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「Norton DOMINATOR(ノートン・ドミネーター) by MOTO CORSE」~最新機器で再現する英車らしい乗り味~【R/C インプレッション archives】

レースで鍛えた技術を元に、かつてメーカー自身がチューンを施したスポーツマシン。その栄光のネーミングを冠し、新生ノートンから登場したのが“ドミネーター”だ。存在するだけで強く漂う英国の香りに、最新の電子制御を加味したならば……。モトコルセが手掛けた生粋のカフェレーサーが、サーキットを駆け抜ける!
(※本記事は『ライダースクラブ 2019年9月号』掲載記事を再編集したものです)

モトコルセが手掛けた生粋のカフェレーサー

マン島TTを代表とする、モーターサイクルレース黎明期の覇者であり、英国を代表する名門ブランドのノートン。しかし英国の経済恐慌と、日本製バイクの大攻勢によって、70年代後半にバイクファンに惜しまれながらも倒産。

そして英国人実業家の手により2009年に復活した新生ノートン。かつての名車コマンドの名を冠した空冷の並列2気筒OHVエンジンを搭載するクラシカルなフォルムのスポーツバイクを世に出したのは、コアなバイクファンなら知るところだろう。

そのコマンドと同じエンジンを抱きながら、新造された鋼管ダブルクレードルフレームにモノサスのリヤショック、低いセパレートハンドルなどを装備するのが「ドミネーター」。こちらもかつてのノートンが50?60年代頃に輩出した、スポーツ度を高めた人気モデルの名を継いでいる。カフェレーサー発祥の英国製だけに、そのスタイルは他を圧倒する迫力と流麗さを併せ持つ。

そんなスペシャルなノートンを、世界の一流パーツやオリジナルパーツでカスタム、そしてコンプリート製作を行うモトコルセが手掛けたのが、今回紹介するマシン。

磨き上げたスタイルはもとより、エンジン制御にモーテック製のフルコンを投入。生粋の英国車と最新電子制御の融合は、果たしてどんな走りを見せてくれるのか……。

「クラシカルなカフェレーサーが、サーキットで楽しめるマシンに大変貌した」(宮城光)

午前中まで降り続いた雨は上がったが、路面はハーフウエットのつくばコース1000に持ち込まれたモトコルセ・ドミネーターは、じつは今回が初走行、いわゆるシェイクダウンだ。ライダーは『RIDERS CLUB』スーパーバイザーの宮城 光。旧車からモトGPマシンまで操り、ホンダコレクションホールの動態確認テストを担当する高い経験値で、まずはゆっくりと周回を重ねていく。

「本当に初走行ということだし路面もウエットパッチが残っていたので、かなり慎重に走り始めました。足周りも未セッティングでしたが、まずはエンジンからセットアップ。とくにスロットル全閉からの“開け口”のツキ方やレスポンスを中心に、モーテック担当のエーニィオさんにフィーリングを伝え、プログラムを書き換えて貰いました。燃調もですが、大きく変わったのは点火時期のセットアップですね」と宮城。

モーテックを担当するモトコルセのスタッフであるエーニィオさんが、宮城のコメントを的確に反映して点火時期や燃調のセッティングを詰める。

何周か走行してピットに戻ってエーニィオさんがセッティングを繰り返すうちに明らかにエンジン音が変わり、270度2気筒OHVのサウンドに快活さが増してきた。宮城のスロットル開度も大きくなっている。

「さすがフルコンに関する高いノウハウを持っています。どんどん良くなって、このエンジンが持つ本来のパフォーマンスを引き出せるようになってきました。ミッションの1速と5速が大きく離れているし、2~4速も現代スポーツ車のようにクロスしてないから、キチンと回転を合わせて慎重にやらないといけないけれど、それも操る醍醐味のひとつ。エンジンが良くなったし、路面も乾いてきたので、足周りのセットも少し手を入れてみました。全体的に硬めで、乗車位置も高いので、リヤのプリロードを抜いて圧縮側の減衰力を弱めたり、フロントもかなり柔らか目にしたら安心感が増しました。こちらは車体姿勢も含めて、まだまだ手を入れる余地があるけれど、このクラシカルなカフェレーサーが、サーキットで楽しめるマシンに大変貌しましたね」

「このドミネーターは“そういう大人を目指そう”と気づかせてくれる」(編集長・小川)

そうして宮城とエーニィオさんによって仕上がりつつあるドミネーターを、編集長・小川もライディング。

「スペシャルなバイクをベースに、プロがいっそう磨きをかけた生粋のカフェレーサー。こういうバイクでサーキットを走るのって本当に気持ち良いし、すごく大人っぽくてカッコいいと思います。このドミネーターは“そういう大人を目指そう”と気づかせてくれる」と、主観全開のコメント。

モーテックをはじめ、チタン製アップマフラーやレースライクな足周りで武装するドミネーター。それだけで十分にスペシャルだが、フレームやスイングアームのパウダーコートやアルミの燃料タンクの再ポリッシュなど、一見しただけでは気づかない手間をかけることをいとわないモトコルセ。その積み重ねが、走りと佇まいをいっそう輝かせている。

Norton DOMINATOR(ノートン・ドミネーター) by MOTO CORSE ディテール

前後のオーリンズ製サスペンションはドミネーターのSTD。ホイールはBSTのカーボンコンポジット「ブラックマンバ」、フロントブレーキはブレンボのGP4キャリパー+アルトのローターに換装。リヤのキャリパーもブレンボのスーパースポーツCNC+アルトのセットに交換している。

タンクは純正オプションのアルミ製だが、モトコルセでポリッシュ&クリアペイントを施す。

ウレタンを貼っただけのSTD シートは、カーボンでベースを作り、カーフレザーをキルトステッチで仕上げる。

ヘッドライトはLEDのマルチファンクション。

フルチタンでロブスターテールのエキパイとハニカムメッシュエンドのサイレンサーをワンオフ製作。ドライカーボン製のコンパクトライセンスプレートホルダーも装備する。

コクピットに収まるモーテックのダッシュはさまざまな表示が可能

キーONでの起動画面。

ウォームアップ時に便利なデータ画面。

サーキット走行向けの画面は、回転数やラップタイムを表示。

ストリート向け画面。

取材協力

モトコルセ(TEL:046-220-1611)
https://www.motocorse.jp/

インプレッションライダー

宮城 光(RIDERS CLUB / スーパーバイザー)
ライダースクラブのスーパーバイザー。名門モリワキで頭角を現し、後にホンダファクトリーライダーとして80年代バイクブームを牽引。現在はMotoGPのTV解説などを担当。ツーリングにカスタムにと、今もバイクを楽しむ。
https://funq.jp/member/h-miyagi/

小川 勤(RIDERS CLUB編集長)
ライダースクラブ編集長。18歳からSRを所有し続け、カスタムと走りを探求。世界各地で行われる試乗会に参加し、最新モデルの進化を熟知する。現代のバイクに合ったライテクや最新パーツにも精通する。
https://funq.jp/member/t-ogawa/

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PROFILE

宮城光

RIDERS CLUB / スーパーバイザー

宮城光

ライダースクラブのスーパーバイザー。名門モリワキで頭角を現し、後にホンダファクトリーライダーとして80年代バイクブームを牽引。現在はMotoGPのTV解説などを担当。ツーリングにカスタムにと、今もバイクを楽しむ

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