HONDA(ホンダ)・CB1300SF/SP試乗インプレッション

プロジェクトBIG-1を受け継ぐ
伝統のCB1300シリーズにSP仕様登場

日本のビッグネイキッドを牽引してきたモデルと言えば、それは間違いなく92年に登場したCB1000SF(Super Four)だ。

その後、98年に排気量が1284ccへ引き上げられ、名称も新たにCB1300SFへと変化。03年にはエンジンのバルブ駆動がロッカーアーム式から直押し式になり、近年では14年にギヤボックスが5速から6速に増すなど、大小さまざまな改良が施され、現在に至る。

CB1300SF SPの3つのトピック

19年モデルのSTDは新色の追加に留まったわけだが、派生モデルとして驚くべき仕様が存在。それがCB1300SF SPだ。

SPとは高いスポーツ性を意味する記号だが、このモデルもその慣習にならったものとなる。

主なポイントは3つあり、フロントにオーリンズのφ43mm正立フォークを、リヤにもやはりオーリンズのツインショックを採用。そして、フロントのブレーキキャリパーにはブレンボのモノブロックタイプがラジアルマウントされたのがトピックだ。

オーリンズは、CB用のアフターパーツとしてすでにフロントフォーク「RWUタイプ」とリヤショック「グランドツイン」をラインナップしているが、SPのそれとはいずれも別モノである。

ホンダとの共同開発の中で、フロントフォークのボトムケースはラジアルマウントが可能なタイプになるなど、構造も一新。スプリングは前後ともに高応力のものに変更されている。

公表されている車両のスペックを見てみると、STDモデルに対してSPは全高、最低地上高、シート高の数値が10mmアップしていることが分かる。逆に言えばそれだけで、あとは車重もトレール量も同一である。

もちろん、その10mmは前後サスペンションの変更にともなうものだ。サスペンション単体で計測すると正確には8mmずつ車高が上がっているとのこと。シートにまたがってみれば、その差はすぐさま体感できる。

また、停車状態でもストロークさせれば違いはさらに明白だ。とりわけフロンフォークがストロークする時の手応えは、より反発力を感じさせるもので、スポーティな走りを予感させる。

CBの潜在能力を極限まで引き上げる上質な足周り

今回、そのポテンシャルをじっくりと体感するためのサーキットで試乗を行った。走り始めから好印象だったのは、やはりフロントフォークの動きで、STDが大きくボトムするような場面でもSPはそこまで至らず、姿勢変化を適度に抑制。そのまま車体を傾けていっても舵角がつき過ぎることがなく、よりニュートラルな旋回性を見せてくれた。

ピッチングの分かりやすさという意味ではSTDも悪くないものの、比較的たやすくボトム付近に到達するため、不意なギャップや急制動を想定するとSPに分があるのは明らかだ。バンク角も引き上げられ、STDのようにステップが簡単に路面に接地するようなシーンもなかった。

端的に言えば、コーナーの入り口から出口に至る全域で安心感が向上。特別な操作や入力を意識しなくとも、常に一定の弧を描けるハンドリングが与えられていた。

リヤショックに関しては、コーナリングよりも路面の凹凸をいなす時にメリットを感じやすい。STDが「ドンッ」ならSPは「トン」。収束スピードは素早く、そしてしなやかになり、街乗りでも高速巡航でもそのありがたみを感じる場面は多いはずだ。

サスペンションの落ち着いたストローク感は、ブレーキによるところも大きい。ブレンボのキャリパーが他メーカーのモノと比較して秀でているのはコントロール性だが、それはSPに装備されたモノブロックでも健在。ブレーキレバーを介して管理しているのは、車速というよりもフォークのストロークスピードと言ってもあながち間違いではなく、それほどオーリンズ&ブレンボのマッチングは、スポーツライディングを求める上で定番にして王道である。

そうやって大物パーツを変更しただけでなく、マスターシリンダーの大型化やブレーキホースの剛性を高めるなど、きめ細やかな改良も盛り込まれ、バランスが整えられてから送り出された。

