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「YAMAHA(ヤマハ) SR400」~愛しのSR~【R/C インプレッション】

一時生産を中止していたヤマハSRが待望の復活。規制に対応しつつもSRらしさは健在だ。空冷単気筒、SOHC2バルブ、400㏄エンジンは、キックするととても簡単に目覚め、穏やかにアイドリングを始める。しばらくその鼓動に耳を傾け、タペット音などをチェックし、メッキパーツの各部を磨いていく。これがSRに乗る時の僕の習慣になっている。シリンダーを触り、少し暖かくなったところでスタート。細い前後18インチタイヤはまったく難しさを感じさせず、いかにもバイクといった安心感を教えてくれる。
(※本記事は『ライダースクラブ 2019年2月号』掲載記事を再編集したものです)

SRには現代のバイクが失ってしまったディテールがたくさんある

本誌ライダースクラブが創刊した1978年にヤマハSRは誕生した。当時は400と500があり、その後、さまざまなモデルチェンジを受けながら、18年に40周年を迎えた。レプリカブームやビッグバイクブームなどを乗り越え、SRはSRらしくその時代時代を生き続けている。基本的なスペックや車体構成をまったく変えずに、だ。

気が付けば2ストロークのバイクがなくなり、GSX1100SカタナやGPZ900Rニンジャなど、その間には数えきれないほどの名車が生まれ、消えていった。生き続けるのはとても困難なことなのだ。

僕は18歳の時に初めてSRを購入した。その後SRを何台も購入し、最近はインジェクションになった10年式を新車で購入し、現在も乗り続けている。これまでにSRのムックを10冊以上製作し、エンジンも外装もさまざまなカスタムを施したし、ショップが製作したいろいろな仕様のSRにも試乗。最近自分のSRは、ノーマルルックのファインチューンに戻ってきた。

ビッグバイクは常にバイク主導だが、SRは僕にとてもシンクロする

バイクに乗り始めて26年が経過。ライダースクラブ編集部で仕事をするようになり、僕のバイク感は大きく変わっていった。SRに始まり、その後ビッグバイクに乗り、レースにも出て、外車も経験し、スーパースポーツを乗り回している。それでも、いまもSRが大好きだ。

400㏄/24ps、スペックはどこも特別ではない。そのエンジンはキックで簡単に目覚める。左手の人差し指でデコンプを引き、ピストンの圧縮上死点を出してキックを踏み下ろす。難しそうに聞こえるかもしれないが、インジェクションになってからはキック始動がとても簡単になった。昔は温まっているとエンジンが始動できなかったり、何回もキックしてプラグがカブったりしたけれど、いまは皆無。かなり適当にキックしてもエンジンは簡単に目覚め、暖機せずに走り出してもエンストしないし、ギクシャクもしない。

確かに現代の基準で見るとスペックは低い。でも走り出すとまったく不満はないから不思議だ。市街地のダッシュはそこそこ痛快だし、そうかと思えば1500~2000rpmというアイドリングの少し上の回転でもノッキングせずに走る。

高速道路は5速/3500rpm前後、約80~90㎞/hで巡航する。それ以上回転を高めると振動が大きくなり気持ちよくない。走っているとバイクの息吹が伝わってくる。景色や周りの交通の流れを見ながら、日常のいろいろなことが頭を巡る。自然と余裕が生まれ、それはとてもリラックスした時間になる。SRのエンジンは、決してロングストロークではないのだが、その鼓動感はなぜかとても心地よい。ビッグバイクは常にバイク主導だが、SRは僕にとてもシンクロする。

だから、SRに乗っていて物足りないと思ったことは一度もない。SRでワインディングに繰り出すとよく走るなぁといつも感心する。

SRがスポーティでなかなったらどのバイクでもスポーティじゃない

意外かもしれないが、SR乗りこなしのコツは回転を上げないこと。パワーがないバイクは回してしまいがちだが、そうするとエンジンブレーキが邪魔になり、旋回速度が稼げないのだ。10年にインジェクションになり、そんなビッグバイクに近い走らせ方が身近になった。しかし、18年にコンピュータを刷新し、点火と燃調を煮詰め、演算速度を格段に高めたような印象のニューSRはさらにその上を行く。2500~3500rpmからスロットルを開けると後輪が路面を掴み、グイグイと旋回していくのだ。キャブレター時代はここまで回転を落としてスロットルを全開にすると走らない領域があったが、最新SRの低中速、そしてスロットルを開けた際の過渡特性のつくり込みは素晴らしい。

