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アクスルシャフトで走りが変わる! P.E.O. Zero Point Shaft開発者にその実力を聞く

アクスルシャフトがこれほど走りを変えるとは……P.E.O. Zero Point Shaft

取り回しが軽くなった、“安定性が増してコーナーが怖くなくなった”等々ユーザーから驚きの声が上がっている、P.E.O.のゼロポイントシャフト
アクスルシャフトを交換するだけで、なぜそれほどの効果を体感できるのか?
開発者にその秘密を聞き、実走インプレッションを行った

高い精度が求められる機械部品が、切削加工で作られるのは珍しくない。ZERO POINT SHAFTも、NC旋盤やマシニングセンタを用いて切削加工で成型されるが、さらに研削工程を設けて精度を追求。研削加工は、一般的な切削加工に比べ約100倍の精度管理が可能。だが、ただ研削加工を施せば精度が上がるというものではなく、素材の状態や加工時の環境によって細かな調整が必要。そのノウハウは数値化できるものではなく、職人技の世界なのだ。水田さんが身につけている技術が、ZERO POINT SHAFTだけの極限の高精度を実現しているのだ
ZERO POINT SHAFT μ(写真上)
ZERO POINT SHAFTのプレミアムモデル。加工時に稀に生みだされる、極めて精度の高い部材を選び出し、最先端技術の“無電解複合メッキ”を用いて表面処理。スタンダードのZERO POINT SHAFT以上の高い耐久性と優れた自己潤滑性が特徴で、オイルレスの状態でもホイール回転時のフリクションロスを徹底的に排除している
ZERO POINT SHAFT(写真下)
様々なテストを繰り返し、アクスルシャフトの素材として最適と判断されたSCM435H鋼材を使用。千分の1ミリ単位で管理される、高精度な削り出し加工と研削加工で成型した後、三層の特殊メッキで表面処理が施される。最適なクリアランス寸法と表面処理の効果で、摩擦係数はノーマルパーツの約半分という低フリクションを誇る

取り回しだけでもわかるフリクションロスの小ささ

「この程度の精度でいいの? そう思ってしまったんですよね」

と話し始めたのは、装着すれば誰でも性能アップを体感できると話題のアクスルシャフト、ゼロポイントシャフトのメーカー、PEOで代表を務める水田信行さん。先ほどのセリフは、ノーマルのアクスルシャフトを見てのコメントだ。

「自分は金属加工の世界で仕事をしてきました。これまで造ってきたものと比べると、バイクの部品はかなりアバウトに作られていました」

水田さんは腕利きの職人、精密な金属加工を多く手がけてきた。求められる精度は、千分の1㎜単位が当たり前。一般的なバイク部品は、そこまでの精度で作られていない。

「もちろんバイクメーカーさんの純正パーツは、規定された交差から外れるものではありませんし、その状態で設計上の性能は確保されているはずです。ですが、もっと精度を上げれば、絶対に効率が良くなるハズだ。そう考えたのが、ゼロポイントシャフトの出発点なんです」

アクスルシャフトは、高速で回転するホイールを支持している軸だ。その軸が偏れていたらホイールにフレが出て、エネルギーのロスや不安定な挙動をみせる。ごくわずかであっても、その差をライダーは感じ取るものだ。また精度にこだわるには、もう一つ大きな理由がある。

「アクスルシャフトは、ベアリングを介してホイールを支持しています。ベアリングという部品の精度は、もの凄く高いんです。ですが、アクスルシャフトに見合った精度が持たされていなければ、ベアリングが本来持つ性能は発揮できないんです」 ベアリングには、設計段階で「予圧」が計算に入れられている。これは、ベアリングに軸が入った状態で、適切な圧力がかからないと設計通りの性能が出ない。つまり、アクスルシャフトとベアリングのクリアランスは、大きすぎても小さすぎてもダメなのだ。

ゼロポインとシャフトが目指すのは、ホイール回転時のフリクションロスを極限まで減らすこと。そのために徹底的に精度を追求している。また表面処理も、潤滑性の高い特殊メッキを使用。ちなみにμmレベルだがメッキにも厚みがあるので、製作時にはメッキの厚みも計算して加工。メッキ処理も、皮膜の厚さを厳密に管理して行われているという。

そこまでして得た究極の精度。果たして効果のほどは如何に?

