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インディ500優勝ドライバー佐藤琢磨さんと中野真矢さんが本音で語り合う!

元MotoGPライダー中野真矢さんがお届けしている人気シリーズ「Talking Grid」
今回のお相手は、佐藤琢磨さん
中野さんもいつも以上に興奮気味
四輪、二輪とカテゴリーは違えど世界の頂点を知る男たちの本音トーク

2回勝てたなら3回目も行ける、向上し続けている実感があるから

レーシングドライバー 佐藤琢磨さん Takuma Sato
10歳で初めてサーキットに行き、モータースポーツの魅力に取り憑かれるも、19歳までは自転車競技に没頭。以降、四輪レース界に飛び込むや頭角を現し、イギリスF3を経て’02~’09年、F1ドライバーとして活躍。予選で日本人初の2位に、決勝では日本人最高位タイの3位を獲得した。’10年から舞台をインディカーにスイッチし、日本人初のポールポジション獲得など活躍。通算6勝を挙げて いる。’17年には世界三大レースのインディ500で優勝し、’20年、2勝目の快挙を遂げた

中野  07年、僕はモトGPに参戦していて、琢磨さんはF1。その年のホンダレーシングサンクスデーで、もてぎのオーバルを一緒に走らせてもらったんですけど、覚えてます?

佐藤  覚えてます、覚えてます。

中野  あの時の裏話なんですけど、 F1は速いからハンディを付けようと、何となくのシナリオを決めてあったんです。デモランですからね。

僕はF1が大好きだから、「うわぁ、やべえ、琢磨さんと一緒に走れるのか……」とワクワクしてたんですけど、琢磨さんはガチ。いきなりすごいスピードでスタートして、めっちゃくちゃ飛ばすんですよ。「ちょ、待ってくださいよ!」と(笑)。「こっちはちゃんとタイヤあっためないと?」って(笑)。

佐藤  (爆笑)いや~、それは大変申し訳ありませんでした(笑)。

中野  次の周には僕が前に出させてもらって、2周先行するはずでした。でも琢磨さんガマンできなくなったらしく(笑)、シナリオ無視でバーンと抜いて行ったんですよ。

で、1コーナーで路面の砂とマシンのオイルが僕の所にブワーッと飛んで来て、「いてててて!」と。その時に、「次に生まれ変わったら絶対F1ドライバーになろう」と。

佐藤  (爆笑)いや~、それは申し 訳なかったですね。

中野  あの場では何も言えなかったんですよ。ホンダレーシングサンクスデーって名前ですけど、ほとんど 「琢磨デー」なんですよ。会場の皆さんも、僕ら二輪のライダーもみんな琢磨さんのファンばっかりで。

佐藤  いやいや。でも僕、あのデモランは超余裕でした(笑)。

中野  こっちは必死でしたよ。場を壊すわけにも行かないし。

佐藤  (爆笑)でも、ああやってF1とモトGPマシンを走らせるって、両方やっているホンダならではのイベントですよね。楽しかったなぁ~。

中野  そりゃあ琢磨さんはね(笑)。

あの年はモナコGPも観戦させてもらったんですけど、なんとピットまで入れていただいて。

琢磨さんのマシンから外されたタイヤがボ~ンと隣に置かれて「熱 ッ!」ってなったり(笑)、無線のヘッドセットを付けさせてもらったり。いやもう、ウソみたいな最高の体験をさせてもらいました。

佐藤  そんなに好きだったとは……。

中野  大好き! 二輪のレースやっていて「F1が好き」と言うと首を傾げる人もいたんですけど、僕はもうホントにF1が好きなんです。

佐藤  同じモータースポーツだし、 お互い興味ありますよね。バレンティーノ・ロッシもF1好きだし。

中野  鈴鹿サーキットの逆バンクは、バイクで走ってても「セナ足」をやっていましたよ。ピットアウトする時も気分はセナ(笑)。

佐藤  そこまで~?(笑)

Navigator:中野真矢 Shinya Nakano(左)
’77年生まれ。小学生の時からF1が大好き。フジテレビの放送で古館節に酔いしれた。5歳からポケバイに乗っていたためバイクがあまりに自然で、F1ドライバーを目指すことなくモトGPライダーになった

中野  すいません、興奮して自分の話ばかりになっちゃった(笑)。改めて、インディ500の2勝目、おめでとうございます!

琢磨さんは学年では僕の 1 つ先輩 ですけど、ほぼ同世代として今も現役で頑張られていて、しかも世界三大レースで勝つ。それも2勝目ですからね、本当にすごい!

僕、現役時代は皆さんに「パワーをもらいました」って言ってもらう側で、「そう……ですか?」なんて思っていたけど、今回は琢磨さんの姿を見て、すごく励みになりました。

佐藤  本当ですか? いや~、それはすごくうれしいなぁ……。  レースは華やかに見える世界ですが、本当に多くの方々の支えがあって、常に頑張ってくれているチーム全員の苦労も知っている分、勝てなくてフラストレーションが溜まることも多いです。でもその分、勝った時の喜びは爆発しますよね。

それをよく知っている真矢さんのような人に「励みになる」なんて言ってもらえるのは、本当にうれしい。

中野  現役を退いて、今の僕のモチベーションは若いライダーを育てる こと。琢磨さんも鈴鹿サーキットレーシングスクールの校長先生を務められていて、琢磨さんを目指すようなドライバーを育成している。

二輪四輪に関係なく、若い子たちには琢磨さんを目標にしてほしいと思っているんです。速さはもちろんだけど、ファンサービスもすごくていねいだし、どう見てもスマートだし。そこに闘志があって、魅力的ですよね。たくさんの方に応援してもらえるのがよく分かります。

