エンジンの「空冷」と「水冷」はどっちがいいの? 【ネモケンの今さら聞けないバイクのギモン】
- 2019年10月22日
まずは「空冷エンジン」と「水冷エンジン」の基本を知ろう
空冷と水冷は何が違うの?
ざっくりと言ってしまうと空冷と水冷の違いは、ピストンとシリンダーのクリアランスの違いである。空冷は走行風でエンジンを冷やす構造上、エンジンの温度が高くなりがち。そのためピストンとシリンダーは熱膨張による影響を受けやすくクリアランスが広い。対して水冷はシリンダーに冷却水を通すウォータージャケットがあり、強制的にエンジンを冷やす構造。ピストンとシリンダーの膨張率が小さいためクリアランスは狭くてすむ。
空冷の「CB750Four」と水冷の「GPZ900R」
ビッグバイクの原点になる空冷4発
69年にデビューしたCB750Fourのエンジンは、空冷4ストロークSOHC並列4気筒。当時ホンダの最大排気量は450ccだったからそのインパクトは相当だった。さらに最高速200km/hというスペックが衝撃に拍車をかけた。初期型のK0は砂型クランクケースを採用したが、爆発的なヒットとなったため途中から金型へ。写真はK1。
なんとも異様だったサイドカムチェーン
1984年に「最新・最速」を謳ってデビューしたカワサキのGPZ900R Ninjaは、国産の水冷4気筒エンジンで初めてサイドカムチェーンを採用していた。フルカウルにもかかわらず、あえて水冷の最新エンジンを見せるためにカウルをカットしたスタイルはセンターカムチェーンが主流だった当時はかなり異様だったが、それが格好良かった。そしてサイドカムチェーンはその後の水冷4気筒のトレンドに。ご存じのように、Ninjaは20年以上が経過した現在でも人気が高い。

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PROFILE

ネモケン
根本健。75 ~78年まで世界GPに参戦。帰国後はライダースクラブ編集長として、ワークスマシンから市販車まで幅広く試乗。70歳を超えた今も最新マシンに乗り、読者にライテクを指南している
根本健。75 ~78年まで世界GPに参戦。帰国後はライダースクラブ編集長として、ワークスマシンから市販車まで幅広く試乗。70歳を超えた今も最新マシンに乗り、読者にライテクを指南している