゆったりした乗り味の普通のバイク。それ以外の違和感はない。低速ターンでも重い感じはしない。

林間コースを心地いいスピードで流す。

しばらくするとブレーキの安心感が大きいことに気が付く。路面がうねっていようが、継ぎ目があろうが、安心して同じ調子でブレーキをかけられるのだ。

フロントの安心感が大きい分、リヤタイヤのリーンの感覚に集中して乗れる。前2輪になることで、むしろリヤタイヤに集中できる……なんて不思議だ。

これなら、大型免許のバイクを持っている人なら誰でもすぐに違和感なく乗れるに違いない。

街中はもちろん、たくさんの荷物を積んだロングツーリングや、タンデムランでも快適に走れそうだ。将来的にツアラーモデルなどを作って欲しい……と、気の早い夢をみてしまう。

しかし、ペースを上げると、NIKENはまたまったく違った表情を見せてくれるのだ……。

(続きの後編は明日27日アップ予定)

(ライダースクラブ編集長・小川勤によるインプレッションは10月27日発売のRIDERS CLUB No.536 2018年12月号に掲載予定です。※下記は最新刊。システム上表示されますが、NIKENのインプレッションは掲載されていません)

(村上タクタ)

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