「取り回しでも違いを感じられますし、乗ってもらえば判ります」

左がノーマル 右がZERO POINT SHAFT
これはアクスルシャフトの円筒度を計測したデータを3D化したもの。円筒度とは、幾何学的に正しい円筒形状であるか否かという定義。断面の真円度と、その同軸度の正確性が求められる。右がZERO POINT SHAFTで、左が一般的なノーマルパーツ。千分の1ミリ単位の世界では、精度にこれだけの差がある。激しく歪んでいるようにみえるノーマルパーツであっても、もちろん車両メーカーの認める交差の範囲内で作られており、一定の性能は担保されている。だが、高速回転し効果荷重を受け止めるパーツであるアクスルシャフトというパーツで、どちらが高い性能を発揮するかは感覚的にでも理解できるだろう

P.E.O.代表 水田信行さん

長年にわたり精密金属加工に携わり、その技術と経験を活かしてZERO POINT SHAFTを開発。バイク歴は10年ほどだが、のめり込みぶりは凄まじく、自らが監督を務めるチームを結成し鈴鹿8耐に参戦した経験を持つ

押し引きの段階で分かるしなやかな動き

ゼロポイントシャフトならではの高い加工精度は既述の通りだ。「乗ってもらえば分かります」と言われれば、そうしないわけにはいかず、テスト車両としてカワサキ・ニンジャZX-25Rを用意してもらった。

手順としてはまずノーマルに乗り、その後、フロントのアクスルシャフトだけを交換して違いを体感。最後にリアのアクスルシャフトとリアサスペンションの締結ボルトを交換したフルスペックを試す……という3段仕立てである。

ノーマルにはこれまで幾度か乗っており、今回の車両も特に変わったところはない。メンテナンスが行き届いた広報車であることが確認できた。そこで一度ピットに戻り、フロントのアクスルをゼロポイントシャフトに入れ換えて走り出す。ストレートやコーナーのターンインで明白なのは、路面から伝わるインフォメーションがクリアになったことだ。

タイヤの接地感とサスペンションのストローク感がよりダイレクトになり、感覚としては減衰力を少し強めた時の印象に近い。

例えば正立フォークの場合、剛性に不満があれば途中にブレースを設けて補強することが可能だが、倒立フォークはその構造上、同様の対策を施すのは難しい。アンダーブラケットを過ぎると、左右のフォークの位置決めはアクスルシャフトに頼らざるを得ず、その精度がハンドリングに影響するのは想像に難くない。

ペースを上げてフロントを追い込んでいくと、想定外のことが起こった。ブレーキング時にジャダー(振動)が発生し、ABSの作動頻度も上がったのだ。最初は何事かと思ったが、フロントの限界ポイントが上がった結果、コーナーの奥まで突っ込めるようになり、ブレーキへの負担が増大した、という結論に至り納得。例えば、ディスクの厚みを増すといったカスタムを施せば(レースでは定番チューニングのひとつだ)、ポテンシャルがさらに一段と高まるに違いない。ノーマルには良くも悪くも緩い部分があり、コストにかなり制約があるこのクラスのウィークポイントが露わになった恰好だ。

フロントだけでも接地感が大きく向上 フル装備した車両の運動性はもはや別物

最後に試したのが全部載せ仕様だが、極論を言えば乗る前から分かるほど違いは歴然としていた。特にゼロポイントのリンクボルトの効果は大きく、静止状態のまま車体後部を上下動させるだけで、明らかにリアサスペンションがスムーズにストローク。軽やかなハンドリングとしなやかな路面追従性を予想させ、実走してもそこに裏切りはなかった。タイヤのグリップが向上したかのような、絶大な安心感をもたらしてくれるのがPEOのパーツである。(伊丹孝裕)

ZERO POINT SHAFTは、こうして作られる SCM435H鋼って?

