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「Honda CB650R/CBR650R(ホンダ・CB650R/CBR650R)」~新時代のミドルクラスは排気量のヒエラルキーを覆す~【R/C インプレッション archives】

バイクの魅力のひとつにパワーや軽さなどのパフォーマンスがあるのは確かだが、近年は排気量をはじめとするスペックによるヒエラルキーが随分となくなってきた。好みの感性に直撃する味わいやスタイリング、さらにはディテールが生み出す所有欲の刺激などバイクのカテゴリーはどんどん細分化され、ミドルクラスにも大人が乗って所有して満足できるモデルが増えてきたのが大きい。

ライダーの年齢は世界的に向上し、今後各メーカーがもっとも力を入れてくるのがこのカテゴリーに違いないだろう。年配ライダーが大型車からミドルクラスに乗り換えにくい理由としてエンジンのトルクの細さやクオリティの違いがあるが、そんなイメージを覆す大人向けの資質を感じさせるホンダのCB650R/CBR650Rを根本健がリポート。
(※本記事は『ライダースクラブ 2019年7月号』掲載記事を再編集したものです)

スペックを気にせずに愉しめ難しさを一切感じさせない

中間排気量の600ccクラスには、レースのベース車両としての資質を優先して、超高回転域でのピークパワーを目玉にしていた時代があり、ビッグバイクの重量やパワーに辟易としたり、年齢から軽量で乗りやすいクラスを探すユーザーの選択肢になりにくい面があった。

それがいまではレースカテゴリーの中心が変わりつつある影響と、中速域が力強い2気筒エンジンなど、実質的に楽しめるクラスとして世界中で人気を獲得している。

ホンダは従来からこのクラスに650ccの4気筒モデルがあり、近年は超高回転域のピークパワーより中速域重視の特性へ進化させ、2気筒勢へ対抗してきた。それが、19年モデルでエンジンから車体まで大幅な見直しを行い、4気筒ファン獲得への意欲を感じさせている。

その台湾仕様へ試乗する機会を得た。台湾はユーロ4より規制が厳しく、これに合致させるとパワーダウンを余儀なくされるが、それはピーク域に限られるので、この機種をお薦めしたい方々へ向けたリポートとしてお届けすることにした。

このモデルにはネイキッドのCB650Rと、スーパースポーツ仕様のCBR650Rの2バージョンがある。共にエンジンの燃焼室形状から変更され、一般的な狙いであるピークパワーの向上より、低い回転域での力強さで劇的に進化している。

実際、1万2000rpmも回るエンジンなのに、4~6000rpmでの頼もしい力強さには驚かされた。特筆すべきは6速トップギヤでさえ、3000rpm以下でも加速できること。このためワインディングで、複合コーナーを立ち上がる加速で、モトGPさながらに矢継ぎ早のシフトアップによる旋回力重視のライディングが可能だ。分かりやすく言うと、コーナリング中に3速などで深くバンクをしていると、6000rpmを越えたとき、タイヤはまだグリップできていても曲がれる曲率が膨らんでしまうのを防ぐため、4→5→6と旋回中に上のギヤへシフトアップして良く曲がれる状態のまま、走行ラインを膨らませることなく駆け抜ける、そんな走りができるのだ。

これは排気量の大きな、低中速トルクに余裕のあるビッグバイクにしかできなかった走り方で、650ccの4気筒でも可能になったという事実は、まさに感動モノというほかはない。複合コーナーや先の見えないブラインドコーナーで、このエンジンによって実によく曲がれて、臨機応変にコーナーの曲率変化に適応する走りが楽しめる。

状況にかかわらずスポーティに走れるエンジン特性を、誰にでも楽しませてくれる立役者は、倒立タイプにグレードアップされたフロントフォークだろう。φ41㎜の倒立フォークはセパレートファンクションフォーク(SFF)で、沈み込んだ状態から突き上げられても、そこからまだ吸収できる能力があり、より複雑な作動でダンパーが無駄に硬くなってしまうのも防ぐ、頂点クラスのスーパースポーツと変わらない贅沢な機能を備えている。これは乗ってみれば誰にでも分かる違いで、たとえばブレーキングで前のめりになったとき、路面に段差があったりラフな表面だとしても、路面追従性が保たれ制動力も変わらず維持されるからだ。ビッグバイクを経験すると、排気量の小さな軽量バイクの足周りだと、路面が荒れているとタイヤが跳ねたりして安定性が損なわれるという、サスペンション性能の差を思い知る。その概念を覆したといえるほど安定性に優れているのだ。

正直いうと頂点クラスでは妥協のないハンドリングを追求しているメーカーでも、中間排気量となると同じメーカーの製品なのかと疑いたくなるほどレベルの高くないハンドリングを感じさせる場合が多い。ホンダがこのクラスでも妥協せず、明確な進化を果たしているのは確かだ。

最新の機能として触れておくべきトラクションコントロールやスリッパークラッチも、アンチロックブレーキのABSと同じように、よほどの状況でもないかぎり介入して作動することはなく、おそらくほとんどのライダーは雨の日に無茶をするとき以外、その作動を体感することはないと思える控えめな動作だ。

アライメントの適正化がまた進化して、低い速度から高速までセルフステア追従に優れた乗りやすさ!

