BRAND

  • Lightning
  • 2nd(セカンド)
  • CLUTCH Magazine
  • EVEN
  • BiCYCLE CLUB
  • RUNNING style
  • NALU
  • BLADES(ブレード)
  • RIDERS CLUB
  • CLUB HARLEY
  • DUCATI Magazine
  • flick!
  • じゆけんTV
  • 湘南スタイルmagazine
  • ハワイスタイル
  • buono
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • Kyoto in Tokyo

「MOTO GUZZI V7 III STONE(モト・グッツィ・V7 IIIストーン)」~穏やかさの中にあるスポーツ性の高さ~【R/C インプレッション archives】

世界的なブームとなっているネオクラシックのカテゴリー。そのメーカーの原点を感じさせてくれるヘリテイジや新しいテイストと可能性を感じさせるモダンクラシックなど、大人が排気量やスタイルを問わずに自由になれる世界がそこにある。

海外のメーカーは同じエンジン形式を連綿と使い続けるところが多く、モト・グッツィはその代表格ともいえ、各部をリファインさせながら長きにわたって縦置き90度Vツインを採用し続けている。メーカーの大きな魅力につながるその個性を根本健が試乗リポート。
(※本記事は『ライダースクラブ 2018年9月号』掲載記事を再編集したものです)

70年代以前の流儀を知り、ネオクラシックの本質を楽しむ

モト・グッツィといえば、ボクは40年前に『ライダースクラブ』創刊号の表紙だったル・マンⅠが真っ先に思い浮かぶ。もちろん、デイトナ挑戦で15年以上も相棒だったV7のグッツィ使いとしての思い入れもあるが、実はこのル・マンでスーパースポーツの奥深さを思い知らされたからだ。

70年代後半、日本車は4気筒の高回転高出力による俊足ぶりで、大型スポーツバイクの可能性を一気に高めた。そんな当時に縦置きVツイン、しかもOHVエンジンという時代遅れな仕様なのに、当時では珍しいセパレート・ハンドルでレーサー並みの極端な前傾姿勢。イタリアンの熱い血が、ルックスだけでも頂点をイメージさせるデザインに……確かにカッコいいけど果たしてどうなのか、そんな気持ちで試乗をはじめたボクは、高速域の絶対的ともいえる安定感の大きさに、頭をハンマーで殴られたに近い衝撃を覚えた。

当時は3ケタ速度域だと、日本製スーパースポーツもちょっとしたきっかけでグラついたり、ウォブルと呼ばれた左右へダンスを踊る動きが珍しくなかった。しかも頑固な感じでどこへ向かっていくか、バイクまかせでいるしかない場面もしばしば。そんな時代にル・マンⅠはピターッとレールに上をなぞるような安定感で、しかもスロットル操作とライダーの体幹さえコントロールできれば、思う方向へ容易に進路を向けることができるのだ。

エンジンも、4気筒のようなスロットルをわずかに捻っただけで高回転域へまっしぐらという俊敏なレスポンスはないが、いつもある程度のタイムラグはあるものの、低い回転域から中速域まで、トラクションで旋回を安定させる力量となると、4気筒をはるかに上回る頼もしさに溢れていた。しかもタイムラグが常に一定なので、これを前もって意識した早めのスロットルオープンを心がければ、レスポンスの鈍さなど微塵も感じなくなる。むしろ得られる強大なトラクションを伴った旋回力が引き出せるスポーツ性の高さに、れっきとしたスーパースポーツと認めるのに何の躊躇もなかった。

そういう意味では、50~60年代の英国製スーパースポーツにも似たようなことが言えるのを、その後の取材や試乗で実際に触れながら認識していった。日本車の4気筒群に比べれば、どれもレスポンスが鈍かったり穏やかに感じるが、この特性を前提にして早く開けて待つ感じを優先して操ればストイックな領域でパフォーマンスする余地が存分に楽しめるからだ。それはバーチカルツインだけではなく、ノートン・マンクスのような単気筒マシンでもまったく同じことが言えた。

