BRAND

  • Lightning
  • 2nd(セカンド)
  • CLUTCH Magazine
  • EVEN
  • BiCYCLE CLUB
  • RUNNING style
  • NALU
  • BLADES(ブレード)
  • RIDERS CLUB
  • CLUB HARLEY
  • DUCATI Magazine
  • flick!
  • 湘南スタイルmagazine
  • ハワイスタイル
  • トリコガイドシリーズ
  • buono
  • ei cooking
  • Yogini
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD

「KTM 790DUKE(KTM 790デューク)」~絶妙なバランスが想定ターゲットを拡大!!~【R/C インプレッション archives】

KTM初となる完全新設計の“並列2気筒”を搭載する790DUKEが2018年に登場。ネイキッドに位置づけられるDUKEだが、その発祥はスーパーモタードだけにスタイルからは、オフロード車に起因する“尖がった”乗り味を漂わせるが……。ミドルDUKEの進化と真価を、宮城光がインプレッション!!
(※本記事は『ライダースクラブ 2018年5月号』掲載記事を再編集したものです)

穏やかにアグレッシブ!? 相反する楽しみを凝縮するマシン

800ccのツインとは思えない加速の良さで『まだまだイケるぞ!』という余裕さえ感じる

16年にプロトタイプが、そして17年のEICMAでベールを脱いだKTMの790DUKE。新開発のエンジンは初の並列2気筒で、フレームもトレリスではなくエンジンを強度メンバーとするバックボーンタイプと、新機軸のネイキッドがついに登場。ワールドローンチが行われるスペイン領のグランカナリア島に、宮城 光が飛んだ。

日本から遥々やってきた風光明媚な島で待っていた790DUKEは、想像以上にコンパクトで、イメージとしては国産400ccくらいだろうか。とはいえホイールベースは1475mmとかなり長め。しかしこれは、スイングアームの長さ(625mm)を稼いだ結果だ。

LC8cと呼ばれる新しい並列2気筒エンジンは、クランクシャフトの前方と、シリンダーヘッドの2本のカムシャフトの間の2カ所にバランサーを備えるためか、横方向からは相応に大きく見える……が、全幅は凄くスリムで単気筒並み。エンジン名の末尾につく小文字のcはコンパクトの意味だというが、確かに納得。シート高は825mmと相応に高いけれど、このスリムなエンジンのおかげで足着き性は良好だ。

グランカナリア島のワインディングは日本の峠道にも似て、マスパロマス・サーキットの路面は荒れ気味だが、790DUKEなら不安なくスポーティに遊べる。

そんな第一印象を抱きながら、いざスタートすると……このエンジン、すごく気持ち良く9800回転くらいまでストレスなく回る! 75度位相の並列2気筒は、同社の75度Vツインと同じ435度―285度の不等間隔爆発で、バランサーの効果か快適なビートを刻む。およそ800ccのツインとは思えない加速の良さは、高回転域でもミドルクラスにありがちな“かつかつな”感じではなく、『まだまだイケるぞ!』という余裕さえ感じる。

ミドルクラスだが電子制御は充実しており、使いやすさも秀逸。モードはトラック、スポーツ、ストリート、レインの4種で、レイン以外はどのモードも最高出力を発揮。変わるのはスロットルレスポンスだ。スポーツはスロットル開度とスロットルボディの開度が1対1。トラックはスロットル開度よりもボディが多く開き、ストリートやレインはスロットル開度よりもボディが開かない設定だが、自分的にはサーキットからワインディングを通して、ストリートがフィットした。ちなみに、穏やかなレインのモードでも違和感がないところは、プログラムの優秀性を強く感じる部分だ。また、オートシフターも使いやすく、アップは気持ちよく決まるし、ダウン時はエンジンブレーキの補正が絶妙だ。

歳を取ったベテランにもオススメできる一台

そして前述したように、ホイールベースとスイングアームの長さは、じつにハンドリングに良い効果を生んでいる。いわゆるピーキーな感じは皆無で、常にフロント荷重が適度にかかっている安心感がある。しかもこのフィーリングは速度レンジを問わない。いわゆるスーパーモタード的なバイクだと、高速域での直進安定性はあまり期待できないモデルも少なくないが、790DUKEなら安心できるし疲れない。“軽くて細いのにフラれない”というのは、かなりポイントが高い。

