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「HONDA NSR250R SE/1996(ホンダ・NSR250R SE)」〜色褪せることのないNSRの最終進化形〜【いま楽しめる名車たち】

レーサーレプリカ全盛期にひと際輝き、熱狂の時代を牽引し続けたNSRという忘れがたき存在。その幕を引いた最終仕様をあらためて堪能した。
(※本記事は『ライダースクラブ 2018年3月号』掲載記事を再編集したものです)

レーサーレプリカ黄金期を支え幕引きも担った最後のNSR

もう一度、2ストロークのフィーリングを味わいたい。突然そう思い立ち、昨年1台のマシンを手に入れた。乾いたサウンド、弾けるようなパワーフィーリング、オイルの香り、圧倒的な軽さ。最新の現2行モデルながら、そこにはかつてのストロークらしさのすべてがあり、乗ればいつでも僕を「あの頃」に引き戻してくれる。

パワーをうまくコントロールし、それをトラクションに換えるには少々コツを要するのもあの頃と同様で、そのマシンに乗り始めて以来、僕の左手のくすり指にはタコが絶えない。コーナーではエンジンをストールさせないように、あるいはパワーバンドを逃がさないように半クラッチを多用するからだ。

巧みに調教された今時のストロークマシンではそうした操作をまったく必要とせず、さまざまなデバイスのおかげでクラッチ操作の機会さえ減っているにもかかわらず、手足の隅々まで神経を張り巡らせなくてはいけないストローク特有の面倒や手間を積極的に楽しんでいるのである。

いわゆるアラフィフに差し掛かった僕にとって、そんなストロークの醍醐味と難しさを教えてくれた原点がNSR250Rだ。マグネシウムホイールを装備したハチハチ(88年型)のSP、ガルアームを採用したキュウマルなど、思い入れの対象はいくつもあるが、今、目の前にある96年型のNSR250R SEもやはり忘れがたい。なぜなら、その歴史を締めくくった最終進化形に他ならないからだ。

素晴らしいコンディションが保たれたこの個体は、「バイクライフ生涯パートナー」を目指す「バイク王」でメンテナンスされたものである。バイク王といえば買取に主軸を置くイメージが強いものの、50カ所近い販売店を全国に構え、販売からメンテナンス、車検などを行っている。新車の流通のみならず、時代を彩ったこうしたモデルの存続を通してバイク文化を継承しようとしてくれているのだ。

車体をリーンさせる時の軽さがNSRの美点のひとつ

そんなNSRのチョークレバーを引き、メモリーカードをセットしてキックペダルを蹴り下ろす。パラ、パラ、パララン……。

90度のシリンダー挟み角と54mm×54.5mmのボアストロークで構成された249ccのVツイン(これらの数値は当時のワークスマシンとまったくの同一だ)は数度の踏み込みで目を覚まし、しばらくブリッピングを繰り返すと白煙の減少とともにアイドリングが安定。クラッチレバーを握ると乾式特有のメカノイズを響かせ、スタートの準備が整ったことを周囲に知らせる。

エンジンを始動させて走り出す。ここまでの操作はそれだけのことに過ぎないが、ストロークにはいくつかの所作を要し、そこにさまざまな音や匂いが介在することによって五感を刺激。ライダーの気持ちを徐々にたかぶらせてくれるのだ。

刺激に誘われ、そのままにスロットル開度を増していくと、ある領域に達した瞬間パワーが跳ね上がり(このNSRなら7000回転付近がそれだ)、一瞬右手が躊躇する。

ところがそれも束の間のことで、手足のように身体に馴染むライディングポジションと抵抗なく膝を接地させる軽やかなリーンスピード、自由度の高いライントレース性がそれをフォロー。どんどんチャレンジングな走りを追求したくなるのだ。

現代のスーパースポーツと比較すると車体は低く、地面は極めて近い。

車速を落とさないように、パワーを逃がさないようにコーナリングスピードを突き詰め、立ち上がりではタコメーターの動きとエンジン音を伺いながらスロットルをジワリと当て、その後全開。パパァァァーン……。

そうやってコーナーをひとつクリアする度に、今の自分はイケていたか、そうじゃなかったかを突きつけられ、一喜一憂させられるのがストロークであり、NSRなのだ。

あの頃、尊敬の念を込めて呼ばれた「2スト乗り」という称号。乗れば今でもそれを追いかけたくなるため危ういが、まだ枯れていない自分に気づくこともできる。NSRとは、内に秘めたなにかを呼び覚ましてくれる、そういうバイクなのだ。

HONDA NSR250R SE/1996(ホンダ・NSR250R SE)ディテール

エアインテークの新設によって空力の向上が図られた。

メーターは軽量コンパクト化され、’94年からはキーにメモリーカードを採用。レース用のキットパーツとしてROMが異なる専用カードも用意されていた。

メインフレームは異形の5角目の字断面構造。

タンデムシートは完全に割り切った形状だ。

しなやかなさを優先し、最後まで倒立フォークは採用されなかった。

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2019年10月15日

’92年からワークスマシンに採用されたプロアームが市販車にもフィードバックされた。

マグネシウムホイールを標準装備するSPに対し、SEはアルミ。

Specifications:HONDA NSR250R SE/1996(ホンダ・NSR250R SE)

エンジン 水冷2ストロークV型2気筒
バルブ形式 クランクケースバルブ
総排気量 249cc
ボア×ストリーク 54×54.5mm
圧縮比 7.4対1
最高出力 40ps/9000rpm
最大トルク 3.3kg-m/8500rpm
フレーム アルミツインチューブ
サスペンション F=φ41mm正立フォーク
R=スイングアーム(プロアーム)
ブレーキ F=φ276mmダブルディスク
R=φ220mmシングルディスク
タイヤサイズ F=110/70R17
R=150/60R17
全長/全幅/全高 1970/650/1045mm
軸間距離 1340mm
キャスター/トレール 23°/85mm
シート高 770mm
重量 157kg
燃料タンク容量 16L
価格(発売当時) 72万円
クラッチに「乾式」と「湿式」があるワケ【ネモケンの今さら聞けないバイクのギモン】

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2019年10月17日

取材協力

バイク王(フリーダイヤル:0120-50-8190
https://www.8190.jp

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PROFILE

宮城光

RIDERS CLUB / スーパーバイザー

宮城光

ライダースクラブのスーパーバイザー。名門モリワキで頭角を現し、後にホンダファクトリーライダーとして80年代バイクブームを牽引。現在はMotoGPのTV解説などを担当。ツーリングにカスタムにと、今もバイクを楽しむ

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