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Adventure 時代を切り開いた唯一無二の存在タイガー『いまトライアンフ熱い』

「いまとトライアンフが熱い」というテーマで、独特な鼓動のトリプル、伝統のツインと紹介してきた最終回は、これまでと異なりワンテーマを取り上げる。ズバリ「タイガー」だ。トライアンフの中でも、ボンネビル、デイトナと並ぶ歴史と伝統を受け継ぐモデルだが、その存在は孤高と言える。ネイキッドのボンネビル、SSモデルのデイトナという明確なジャンルの中で、タイガーはやや違う。タイガーは「タイガー」という唯一のジャンルだったのだ。近年のアドベンチャージャンルの確立により、その存在がクローズアップされたが、タイガーはADVの源流としてBMWのGSシリーズと双璧をなすモデルだった。トライアンフの熱さに迫る最終回は、そんな孤高の存在のタイガー、その魅力に注目していく。

トラクション体感マシン Tiger 900 Rally Pro & GT Pro

10年に渡り、トライアンフのミドルアドベンチャーの座を担ってきた タイガー800がフルモデルチェンジを受け、タイガー900へと進化 。エンジンもフレームもすべて刷新され、大幅に走破性が上がっているその実力を本誌テスターの伊丹がモロッコで体感してきた

エンジンがもたらす抜群の走破性と安定性

現在、トライアンフのアドベンチ ャーモデルはタイガー800とタイガー1200の2本柱で展開され、それぞれに数機種のグレード違いが用意されている。

今回、登場したタイガー900は800の後継モデルであり車名の数値が示す通り、排気量を拡大。水冷3気筒エンジンは800㏄から888㏄となり、日本にはこの4月から導入が開始される。

それに先立ち、モロッコにてワー ルドローンチが開催された。試乗は足掛け3日間に及ぶかなり大規模なもので、そのパフォーマンスを広大な大地でじっくりと堪能。先に印象 を書いておくとなによりそのエンジンが素晴らしく、優れた走破性と安定性の要になっていた。

グレードにはオフロード性能を高めたラリーとオンロード寄りのGTがあり、プロの名がつくと装備が充実する。ここからは最上級仕様に当たる「ラリープロ」の印象を中心にお届けしよう。

駆動力の秘密はTプレーンクランクシャフト 

新しいクランクは「Tプレーン」と呼ばれる。クランクピンが90度ずつ位相され、横から見ると「T」に見えることが由来だ。点火シークエンスはまず1番シリンダーが爆発した後、クランクが180度回転して3番が、その後ひと呼吸置くように270度回転したタイミングで2番が爆発する不等間隔爆発エンジンとなる。当然、爆発トルクの変動がバイブレーションをもたらすことになるが、シャフト各部に配されたバランスウェイトで緩和。そのためクランク自体は従来のものより重たくなっている。タイガー800を含め、一般的な3気筒は120度ずつ位相され、クランクが240度回転する毎に点火する等間隔爆発だ。

足周りはフロントに 21インチホイール、リヤに17インチホイールが装着され、それぞれに240㎜、230㎜という、たっぷりとしたトラベル量が確保されている。プロにはグリップヒーター、シートヒーター、クイックシフター、タイヤ圧モニタリングシステム、エンジンガード、アンダーガード、フォグランプなどを標準装備。通常のグレードが、レイン/ロード/スポーツ/オフロードというライディングモードを備えるのに対し、ライダーセットアップ/オフロードプロという2パターンが追加設定される。

車体サイズは決してコンパクトではないがシート形状はスリムで、2段階に切り換えられるシート高(850㎜/870㎜)を低い方にセットすれば足着き性は思いのほかいい。タイガー800比で5㎏軽量になった車重も確実に体感できるもので、フワリとストロークするサスペンションの効果も手伝ってストップ&ゴーやUターンにストレスはない。

トライアンフ共通の美点として、ディスプレイの視認性やスイッチの操作性のよさがあるが、もちろんそれらはタイガー900にも引き継がれ、特にレクチャーを受けなくとも電子デバイスの設定などは簡単に行うことができた。

アプリによるコネクティビティが充実

「My Triumphコネクティビティシステム」を搭載。これはアプリによって電話の通話、音楽の再生、ナビゲーション、GoProなどを管理する機能だ。すべてのアクセスはハンドルに設けられたスイッチを介して操 作することができ、その状態はTFTディスプレイに表示される。専用のBluetoothモジュールが必要で、対応はRally ProとGT Proのみ

