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「HUSQVARNA Svartpilen701(ハスクバーナ・スヴァルトピレン701)」~シングルスポーツの時代、再び~【R/C インプレッション archives】

ハスクバーナのニューモデルが上陸を果たした。スウェーデン語で「黒い矢」を意味するスヴァルトピレン701がそれだ。2018年から発売が始まっているヴィットピレン701の兄弟モデルではあるがライディングポジションも足周りも異なり、なにかにカテゴライズするとすればフラットトラッカー的な雰囲気を持つ。そういう意味では最近の時流に乗ったスタイルながら生粋のスポーツバイクフリークにとってなにより嬉しいのは、軽快に吹け上がるシングルエンジンが味わえることだろう。そのフィーリングとハンドリングをリポートする。
(※本記事は『ライダースクラブ 2019年8月』掲載記事を再編集したものです)

軽さがもたらす魅惑のハンドリング

経営危機の憂き目に遭うも失わなかった存在感

スウェーデンに設立され、二輪の生産を始めてから116年。前身となった銃器メーカーを含めると330年もの歴史を誇るブランドがハスクバーナである。モトクロスやエンデューロの世界では名声を築きながらも80年代に入ってからは何度か経営危機を迎え、その度にカジバ、BMW、KTMといった企業の傘下に入り、国を転々としながらもブランドを維持してきたのである。

ハスクバーナが極めて珍しいのは、そうした憂き目に遭いながらも存在感を決して失わなかったことだ。KTMの支援を受けるようになってからはむしろ輝きを増し、特にここ数年は続々とニューモデルを発表。従来得意としてきたオフロードモデルのみならず、ストリート向けのロードスポーツにも積極的で、いずれもが高い完成度を誇る。

ヴィットピレン401、ヴィットピレン701、スヴァルトピレン401の3機種がそれだが、そこに加わった最新モデルがスヴァルトピレン701である。

簡単にキャラクター分けすると、ヴィットピレンはセパレートハンドルを備えるロードスポーツだ。401と701はエンジンの大小を表し、401は375cc、701は692ccの水冷単気筒を搭載する。

一方のスヴァルトピレンはバータイプのアップハンドルに換装されている点が大きな違いで、オフロード走行も想定。ただし、401がスクランブラースタイルなのに対し、701はフラットトラッカーがそのモチーフになっている。

ゼッケンプレートを模したヘッドライトカバーやサイドカウルにそのイメージを見つけることができるが、ネオクラシックバイクにも、近未来のモダンなバイクにも見え、なににもカテゴリーされない不思議なたたずまいが魅力的だ。

これぞ、ライトウェイトスポーツシングル!

基本骨格とエンジンは、ヴィットピレン701と共有し、さらに言えばKTMの690デュークがそのオリジナルながら、それぞれの印象はまったく異なる。デザインはKTMの一部門であるキスカデザインの手によるもので、シックさとアヴァンギャルドさが混在。カスタムマシンのような武骨な雰囲気も併せ持つ。シート高はヴィットピレン701よりも5mm高い835mmだが、アップライトなハンドルと、空車1Gでのストローク量がしっかり確保されているおかげで足着き性はむしろ向上している。

アシストが付くクラッチの操作力は軽いが、レバーをつなぐ瞬間、不用意な操作をすると思いのほか回転が上下動してしまうことがある。ともすれば、それがトルクの薄さに感じられるが、スロットルに対して、エンジンが遊びなくレスポンスしている証であり、幾度かストップ&ゴーを繰り返せば、アイドリングのままスタートさせられるようになる。

それが分かった後に待っているのは、「これぞ、ライトウェイトスポーツシングル!」と思わず喝采を送りたくなるほど魅惑の、そして他のモデルではそうそう味わえないライディングプレジャーの世界である。

小気味よい爆発音と連動するトラクションはシングルならでは

水冷SOHCの単気筒ユニットに内包されているのは、ボアが105mmのビッグピストンだ。排気量は700cc近いため、身体を震わせるような荒々しいトルクを想像するかもしれないが、その心配はあっさりと裏切られる。

使う回転域にかかわらず、そこにあるのは振動ではなく鼓動、バイブレーションではなくビートと呼ぶべきもので、コロコロと軽やかに回るフィーリングが9000rpm強までよどみなく続く。

もちろん、ただスムーズに回ることを楽しみたいならツインでもマルチでも構わないだろうが、ヴィットピレン701のエンジンが奏でる「タタタンッ」という小気味いい爆発音と、それに連動して伝わる明確なトラクションはシングルならではのもの。スロットルの動きにすべてを託し、エンジンの出力と車体姿勢を自在に操りながらコーナーを駆け抜けていく手の内感にスポーツマインドが満たされていく。