コスパとバランスにも優れるCB1300SF/SP

SPに採用されたフロントフォーク、リヤショック、ブレーキキャリパーを、近いスペックのアフターパーツの中からチョイスして購入するとそれだけで60万円は下らない。さらには工賃も発生することを踏まえると、SPの車体価格はSTDより37万円ほど高いだけに過ぎず、そのコストパフォーマンスは抜群に高い。

数多あるバリエーションの中でも、機能と価格をこれほどバランスしたモデルはなかった。CB1300の伸びシロはまだまだ果てしなく、これからもユーザーの期待を超えていくに違いない。

ホンダ・CB1300SF/SP ディテール

ホンダとオーリンズが共同開発したサスペンションを前後に装備。フロントはφ43mmの正立タイプで、圧縮側と伸び側の減衰力調整は左右で独立。リヤサスペンションにはφ49mmの大容量リザーバータンクが備えられ、いずれもフルアジャスタブルとなる。車高(シート高)は10mmアップした。
SPはブレンボのモノブロックキャリパーをラジアルマウント。それにともないマスターシリンダーの径やブレーキホースの強度も最適化された。
温度を5段階で調整できるグリップヒーターの他、ETC2.0車載器を標準装備。SPのみならず、STDモデル(SUPER FOUR)も同様で、快適性と利便性を確保。この他、アクセサリーソケットも備えられている。
視認性と被視認性に優れるLEDヘッドライトを採用。
メーターの文字盤は高級感のある自発光タイプ。
燃料タンク容量は21リットル。塗装の質感はSTD モデルよりも高い。
SPとSTD のエンジンスペックは共通。110psの最高出力を発揮する。
シート高は790mm。オーリンズの装着によってSTDモデルよりも10mm高い。
重厚なサウンドを発する集合マフラーを装備。

ホンダ・CB1300SF/SP ラインナップ

スタンダードモデルも継続して販売

2019年モデルのカラーバリエーションは3パターン。ダークネスブラックメタリックが新たに追加されたカラーで、パールサンビームホワイトは2018年モデルから継続。パールホークスアイスブルーはSPだけの設定で、1982年のCB750FCに採用されたカラーリングをモチーフにしている。

パールサンビームホワイト
ダークネスブラックメタリック
パールホークスアイブルー(SPのみ)

ホンダ・CB1300SF/SP スペック表

CB1300 SUPER FOUR CB1300 SUPER FOUR SP
エンジン 水冷4ストローク並列4気筒
バルブ形式 DOHC4バルブ
総排気量 1284cc
ボア×ストローク 78×67.2mm
圧縮比 9.6対1
最高出力 110ps/7250rpm
最大トルク 12kgf・m/5500rpm
変速機 6段リターン
クラッチ 湿式多板
フレーム ダブルクレードル
重量 268kg
キャスター/トレール 25°/99mm
サスペンション F=SHOWA製φ43mm正立フォーク F=オーリンズ製φ43mm倒立フォーク
R=SHOWA製2本ショック R=オーリンズ製2本ショック
ブレーキ F=φ310mmダブルディスク
R=φ256mmシングルディスク
タイヤサイズ F=120/70ZR17 M/C 58W
R=180/55ZR17 M/C 73W
全長/全幅/全高 2200/795/1125mm 2200/795/1135mm
軸間距離 1520mm
シート高 780mm 790mm
燃料タンク容量 21リットル
価格 148 万3920円 185 万1120円

出典

SHARE

PROFILE

RIDERS CLUB 編集部

RIDERS CLUB 編集部

1978年の創刊時から、一貫してスポーツバイクの魅力を探求し続けるオピニオンマガジン。もはやアートの域に達している、バイクの美しさを伝えるハイクオリティの写真はいまも健在。

RIDERS CLUB 編集部の記事一覧

1978年の創刊時から、一貫してスポーツバイクの魅力を探求し続けるオピニオンマガジン。もはやアートの域に達している、バイクの美しさを伝えるハイクオリティの写真はいまも健在。

RIDERS CLUB 編集部の記事一覧

RIDERS CLUB TOPへ

No more pages to load