この70年代以前の流儀を知らないと、ネオクラシックは刺激の少ない、大人の雰囲気を漂わせた穏やかなバイク……とだけしかイメージできないのかもしれない。

V7に乗ってあらためて確認したのは、ビギナーを一切驚かさない温和な穏やかさも、この時代はかえって得難い魅力ではあるものの、実はストイックに乗り込んでいったときの、グッツィならではの高速安定性や旋回時の頼もしいトラクションなど、醍醐味といえるスポーツ性の高さだ。ワイドな超扁平ラジアルでもないし、刻一刻と状況対応してくれるアクティブサスとも無縁ないわば原点バイクだからこそ、つきあっていくうちに、どこに許容すべきか、どこで自己発揮できるのか、その判断を経験的に積み上げていけるから、ライダーとしての成長も掴めていくことになるはずだ。

これは国産のヤマハSRやカワサキW800などでも同様なことがいえる。ネオクラシックのカテゴリーで共通しているのは、単に穏やかとかではなく、秘められているスポーツ性をどう理解しているかで、評価はまったく違ってしまうだろう。

もちろん縦置きVツイン特有の、右コーナーへの進入で曲がりにくかったり、シャフト駆動によるシフトショックを減衰する難しさなど、レーサーとしてデイトナ挑戦した経験からネガティブを挙げることも可能だが、そんなことはレースでさえ不利とは思えず、ひたすら走り込んで乗り越えようとさせる魅力がグッツィにはある。スーパースポーツとしてのポテンシャル、ぜひ引き出してみてはいかがだろう。

MOTO GUZZI V7 III STONE(モト・グッツィ・V7 IIIストーン) ディテール

V7 III STONEは、マットブラックの車体とサテン仕上げされたカラータンクが組み合わされているのが外観的な特徴。撮影車にはウインドスクリーンやエンジンバンパーなど、純正オプションパーツが装着されていた。なお、V7 IIIシリーズには、2段階のトラクションコントロールシステムが備わる。

V7 IIIのエンジンは、V50などの中型車に搭載されたスモールブロックエンジンの系統であり、スイングアームのピボットがミッションケース側にあるのが特徴。744ccエンジンは52psを発揮する。

バイクエンジンの基本やトリビア、歴史を彩った名作などを詳しく解説

バイクエンジンの基本やトリビア、歴史を彩った名作などを詳しく解説

2019年10月15日

縦置きVツイン&シャフトドライブの組み合わせはモト・グッツィの伝統。

メーターはアナログタイプのスピードのみ。

ブレーキはφ280mmシングルで、もちろんABSを装備。

Specifications:MOTO GUZZI V7 III STONE(モト・グッツィ・V7 IIIストーン)

エンジン 空冷4ストロークV型2気筒
バルブ形式 OHV2バルブ
総排気量 744cc
ボア×ストローク 80×74mm
圧縮比 9.6対1
最高出力 52ps/6200rpm
最大トルク 6.12kg-m/4900rpm
フレーム ダブルクレードル
サスペンション F=φ40mmテレスコピック正立フォーク
R=スイングアーム+ツインショック
ブレーキ F=φ320mmシングルディスク
R=φ260mmシングルディスク
タイヤサイズ F=100/90-18
R=130/80-17
全長/全幅/全高 2185/800/1110mm
軸間距離 1463mm
シート高 770mm
車両重量 209㎏
燃料タンク容量 21L
価格 109万8000円

※本スペックは『ライダースクラブ 2018年9月号』掲載時のものです。

フロントフォークの倒立と正立の違いって? 【ネモケンの今さら聞けないバイクのギモン】

フロントフォークの倒立と正立の違いって? 【ネモケンの今さら聞けないバイクのギモン】

2019年10月15日

取材協力

ピアッジオ グループ ジャパン(TEL:03-3453-3903)
http://www.piaggio.co.jp/

SHARE

PROFILE

ネモケン

ネモケン

根本健。75 ~78年まで世界GPに参戦。帰国後はライダースクラブ編集長として、ワークスマシンから市販車まで幅広く試乗。70歳を超えた今も最新マシンに乗り、読者にライテクを指南している

ネモケンの記事一覧

根本健。75 ~78年まで世界GPに参戦。帰国後はライダースクラブ編集長として、ワークスマシンから市販車まで幅広く試乗。70歳を超えた今も最新マシンに乗り、読者にライテクを指南している

ネモケンの記事一覧

No more pages to load