ここまではヴィットピレン701と共通の快楽ながら、少し異なるのがハンドリングだ。

前後に17インチホイールを装着し、オンロードに特化したハイグリップタイヤを装着するヴィットピレン701に対し、スヴァルトピレン701はフロントを18インチに大径化。タイヤにはダート走行を意識したピレリのブロックタイヤ、MT60RSが選択されている。

結果的にこのコンビネーションが車体に良好なバランスをもたらすことになった。ヴィットピレン701の場合、旋回半径を大きく取って旋回スピードを稼ぐようなライン取りがポテンシャルを引き出すコツになる。そのため、コーナーの入口で失敗すると帳尻を合わせるスキルが求められるのだが、スヴァルトピレン701はもっとイージーだ。

車体に任せてリーンさせれば、ごく自然に旋回力を発揮。リーンインでもアウトでも、前に乗っても後ろに乗ってもそれは変わらず、ギヤのアップにもダウンにも対応するシフターを駆使しながら、流れるようにコーナーをクリアしていくことができる。MT 60RSもまた、その見た目以上にアスファルト上でグリップする。かなりバンクさせてもトラクションコントロールが介入する場面はほとんどなかった。

シンプルなクロモリパイプフレームに軽量な単気筒エンジンを組み合わせ、過度な電子デバイスも装飾も持たないが、だからこそバイクをピュアに向き合い、ライディングの質を高めていくことができる。 スペックをフルに引き出しながらスポーツする楽しさを教えてくれる素材が、スヴァルトピレン701というモデルである。

HUSQVARNA Svartpilen701(ハスクバーナ・スヴァルトピレン701) ディテール

リヤサスペンションはリンク式のWP製モノショックを装備。プリロードと伸び側減衰力の調整が可能だ。初期のストロークは充分確保されているため神経質な挙動はなく、高い接地感とニュートラルなハンドリングに貢献。

エンジンは軽やかなサウンドを奏でる水冷SOHC単気筒を搭載し、75hpの出力を発揮。レブリミットが作動する9000rpmまで一気に吹け上がる。

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2019年10月15日

マットブラックにコーティングされたスタイリッシュなマフラーを装着。

マットブラワイドなバーハンドルを装備。

前後に動きやすいシートを含めてライディングポジションの自由度は高く、安楽に乗ることができる。

片側だけにゼッケンプレート風のカウルを備えるデザインが新しい。

リヤと同じく、フロントサスペンションにもWP製のφ43mm倒立フォークを装備。ブレーキキャリパーはブレンボ製。

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2019年10月15日

減衰力調整はフォーク右が伸び側、左が圧縮側をそれぞれ司る独立式を採用する。

メーターはデジタルディスプレイ。タコメーターはバーグラフで表示される他、トラクションコントロールのインジケーターも装備。

Specifications:HUSQVARNA Svartpilen701(ハスクバーナ・スヴァルトピレン701)

エンジン 水冷4ストローク単気筒
バルブ形式 SOHC4バルブ
総排気量 692.7cc
ボア×ストローク 105×80mm
圧縮比 12.8対1
最高出力 75hp/8500rpm
最大トルク 7.3/6750rpm
変速機 6速
クラッチ 湿式多板APTCスリッパークラッチ
フレーム クロモリスチール製トレリス
重量 158.5kg
キャスター/トレール 25°/119mm
サスペンション F=WP製φ43mm倒立フォーク
R=WP製リンク式モノショック
ブレーキ F=ブレンボ製4ピストン ラジアルマウントキャリパー/φ320mmディスク
R=ブレンボ製1ピストン フローティングキャリパー/φ240mmディスク
タイヤ F=110/80-R18
R=160/60-R17
軸間距離 1436mm
シート高 835mm
ガソリン容量 12L
価格 135万5000円

※本スペックは『ライダースクラブ 2019年8月号』掲載時のものです。

取材協力

ハスクバーナモーターサイクルジャパン(TEL:03-6380-7020)
http://www.husqvarna-motorcycles.com

出典

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PROFILE

伊丹孝裕

メインテスター

伊丹孝裕

ライダースクラブのメインテスター。アマチュアレースに熱中した後、バイク雑誌編集者に。鈴鹿8耐やマン島TTなど、国際的なレースに参戦し、近年はオフロードも本格的に。何にでも積極的に首を突っ込むスタイル

伊丹孝裕の記事一覧

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