WP製の前後サスペンションはアジャスト機構を装備しないが、長いストロークをフルに使え、オフ車的にフロントがポンッと浮く感じも含めて、ピッチングを利用して楽しく走れる。それでも常に安定感を確保しているので怖くない。ちなみにスポーツバイクの海外試乗では、アグレッシブに走る外誌ジャーナリストも多く、たいてい何台か転倒するが、今回はサーキットでもワインディングでも転倒者は皆無。ここからもハンドリングの安定性を想像できる。

タイヤは同社のオフロードからのつながりでマキシスを履くが、共同開発を行っただけに、車体やサスとのマッチングが良い。個人的にはサーキット走行の際に“サスをアジャストして少し減衰力を効かせたいな”というシーンがなくはなかったが、タイヤとの相性が良くワインディングではまったく問題ナシ。

……と、自分としてはこのバイク、かなり気に入ってしまった。これに乗ったら、もうスーパースポーツに乗らなくなるかも……とあらぬ心配をするほどだ。裏を返せば、スーパースポーツに少し疲れた人や、歳を取ったベテランにもオススメできる。そして、外国車はちょっと……と避けてきた人にも、ぜひチャレンジしてもらいたい。790DUKEは、そんな懐の深さを持っている。

あまりの楽しさに思わずバーンナウト(笑)

KTM 790DUKE(KTM 790デューク) ディテール

75°位相クランクの並列2気筒は、同社のVツインと同じ435°- 285°の不等間隔爆発。クランク前とヘッド内の2カ所にバランサーを備える。

メーターは昼間/夜間で反転するフルカラーTFT液晶。バー表示のタコメーターと大き目な速度表示をはじめ、走行モードや各デバイスの設定を表示。KTM MY RIDE(オプション)により、スマートフォンと連携。

φ300mmのダブルディスクはハードに使ってもフェードせず秀逸。前後サスはWP製のノンアジャスタブル。

特徴的なLEDヘッドライトのマスクは、車体も含めゲラルト・キスカによるデザイン。

ハンドルの左スイッチにはメーター表示やデバイスを切り替える大きなボタンが備わる。

シートレールはアルミダイキャストで、前半部がエアボックス。マフラーはエンジン下に大きなチャンバーを備える。

Specifications:KTM 790DUKE(KTM 790デューク)

エンジン 水冷4ストローク並列2気筒
バルブ形式 DOHC4バルブ
総排気量 799㏄
ボア×ストローク 88×65.7mm
圧縮比 12.7対1
最高出力 105hp/9000rpm
最大トルク 8.87kg-m/8000rpm
10kg-m/6500rpm
フレーム バックボーン
キャスター/トレール 24度/98mm
サスペンション F=倒立式テレスコピック
R=モノショック+スイングアーム
ブレーキ F=φ300mmダブルディスク
R=φ240mmシングルディスク
タイヤサイズ F=120/70-17
R=180/55-17
軸間距離 1475mm±15mm
シート高 825mm
乾燥重量 169kg
燃料タンク容量 14L
価格 112万9000円

※本スペックは『ライダースクラブ 2018年5月号』掲載時のものです。

取材協力

KTMジャパン(TEL:03-3527-8885)
https://www.ktm.com/jp/

出典

SHARE

PROFILE

宮城光

スーパーバイザー

宮城光

ライダースクラブのスーパーバイザー。名門モリワキで頭角を現し、後にホンダファクトリーライダーとして80年代バイクブームを牽引。現在はMotoGPのTV解説などを担当。ツーリングにカスタムにと、今もバイクを楽しむ

宮城光の記事一覧

ライダースクラブのスーパーバイザー。名門モリワキで頭角を現し、後にホンダファクトリーライダーとして80年代バイクブームを牽引。現在はMotoGPのTV解説などを担当。ツーリングにカスタムにと、今もバイクを楽しむ

宮城光の記事一覧

No more pages to load