この調教ぶりにも、ユーザーに心からモーターサイクルのある暮らしを堪能して欲しいという、開発スタッフの心意気が伝わってくる。ライダーにとってのメリットが何なのかを優先した開発姿勢はぜひお伝えしておきたい。ビッグバイクから排気量ダウンしても、余力のある走りを維持しつつ、むしろハンドリングの良さで以前より乗る機会が増えてしまう……そんな可能性を含んだ機種として試乗をお薦めしたい。

燃焼室形状をバルブ・リセスへと変更

バルブ・リセス(valverecess)という、ピストンの頂点が一番上になったときのバルブの逃げを大きくした燃焼室形状へ変更。ピークパワーの向上より、むしろ低い回転域での力強さを狙っていることに注目したい。

Honda CB650R(ホンダ・CB650R)ディテール

丸形LEDヘッドライトがCB1000R系列であるのをアピール。Fフォークは機能アップで秀逸。

CB650Rはネオスポーツカフェ・コンセプトでデザインされているが、機能的にはこのクラスで必要な勘ドコロを優先した実直な作り。ポジションの前傾度もちょうど良い。メーターはスマホ世代を意識したらしいが、アナログ感性にこだわる世代への配慮からか中途半端な気も…….。

フレームも前モデルを踏襲せず完全に新設計。コンパクト化で乗りやすさが向上し、剛性バランスも抜群に良い。

リヤサスはシンプルかつ応力的に動きの良い配置。トラクション特性の良いアライメントで醍醐味を味わえる。

Specifications:Honda CB650R(ホンダ・CB650R)※日本仕様

エンジン 水冷4ストローク並列4気筒
バルブ形式 DOHC4バルブ
総排気量 648cc
ボア×ストローク 67×46mm
最高出力 95ps/12000rpm
最大トルク 65kg-m/8500rpm
変速機 6速
クラッチ 湿式多板
フレーム アルミツインスパー
車両重量 202kg
キャスター/トレール 25°30’/101mm
サスペンション F=倒立式テレスコピック
R=モノショック
ブレーキ F=φ310mmダブルディスク 4ポットラジアルマウントキャリパー
R=φ240mmシングルディスク 1ポットキャリパー
タイヤ F=120/70ZR17
R=180/55ZR17
全長/全幅/全高 2130/780/1075mm
軸間距離 1450mm
シート高 810mm
燃料タンク 15L
価格 96万1200円

※本スペックは『ライダースクラブ 2019年7月号』掲載時のものです。

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2019年10月15日

Honda CBR650R(ホンダ・CBR650R)ディテール

ポジションもCBR650Fよりやや大柄な位置関係で、ミドルクラスの窮屈さを感じさせなくなった。メーター表示もシフトアップポイントを設定できるなどスーパースポーツらしさが漂う。

Specifications:Honda CBR650R(ホンダ・CBR650R)※日本仕様

エンジン 水冷4ストローク並列4気筒
バルブ形式 DOHC4バルブ
総排気量 648cc
ボア×ストローク 67×46mm
最高出力 95ps/12000rpm
最大トルク 65kg-m/8500rpm
変速機 6速
クラッチ 湿式多板
フレーム アルミツインスパー
車両重量 202kg
キャスター/トレール 25°30’/101mm
サスペンション F=倒立式テレスコピック
R=モノショック
ブレーキ F=φ310mmダブルディスク 4ポットラジアルマウントキャリパー
R=φ240mmシングルディスク 1ポットキャリパー
タイヤサイズ F=120/70ZR17
R=180/55ZR17
全長/全幅/全高 2130/750/1150mm
軸間距離 1450mm
シート高 810mm
燃料タンク 15L
価格 103万6800~106万9200円

※本スペックは『ライダースクラブ 2019年7月号』掲載時のものです。

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2019年10月17日

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PROFILE

ネモケン

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根本健。75 ~78年まで世界GPに参戦。帰国後はライダースクラブ編集長として、ワークスマシンから市販車まで幅広く試乗。70歳を超えた今も最新マシンに乗り、読者にライテクを指南している

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