さて、肝心のエンジンに関して。最初のページにイラストを掲載した通り、最大のトピックは新たに設計されたクランクシャフトだ。不等間隔爆発になったそれは、等間隔爆発のエンジンに対して明らかに低く、くぐもった音でアイドリング。厚みのあるトルクを連想させ実際800㏄のユニットに対して、ピークトルクは10%も向上している。

それによってオンロードのライディングがよりイージーなものになっているのは確かながら、真骨頂はやはりオフロードにあった。ミドルクラスとはいえ、装備重量は226㎏に達し、普通に考えればダートは避けたいところだ。本誌の特性もあって、当初はGTプロをメインに扱うことも考えていたが、いざダートに踏み入れてみて考えが一変。驚異的なトラクションを発揮するエンジンに度々助けられ、ダートを丸一日走ったにもかかわらず、何事もなく、つまり転倒することなく走り切れてしまった。

オンロード感覚なら転倒しないなど当たり前のことだが、オフロードの場合はその限りではなく、ましてモロッコである。ゴロゴロとした岩石で覆われたガレ場に踏み入れることになったにもかかわらず、もしも車体が大きく揺さぶられたらスロットルを少し開ける。そうするだけで車体は安定性を取り戻し、グイグイ と進むことができたのだ。

走りの幅を広げる電子制御

通常のライディングモードの他、Rally ProにはABSとトラクションコントロールをOFFにできる「オフロードプロ」モードを用意。自由度の高い走行が可能になる

豊富なアクセサリー

ヘルメットが2個収納できるトップケースやラジエターガードなど、すでに65種類を超えるアクセサリーを用意。好みに応じて快適性や利便性を引き上げることができる

本誌のライテク記事で度々用いられるトラクションという言葉の意味。それを最も体感しやすいのが、おそらくこのTプレーンクランクシャフトエンジンだ。「ドドン…ドン…ドドン…ドン」という爆発の波が路面をとらえ、力強く蹴り出してくれる 時の安心感は他のアドベンチャーモ デルにないものだった。

そこに適切なトラクションコントロールや、前方&下方にオフセットされたエンジン搭載位置の効果が加わり、高い走破性を実現。ファッションではない、本気のサバイバル性能がそこにあった。

Tiger 900 Rally Pro & GT Pro DETAIL

ウインドスクリーンは50mmの幅で高さ調整が可能。電動ではないが片手で簡単に操作できる
ブレーキはブレンボのStylemaモノブロックキャリパーとφ320mmダブルディスクを組み合わせる。リムはワイヤースポークだがチューブレスタイプを採用している
メーターには7インチのTFTディスプレイを装備。表示スタイルと背景のカラーはそれぞれ4パターン用意されている
軽量化に大きく貢献しているのが新設計のスチールトレリスフレームとアルミサブフレームだ
リヤサスペンションのプリロード調整は油圧式で簡単に行える
ギヤのアップにもダウンにも対応するシフター

Rally Pro 186万円

GT Pro 182万円

Rally 166 万円~168万6500円

GT 158万円~160万6500円

電子制御式サスペンションを装備するGT Proのオンロード性能

今回の試乗ではフロントに19インチホイールとラジアルタイヤ(メッツラー・ツアランス)を組み合わせ、オンロード性能を高めたGT Proにも乗ることができた。足周りで最も違うのはマルゾッキの電子制御サスペンションを装備しているところで、減衰力がライディングモードに応じて自動的に変化(任意での調整も可)。プリロードは4段階に切り換えることができ、高いスタビリティを披露してくれた。

TRIUMPHのバイクをもっと詳しく知りたい方はこちら!

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PROFILE

伊丹孝裕

RIDERS CLUB / メインテスター

伊丹孝裕

ライダースクラブのメインテスター。アマチュアレースに熱中した後、バイク雑誌編集者に。鈴鹿8耐やマン島TTなど、国際的なレースに参戦し、近年はオフロードも本格的に。何にでも積極的に首を突っ込むスタイル

伊丹孝裕の記事一覧

ライダースクラブのメインテスター。アマチュアレースに熱中した後、バイク雑誌編集者に。鈴鹿8耐やマン島TTなど、国際的なレースに参戦し、近年はオフロードも本格的に。何にでも積極的に首を突っ込むスタイル

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