ZERO POINT SHAFTはSCM435Hと呼ばれる素材が使用されている。これは、いわゆる“クロモリ鋼”の一種で、焼き入れや焼きなましといった熱処理を施すことで「粘り、硬さ、引っ張り強度、耐摩耗性」などの特性をコントロールしやすいことが特徴。熱のかけ方や、冷まし方を変えることで、金属のキャラクターを変えることが出来るのだ。P.E.O.では、独自の熱処理ノウハウを用いて、アクスルシャフトに最適と考える特性を持たせている。写真は、熱処理が済んだ状態の素材

熱処理が済んだら、NC旋盤で大まかな形状が加工される。その後にボルトヘッド加工やネジ部分の加工が施され、ようやくアクスルシャフトらしい形になる。加工の最終段階が先に紹介している研削加工。研削加工は、なんと1万分の1ミリ単位での精度管理が可能だが、オペレーションには高い技術と経験が必要。一般的には専門業者が行う加工だが、P.E.O.では社内に研削加工が可能な設備を完備。ただし、ZERO POINT SHAFTで要求される精度での加工が可能なのは、P.E.O.のスタッフの中でも水田さん一人だけだという
最後に特殊メッキで表面処理を施して完成。ZERO POINT SHAFTの対応車種は、3,000車種を超える。車種によって異なるのだが、ボルトヘッドがヘックスローブ化されたものが多い。これは、アクスルシャフトの締め付け時に、一般的な六面のボルトに比べてヘックスローブの方が均一にトルクをかけられるために採用されたもの。より、高性能を求めるのならヘックスローブタイプが薦められる。ノーマルのボルトヘッドとは、一味違うルックスも魅力だ

サスペンションのポテンシャルを限界まで引き出すためのボルト

サスペンションのマウントボルトは高荷重を受け止めつつ、ショックユニットの回転部分をスムーズに回転させる必要がある。そこでフリクションロスが発生していれば、使用されているボルトの本数だけ抵抗が重なることになる。ZERO POINT LINKは、宇宙・航空産業で使用される非常に高強度だがコストが高く希少な素材SNCM447を使用し、荷重がかかった時の変形によるフリクション発生を排除。表面処理はZERO POINT SHAFT μと同じ無電解複合メッキを施し、オイルレス状態でも高自己潤滑性を持たせている。全日本ロードレース選手権など、トップカテゴリーのレースを舞台に開発を行い、確かな効果が認められたことでリリースに踏み切ったとのこと。サイズは小さいが、1本1本の製造工程はZERO POINT SHAFTと変わらない。なんとも贅沢なボルトなのだ。

注目のニューアイテム ZERO POINT LINK

ZERO POINT SHAFTフロントアクスル用

ZERO POINT SHAFTピポットシャフト用

ZERO POINT SHAFTリヤアクスル用

対応車種3000モデル超! 車体の“軸”を支えるZERO POINT SHAFT

ZERO POINT SHAFTは対応車種が実に豊富。フロントアクスル用、リアアクスル用、ピポット用の3タイプが存在しているが、車種によってラインナップは異なる。また新製品のZERO POINT LINKは、スーパースポーツモデルを中心に展開を予定している。

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PROFILE

伊丹孝裕

RIDERS CLUB / メインテスター

伊丹孝裕

ライダースクラブのメインテスター。アマチュアレースに熱中した後、バイク雑誌編集者に。鈴鹿8耐やマン島TTなど、国際的なレースに参戦し、近年はオフロードも本格的に。何にでも積極的に首を突っ込むスタイル

伊丹孝裕の記事一覧

ライダースクラブのメインテスター。アマチュアレースに熱中した後、バイク雑誌編集者に。鈴鹿8耐やマン島TTなど、国際的なレースに参戦し、近年はオフロードも本格的に。何にでも積極的に首を突っ込むスタイル

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