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「KAWASAKI 900Super4 Z1(カワサキ・900Super4 Z1)」〜元祖ビッグバイク。Zの原点がここにある〜【いま楽しめる名車たち】

衝撃的な誕生から46年が経過した今なお世界中で愛され「Z」というたった一文字をブランドにまで高めたモデル。オリジナルに込められたそのフィーリングをあらためて体感してみた。
(※本記事は『ライダースクラブ 2018年5月号』掲載記事を再編集したものです)

「世界一のバイクをつくる」そんな当時の気合いが伝わってくる

激化する開発競争の末に誕生したZ1

世界最速の座に就くという極めてシンプルなコンセプトを掲げられ、67年に開発プロジェクトが立ち上げられ69年に発売を開始したカワサキ・500SSマッハIII(H1)。その時に発表にされた「最高速200km/h」、「ゼロヨン加速12.4秒」という数値が目標の達成を世界に知らしめることになった。

そんなH1とほぼ時を同じくして、カワサキ社内ではもうひとつのプロジェクトが進行していた。それが後の900スーパー4、いわゆるZ1の誕生をもたらした開発構想だ。

というのも、カワサキはH1の成功に安心してはいなかった。なぜなら、そこに搭載される2ストロークエンジン(498cc3気筒)は当時からすでに排ガスや騒音を問題視する声があり、遅かれ早かれアンチ2ストロークの波が押し寄せるのは明白だったからだ。

事実、70年には厳しい環境基準を定めたマスキー法がアメリカで適用されるなど、4ストローク化へのシフトが急務だったのである。

だからと言って、単なる4ストロークではビッグマーケットであるアメリカで戦えない。H1を超えるパフォーマンスを持っていることは必須だ。そこでまずエンジンの仕様を750ccDOHC並列4気筒にすることが決まり、開発が本格化。量産の目途もつき始めた68年、ホンダから突如発表されたのがCB750フォア(K0)だった。

排気量も並列4気筒という形式もカワサキの構想とまったく同じ。ホンダのシングルカムに対し、ツインカムだったことはスペック上のアドバンテージだったが、まだ製品化されていない以上、絵に描いた餅である。そこでカワサキは計画を変更。ホンダをパワーで圧倒するという決定を下し、完成に至ったのが市販車史上前例のない、903ccもの排気量を持つZ1だった。

72年秋、満を持して生産が始まったそれは世界中で爆発的なヒットを記録して大排気量マルチ時代の到来を決定づけたのである。

1972 900Super4 Z1/’67年に開発がスタートし、途中排気量の拡大など紆余曲折の末に’72年11月に発売を開始。カワサキ初の空冷4ストローク並列4気筒だ。

「エンジンがザラついているように思うかもしれないけれど、これが正しいZのフィーリング」

さて、目の前のあるZ1はバイク王が維持・管理している個体だ。年式はZ1Aと呼ばれる74年型で、この年式の途中からエンジンが無塗装のアルミ地になったことが外観上の主な特徴である(初期型はブラック塗装)。

このZ1で走り始めた宮城はひたすら周回を重ね、戻ってくると開口一番「エンジン完璧!すごく気持ち良かった。スロットル開け始めのレスポンスがよく、キャブレターの同調もしっかり取れているからバラつきもまったくない。久しぶりのこんないいコンディションのZに乗ったよ」と上機嫌だ。

宮城はかつてZ1100Rを所有するなど、カワサキ車との縁は意外と深い。しかしその究極はZ1のエンジンを搭載した「モリワキ・モンスター」だろう。

「まだノービスだった頃、できるだけパワーのあるバイクで練習したかったから森脇さんにお願いして鉄フレームのモリワキ・モンスターを譲ってもらい、アルミフレームのマシンに乗せてもらったこともある。このZはノーマルだけど、ちゃんと共通する部分があって昔を思い出せたよ。ホントそれくらいよく走る。現代の感覚からすればエンジンがザラついているように思うかもしれないけれど、これが正しいZのフィーリング。回転の上昇と鼓動感がきれいにリンクするからスロットルを開けるのが楽しく、ハンドリングも自然。いやぁ素晴らしい」

アルファベットの最後を締めくくる「Z」には「これ以上はない」という意味が込められているが、そこに託した思いは今なお乗り手の心を揺さぶるのである。

KAWASAKI 900Super4 Z1(カワサキ・900Super4 Z1) ディテール

タンクからテールカウルに至る丸みを帯びた伸びやかなフォルムが美しい。’78年のZ1-R の登場以降、スクエア化が進んだ。

メーターは日本電装(現デンソー)製。各種インジケーターがこの並びになったのはこの’74年型からで’72~’73年の生産車は順番が異なる。

耐久性に優れる組み立て式のクロモリ鍛造クランクシャフトが投入されたエンジン。ボア×ストロークはともに66mmというスクエアな仕様で外観がシルバーになったのは’73年の途中から。初期型はブラック仕上げとなる。

キャブレターには強制開閉式のミクニ製VM28SCを採用。

Z1のアイデンティティにもなっている4本出しマフラーはその数によって4気筒エンジンであることをアピール。堆積したカーボンを除去できるように脱着式のバッフルを内部に備える。

ヒンジによって支持される開閉式のシートを装備。内部にはエアクリーナーボックス、バッテリー、車載工具が収納されている。

マフラーと同様、Z1の個性を決定づけた流麗なティアドロップ型の燃料タンク。容量は18Lで’75年型以降は16L。

Specifications:KAWASAKI 900Super4 Z1(カワサキ・900Super4 Z1)

エンジン 空冷4ストローク並列4気筒
バルブ形式 DOHC2バルブ
総排気量 903cc
ボア×ストリーク 66×66mm
圧縮比 8.5対1
最高出力 85hp/8500rpm
最大トルク 7.5kg-m/7000rpm
フレーム ダブルクレードル
サスペンション F=テレスコピックフォーク正立式
R=スイングアーム
ブレーキ F=シングルディスク
R=ドラム
タイヤサイズ F=3.25 -19
R=4.00 -18
全長/全幅/全高 2005/800/1150mm
軸間距離 1490mm
乾燥重量 230kg
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2019年10月15日

取材協力

バイク王(フリーダイヤル:0120-50-8190
https://www.8190.jp/

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PROFILE

宮城光

RIDERS CLUB / スーパーバイザー

宮城光

ライダースクラブのスーパーバイザー。名門モリワキで頭角を現し、後にホンダファクトリーライダーとして80年代バイクブームを牽引。現在はMotoGPのTV解説などを担当。ツーリングにカスタムにと、今もバイクを楽しむ

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