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新型CBR600RRインプレッション!  最新の電子装備を搭載した圧巻のスタビリティ!

エアロダイナミクスを追求したカウルと電子デバイスによって武装された新型CBR600RRの試乗会がスポーツランドSUGOで開催された。ミドルスーパースポーツのカテゴリーで最速の座を奪還するという明確なコンセプトに対し 一体どれほど完成度を高めたのか? 本誌テスター伊丹が体感したポテンシャルをお届けしよう

HONDA CBR600RR  The Performance of Middle Sports

新型CBR600RRの試乗会 がスポーツランドSUGOで開催された。サーキットに到着するとコース上は至るところウェットで、この道数十年のベテランテスターをして、「4コーナーからS字は押して歩いた方がいい」と半分本気で言わせるほどだった。

我々が走行する頃には、コンディ ションはほぼ回復したものの、慎重にならざるを得ない……はずだったのだが、この新型は驚くほどのドライバビリティと高い接地感を披露。ただひたすら走りに集中でき、「これならもう一度レースに出るのもアリかも」と思えたのである。

実質30分ほどの走行だったわけだが、ピットに戻ってくると制御システムの担当エンジニアが「伊丹さんのタイムは○秒でしたよ」と教えてくれた。そのタイム自体はどうってことのないものだが、コースに対する習熟であと○秒、ST600用のキットパーツを組めばあと○秒、タイヤを換えてあと○秒、足周りのセットアップであと○秒……と取りとめもなく考えていると「あれ、意外と通用するんじゃない?」と、ささやかな夢を見られたのである。

もっとも、リラックスして走った時のタイムと、そこそこ本気で攻略しにいった時のタイムがあまり変わらないのはよくあることだ。皮算用通りにいかないことは分かっているものの、そういう気持ちになれるバイクとそうでないバイクとの差は大きい。前者に当たるCBR600RRは、それだけで価値がある。

もしも今、「スポーツライディングを学ぶには、どんなバイクがおすすめですか?」と聞かれたなら、間違いなくこのモデルを有力候補の1台に挙げる。楽しさと刺激のバランスが実に絶妙だった。

開発ライダーは小山知良選手。世界GPで長く活躍した後、アジア選手権や全日本選手権では600ccクラスを中心に参戦。’19年には全日本ST600クラスでチャンピオンを獲得するなど、これ以上ない人材である
左からCBR250RR、400R、600RR、650R、1000RR-Rと現行CBRシリーズが一堂に会した試乗会となった
純正装着タイヤはダンロップのスポーツマックス・ロードスポーツ2。タイヤウォーマーが巻かれた状態で準備が整えられた

ウイングレットの効果をサポートするブレーキ制御システム

IMUの搭載により車体姿勢と加速度の検知。そのため、コーナリング中の減速やリアタイヤのリフトコントロールも可能になっている。 とりわけ、ストレートでのハードブレーキング性能と、その時の安定性が向上している

誰もが触れることのできる トータルコントロールの片鱗

楽しさの源はハンドリングの軽さだ。194㎏の車重は、13年モデル比で5㎏の軽量化に成功しているものの、体感的にはそれ以上である。ヘッドライトはLED化されただけでなく、車体中央に寄せられ、ABSユニットも小型化。また、燃料タンクカバーの形状が見直されたことも手伝ってマスの集中が感じられ、股下でヒラヒラと自在に振り回せる感覚が強い。
対照的なのが兄弟モデルの「CBR1000RR‐R」だ。こちらの車重はCBR600RRより7㎏重いものの、最高出力は97 psも上回っているため相殺して余りある。それゆえ、動きは俊敏かといえば、実はそうでもない。上手く走らせるには積極的に身体を動かすフィジカルの強さを要求し、それができないと反応は鈍重にすら感じられるはずだ。

なぜなら、超高速域でも安定性を損なわないようホイールベースはCBR600RRのそれより80㎜も長い。こうした要素が他にも重なり、最初からレーサー然としたディメンションが与えられていることが要因だ。つまり、想定しているスピードレンジとスキルが非常に高く、なんとなく流すような走りを許容しない。

その点、CBR600RRはどんな速度域でもヒラヒラとした軽やかな振る舞いを失わない。コースインまで待つ必要はなく、ピットレーンの段階でフレンドリーなキャラクタ ーを持っていることが確認できた。開発コンセプトには「ストレスフリー TOTAL CONTROL」というキーワードが掲げられている通り、それにふさわしい仕上がりを持っていたのである。

ただし、ホンダの本音はアジア選手権におけるタイトルの奪還だ。その凄みの一端が、大きく突き出されたフロントフォークに表れている。正確には突き出されたのではなく、延長されたと考えるのが正しい。というのも、アジア選手権のレースではダンロップのスリックが指定されており、プロファイルの関係でリアの車高がかなり上がるのだそうだ。そのままだと姿勢変化が大きいため、フロントを突き戻してバランスを取れるように、あらかじめフォーク上面がかさ上げされているのである。

CBR1000RR‐Rが最初からやる気満々の戦闘マシンだとすれば、CBR600RRはその爪を隠し、フレキシブルにキャラ変ができるツウな策略家である。

ダウンフォースによる安定性向上の他、ウイングの先端形状が翼端渦の発生を低減。これによって車体をロールさせる時の軽快感がもたらされている。装着前後の比較はできないが、その効果は高そうだ

オプションのシフターは ぜひ装着を?