前モデルの最大トルク発生回転数は5500rpm、しかし、ニューSRは3000rpmと2500rpmも低い。だからワインディングを走るとどんどん使うギヤが上になり常用回転が低くなる。スロットルは全閉か全開。痛快! と呼べるほどのメリハリのある走りが楽しめるのだ。これがスポーティでなかなったらどのバイクでもスポーティじゃない。そう思わせる奥深さがある。

サスペンションは柔らかく、加減速はもちろんライダーの荷重抜重でピッチングモーションを感じられる優しい設定だ。それでいてフレームはしっかりしていて、重心を掴みやすい。昨年からタイヤはブリヂストンになり、それまでのメッツラーよりも外径が小さいようで、かなり重心が下がりバンク角も減っている。

気が付けば大人のバイクになっていたSRは時代に合わせて生き続ける

単気筒ならではの細い車体とナローなバイアスタイヤは、バイクをとても軽く感じさせてくれる。ビッグバイクのような頑固さも、難しさもない。しかし、工夫次第でもっとスポーティに走れるのがSRだ。座る場所は少し後ろ目、タンクからこぶしひとつ分開けて座り、後輪を感じることを意識する。後輪が傾くと同時に前輪に舵角が付き、ライダーはその動きに追従する。旋回中や立ち上がりでは上半身を起こしたり伏せたりしてその角度を変えながら、後輪の接地感をコントロール。いまの時代、こういったライダーの工夫がすぐにハンドリングに反映される分かりやすいバイクは他にない。

乱暴な操作は厳禁、久しぶりのSRだとビッグバイクに慣れた自分が嫌になるほどその挙動は素直で、僕の失敗を明確に伝えてくる。バンク角はない。だから一瞬で向きを変え、バイクを起こし、立ち上がる。旋回時間を短くするのがテーマだ。コーナーで思い通りの軌跡を描けるとゾクゾクするほど気持ちがいい。ノスタルジックなスタイルだが、そこには昔ながらのヤマハスポーツの血が流れている。このハンドリングの意外性もロングセラーの秘訣だ。

YAMAHA(ヤマハ) SR400 ディテール

質感の高いクロームメッキのパーツを多用するのもSRの魅力。現代のバイクとしては樹脂パーツが極端に少ない。

実はスイッチもアルミボディで質感が高い。クラッチレバーの下側にはキック時に圧縮を抜くためのデコンプレバーを装備。

SRはドライサンプのため、メインフレームがオイルタンクになっている。ドレンボルトもフレームとエンジンの2カ所だ。

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2019年10月19日

メンテナンス時に秀逸なバランシングセンタースタンド。キックも慣れるまではセンタースタンドで行うのが良い。

美しいティアドロップ形状のタンク。何度も形状や中身、容量を変えながらSRらしさを守ってきたパーツだ。

このモデルから車体左側にはキャニスターが装備された。ここに刺さるホースは燃料タンクとスロットルボディに繋がっており、蒸発ガソリンを浄化する役目を果たす。他にも新たな規制に対応するためECUを刷新。マフラーも内部や出口径が変更された。

メーターはクラシカルな2眼タイプ。情報が整理され、最近老眼気味の僕でも視認性が高い。

メッキフェンダーにシンプルなテールランプを装着、グラブバーも昔ながら。ウインカーはデザインを変更。

シートはパッセンジャー部分までフラットな形状。この絶妙な高さがハンドリングに貢献。

フロントはシングルディスク。効力は高くないが、扱いやすい。タイヤはブリヂストンのBT-45。

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2019年10月15日

リヤサスは2本ショック。

Specifications:YAMAHA(ヤマハ) SR400

エンジン 空冷4ストローク単気筒
バルブ形式 SOHC2バルブ
総排気量 399cc
ボア×ストローク 87×67.2mm
圧縮比 8.5対1
最高出力 24ps/6500rpm
最大トルク 2.9kg-m/3000rpm
変速機 5速リターン
クラッチ 湿式多板
フレーム セミダブルクレードル
キャスター/トレール 27°40′/111mm
サスペンション F=テレスコピックφ35mm正立
R=2本ショック
ブレーキ F=シングルディスク
R=ドラム
タイヤサイズ F=90/100-18
R=110/90-18
全長/全幅/全高 2085/750/1100mm
軸間距離 1410mm
シート高 790mm
重量 175kg
燃料タンク容量 12L
価格 57万2400円

※本スペックは『ライダースクラブ 2019年2月号』掲載時のものです。

取材協力

ヤマハ発動機(フリーダイヤル:0120-090-819)
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/

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PROFILE

小川 勤

編集長

小川 勤

ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する

小川 勤の記事一覧

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