
開けられる楽しさを追求! SUZUKI GSX250R

RIDERS CLUB 編集部
- 2021年01月13日
開けられるから楽しい、楽しいからどんどん上手くなる、ライテクのすべては250ccにアリ? そんな理由で昨今250ccモデルに再び注目が集まっている。さらに、カワサキがこのクラスに4気筒エンジンを復活させたことで、250ccはさらに活況となっているのだ。今回注目するのは、SUZUKI GSX250R。独自のスタンスで根強い人気の最新モデル、その魅力に迫ってみた
Tester 鈴木大五郎 Daigoro Suzuki

スタビリティに優れる快適なスポーツツアラー SUZUKI GSX250R
高校卒業後、5年ぶりに再会した同窓会での一コマ。人目を引く美貌をもった一人の女性。
「えっ !? あなたジス子? ずいぶ ん変わったね?! ぱっと見で誰だかわからなかった?」
なんていう〝ドラマあるある?の1シーンを思わせるのがGSX250Rだ。このマシンのベースになっているGSR250のスタイリングはなかなかに個性的。一方でその性格はフレンドリーで、気負いなく何にでも使えそうな性能が個人的にはかなりのお気に入りだった。
そのキャラクターを引き継ぎつつ、フラッグシップのGSX-R1000Rや、新たにモトGPチャンピオンマシンとなったGSX-RRを彷彿させるスタイリングに変身したのがこのマシンである。トップエンドに近いシルエットをもつ一方で、シート高は790㎜とジクサーSF250よりも低く設定され、前傾度も緩いのだから、ビギナーにもおすすめできる取っ付きやすさは健在なの である。
GSRの使い勝手の良いキャラクターがベースであるから、レースにも参戦するライバル陣と比較すると、パワー面などでポテンシャル不足を感じることになるかもしれない。しかし、サーキット走行であったとしてもタイムを気にしないで楽しく走りたいとか、ライディングスキルをアップしたいと考えるならば、そのパワー差に不満を抱くことはなく、非常に秀逸なマシンであると感じる。フロント周りのしっかり感や安心感は、今回テストしたマシンの中で、唯一フロントタイヤに80扁平のタイヤを採用していることにも要因があるだろう。車重がやや重いというのも安定感の高さに結びついており、優しいフィーリングがライダーを前のめりにさせてくれる。決してパワーが低めということがマイナス要素 にはなっていないのだ。

シチュエーションを街中に移してみれば、低?中回転域寄りに設定されたエンジンのトルクフルさはなかなかで、シフトアップポイントを手前に設定しても、想像以上にキビキビ走らせる事ができる。高回転の頭 打ち感はやや強いものの、逆にその おかげで気持ち良くワイドオープンでき、エンジンを回し切る快感を味 わう機会も多くなるはずだ。
フラッグシップのスーパースポーツマシンのスタイリングを纏ったクォーターモデルは、やはりその上位機種の片鱗というか、緊張感をどこかに感じさせるポテンシャルを含んでいたりするものだ。しかしGSX250Rの走りは、トップエンド譲りのスタイリングを持ちながら、神経を尖らせるような警戒心は無用で、じつにマイルドなキャラクターでホッとさせる。潔く、そしてじつは多くのライダーにとって好ましいキャラクターではないのかと思う。個人的には自身のライディングスクールの教習車としても使いたいと思うほど、様々な要素で信頼性が高く、さらに価格は54万8900円と、コスト面でもかなりのアドバンテージを持っている。
さらに今ならJ・ミルのチャンピオンレプリカとしての存在感もあり、ある意味最もホットなマシンだとも言えるのだ。


シート高は790mm。シート前後の自由度は高く、他の250ccモデルに比べ、ポジションは最も大柄だ。そのぶん、ゆとりある走行を可能にしている
SUZUKI GSX250R DETAILS





- BRAND :
- RIDERS CLUB
- CREDIT :
-
PHOTO/K.OHTANI, S.MAYUMI
TEXT/T.ITAMI 問/スズキ TEL/0120-402-253 https://www1.suzuki.co.jp/motor/
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RIDERS CLUB 編集部
1978年の創刊時から、一貫してスポーツバイクの魅力を探求し続けるオピニオンマガジン。もはやアートの域に達している、バイクの美しさを伝えるハイクオリティの写真はいまも健在。
1978年の創刊時から、一貫してスポーツバイクの魅力を探求し続けるオピニオンマガジン。もはやアートの域に達している、バイクの美しさを伝えるハイクオリティの写真はいまも健在。