佐藤  現役の僕が校長を務めることで、自分の苦悩や喜びをリアルタイムで若い子たちに感じてもらえるのは、すごく大事かなと思っています。

たくさんの魅力をダイレクトに伝えることで、まわりをぐいぐい惹きつけるような選手たちを育てていけ ればいいですよね。

平均350km/h以上の超高速でオーバルコースを駆け抜けるインディ500は、世界三大レースとされる。佐藤さんは’17に初優勝を果たした

ライバル、燃費……難敵が現れる中、見事なコントロールで インディ500で2勝目

超高速オーバルでのレースはシンプルに見えるが、レース中の駆け引きや燃費、タイヤの保たせ方など極めて高度な頭脳戦が繰り広げられるインディ500。佐藤さんは理想的な展開で’20年に2勝目

’07年、中野さんはコニカミノルタホンダからMotoGPに、佐藤さんはスーパーアグリF1チームからF1に参戦。互いのレースを視察するなど交流した

東日本大震災の復興地の応援を目的に、カートを通じ佐藤さんと全国のキッズが交流する「グリコ× with you Japan TAKUMAキッズカートチャレンジ」。昨年はオンラインで挑戦の大切さを伝えた

“モータースポーツは本当に面白い”(佐藤)

中野  日本でのモータースポーツはまだまだ盛り上がりますかね?

佐藤  もちろんですよ! 手前味噌になっちゃうけど、僕がインディ500で勝ち、角田裕毅選手がF1ドライバーになり、中上貴晶選手がモトGPでポールポジションを獲って 今季はきっと勝ってくれるでしょう。

今、モータースポーツ界にはすごくいい風が吹いていることを感じま す。ここを逃しちゃダメだなと。そういう意味でも、僕は今年もインディ500を勝つつもりでいます。これは公言している。連覇が最大の目標です。

年齢のことを考えないわけじゃないし、同世代でステアリングを置いているドライバーも多いけど、人は 人、自分は自分。僕自身はまだまだ向上しているという実感があります。

経験を積んで、いろんなことがコントロールできるようになって、本当の意味での自信が身に付いています。今はレースが面白くて仕方ないんです。まだまだやる気がいっぱいで、あふれちゃってる(笑)。

インディ500も、2回目が勝てたんだから3回目も不可能じゃないと思っています。あの勝利を味わっちゃったら、やめられないですよ。

中野  すごい……。圧倒的ですね。僕なんかライディングパーティで先導走行をさせていただくと、次の日 は筋肉痛で唸っていますから(笑)。

ひとつ上の先輩が現役でこんなにモチベーション高く頑張ってるんだ から、僕もしっかりしないといけな いですね(笑)。

佐藤  バイクはフィジカルを使いますしね。僕も興味はあるんです。ずっと自転車競技をやっていたから感覚は分かる。今はさすがに現役だから控えていますけど……というのは、たぶん飛ばしたくなるから(笑)。

中野  これがですねえ、僕も現役を退いてから知ったんですが、飛ばさなくてもバイクは楽しいんですよ。

レースをしていた頃は、風って自分に立ち向かってくる敵でした。でも今はみんなが「風を感じる」って言う気持ちが分かるんです。ああ、バイクでゆっくり走ってる時の風って、気持ちいいものなんだなって。

佐藤  真矢さんは、やっぱりバイク自体が好きなんでしょう?

中野  どんどん好きになるって感じです。ツーリングに行ったり、オフロードを走ったり、いろんな楽しみ方があることを知って。すべてが新鮮です。琢磨さんもクルマの運転が大好きですよね?

佐藤  大好き。僕はハンドルとタイヤが付いてればなんでも好き(笑)。 優れたデザインのクルマは工芸品みたいだし、メカニズムにも興味がある。ゆっくり走るのも好きですよ。好きなクルマを眺めて、洗ってあげて、カスタムして……という趣味 としての楽しさもあるしね。

でもやっぱり無機質な機械を、自分の力で征服する喜びっていうのが大きいかな。圧倒的なパワーがある乗り物を自分で制御できた時の気持ちよさには、たまらないものがある。

ゆっくり走っていても同じ。いかに一定の減速Gを保ってスムーズに、カックンとならずに止まるか……。僕の隣に乗ったら、いつ止まったか分からないと思いますよ(笑)。マニュアルなら簡単なんだけど、オートマだとクリープ現象があるから難しいんだよなぁ……。そこに挑戦するのがめちゃくちゃ楽しい(笑)。

中野  分かった、琢磨さんバイクもイケる(笑)。ライディングは、機械と自分がバチッとシンクロする瞬間があるんです。あの気持ちよさは、他では味わえません。

佐藤  非常に興味深い(笑)。早く乗ってみたいなぁ……。何から乗るのがいいですかね?

中野  そうですねぇ、?磨さんだったら……(延々と話は続く)。

モータースポーツを愛するふたりには、カテゴリーの垣根など存在しない。佐藤さんと中野さん、両者の立場は違えど、「日本のモータースポーツはこれからどんどん盛り上がりますよ」と若手育成に力を注ぐことを誓い合っていた

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PROFILE

RIDERS CLUB 編集部

RIDERS CLUB 編集部

1978年の創刊時から、一貫してスポーツバイクの魅力を探求し続けるオピニオンマガジン。もはやアートの域に達している、バイクの美しさを伝えるハイクオリティの写真はいまも健在。

RIDERS CLUB 編集部の記事一覧

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