オートブリップ機能を持つクイックシフターはオプションだが、その作動精度は素晴らしく、スポーツライディングの必需品と言っていい(2万6950円)

ライディングモード 一覧

ライディングモードは制御の介入が少ないモー ド1を筆頭に、その度合いが高まるモード3までをデフォルトで用意。また、好みによって個別の設定を2パターンまで記憶させておくことができる。いずれも走行中の切換が可能だ

さて、エンジンはと言えば、爽快のひと言に尽きる。パワーグラフによれば、高回転型の代償として中回転域に谷間があることが示唆されていたが、スロットルを開け、心地よく入るクイックシフターを駆使すれば、それをまったく気づかせることなく回転が上昇。1万5500rpm付近で作動するレブリミッターまで使い切ることができる。

それでいてモーターのように無機質ではなく、適度なバイブレーションによってパワーを引き出している実感があるところがいい。トラクションコントロールとのマッチングもよく練られ、制御が介入した時の違和感もない。

従来モデル比で最も進化が分かりやすいのが減速時のスタビリティの向上だ。ABSとリアリフト制御のバランスが素晴らしく、ハードブレーキングを易々と許容。思い通りに車速をコントロールできる安心感と安定感は、スーパースポーツにとって最大の武器である。

近年の600㏄4気筒は高回転化が進んでピーキーな一方、電子デバイスはなおざりで、「ミドル=扱いやすい」というイメージから逸脱していたのが現実だった。

そのチグハグさを解消してくれる存在が、この新型CBR600RRであり、自信を持っておすすめしたい。

HONDA CBR600RR 即レーシングマシンに成り得る ハイスペックな装備の数々

フロントブレーキはトキコの4ピストンラジアルマウントキャリパーとφ310mmのダブルディスクを組み合わせる(写真:右)リアサスペンションは本体上部に支持パーツを持たないユニットプロリンク方式(写真:左)
ヘッドライトは小型のLEDを採用し、可能な限りセンターに寄せることでマスの集中化が図られている。ライトの間に設けられているのはラムエア用のダクトで、高出力化に貢献
フロントフォークはショーワのBPF。突き出し量が多く見えるのはスリックタイヤ装着時の姿勢変化に対応するための調整幅である
ハンドル右側にはキルスイッチを兼 ねたスターターボタンのみが配される
モードの変更や切換はハンドル左側に集約
タンク上面は従来モデル比で10mm下げられ、空力が向上している
メーターはフルカラーのTFTディスプレイを装備。バックライトは周囲の明るさに応じて自動的に調光される
’07年モデルから続くセンターアップマフラーを踏襲
シート高は820mm。ライディングポジションはコンパクトだ

スイングアームは肉厚とチェーン引き部分の設計を変更。重量は150g軽量化

ウイングレットの装備に伴い、カウルのデザインも全面的に変更。保安部品装着状態でクラス最小のCD値0.555を達成している。またスクリーンの角度が35度から38度に起き、防風効果も見直された

グランプリレッド

Column レースベース車も用意

レース参戦を目的にしたベースマシンとキットパーツも用意。全国に30店舗あるサービスショップでコンプリートマシンとして発売される。それぞ れ’21年1月から販売が始まる予定だ
Specifications
●エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ●総排気量:599cc●ボア×ストローク:67.0×42.5mm●最高出力:121ps/14000rpm●最大トルク:6.5kgf・m/11500rpm●キャスター/トレール:24°06′/100mm●サスペンション:F=φ41mm 倒立式BPF、R=ユニットプロリンク●ブレーキ:F=φ310mmダブルディスク、R=φ220mmシングルディスク●タイヤサイズ:F=120/70ZR17M/C(58W)、R=180/55ZR17M/C(73W)●全長/全幅/全高:2030/685/1140mm●軸間距離:1375mm●シート高:820mm●フレーム形式:ダイヤモンド●重量:194kg●燃料タンク容量:18ℓ●価格:160万6000円

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PROFILE

伊丹孝裕

RIDERS CLUB / メインテスター

伊丹孝裕

ライダースクラブのメインテスター。アマチュアレースに熱中した後、バイク雑誌編集者に。鈴鹿8耐やマン島TTなど、国際的なレースに参戦し、近年はオフロードも本格的に。何にでも積極的に首を突っ込むスタイル

伊丹孝裕の記事一覧

ライダースクラブのメインテスター。アマチュアレースに熱中した後、バイク雑誌編集者に。鈴鹿8耐やマン島TTなど、国際的なレースに参戦し、近年はオフロードも本格的に。何にでも積極的に首を突っ込むスタイル

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