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第2回 原田哲也さんが大いに語る バイクのこと、これからのこと 

エグゼクティブ・アドバイザー原田哲也さんが大いに語る
バイクのこと、これからのこと

本誌ならびに姉妹誌 BikeJIN、クラブハーレーのエグゼクティブ・アドバイザーに就任いただいた原田哲也さん。
世界チャンピオンを獲得した生粋のレーシングライダーでありながら、根っからのバイク好きだ。
エグゼクティブ・アドバイザーに就任した理由も、「より多くの方に、長く、楽しくバイクに乗ってもらいたいから」だと語る。

聞き手── 実業之日本社社主 白井一成                                                      

原田哲也さん                                                                       ’92年に全日本ロードレース250ccクラスでチャンピオンを獲得し、翌’93年には参戦初年度の世界グランプリ250ccクラスでチャンピオンとなった。以降もGPのトップライダーとして活躍。’02年に現役を引退し、現在はさまざまな形でバイクの楽しさを伝え続けている

第2回 ヨーロッパのバイク事情から学べること

白井 原田さんは長くモナコにお住まいでいらっしゃいますね。

原田 グランプリライダーとして現役時代を過ごしていた頃からなので、かれこれ25年以上になります。

僕は千葉出身、奥さんの美由希さんは埼玉出身とバリバリのネイティブ日本人ですが(笑)、ふたりの娘たちはモナコ生まれ・モナコ育ちなので、感覚としてはすっかり「ヨーロッパ人」です。

モナコの公用語はフランス語なので、美由希さんと娘たちはフランス語でケンカしてますよ。僕はフランス語があまり分からないので、スルーできるというメリットが(笑)。

白井 そうはおっしゃっても、原田さんはイタリア語が堪能でいらっしゃいますよね。

原田 イタリアンメーカーのアプリリアのファクトリーライダーでしたから、一応会話ぐらいはできますけどね。でもイタリア語にしても、奥さんや娘たちにはとうてい敵わないんですよ(笑)。

白井 グローバルなご家族で、うらやましい限りです。原田さんはしばしば日本にもいらしてますね。

原田 ありがたいことにバイク関連のお仕事をいただいているので、1年のうちに何度かは日本に来ています。ただ、去年、今年とコロナ禍の影響で日本でのお仕事はずいぶん減ってしまいました。それに日本に入国するにあたっては2週間の隔離期間があって、その間は何もできないので、なかなか大変なんですよ。

でもお仕事が減ってフリーな時間ができた分、プライベートでたくさんバイクに乗れたのはよかったです。白井さんともオンロードツーリングや林道ツーリング、モトクロスにも行けましたね。

白井 その節は、本当にありがとうございました。私にとって原田さんは雲の上の存在。そんな方と一緒にバイクに乗れるなんて、夢のようでした。

ヨーロッパと日本の両方でバイクに触れていらっしゃる原田さんに伺いたいのですが、日本ではバイクユーザーの中心層が50代以上と、高齢化が目立っています。そのあたり、ヨーロッパはいかがでしょうか?

原田 基本的には同じだと思います。日本ほど極端ではありませんが、若い子たちはあまりバイクに乗らなくなっているようですね。

正確な理由は僕には分かりませんが、ひとつ言えるのは、いろんな楽しみが増えたことが大きく影響しているような気がします。スマホなんか最たるものですよね。

指先でススッとやるだけで、音楽を聴いたり映画を観たり買い物をしたりと、いろんなことができる。人とつながることもできます。

僕たちの頃にはスマホなんかありませんでしたからね。他に楽しみも少なくて、もうバイクだけ、という状態でしたから。

もうひとつ、今、バイクという趣味はかなりお金がかかる趣味になってしまっている、ということもあると思いますね。僕らが若かった頃、バイクはそれほどコストをかけずに楽しめたと思うんですよね。バイク自体も安かったですし……。

でも今、250㏄のバイクを買って、さらにサーキットを走ろうなんて思ったら、車両本体に装具なども含めると100万円以上は必要になってしまう。これでは若い人はなかなか入ってこられません。

コスト面がかなり大きく影響していると思います。バイクを趣味や遊びとして楽しむには、維持費なども含めていろいろ高くなりすぎたのではないか、と。

白井 私自身も、若い頃に趣味でミニバイクレースをしていたんですが、友人に2万円で売ってもらったYSR50をカートコースに持ち込んで、1日3000円で走り放題、という時代でしたね(笑)。

原田 白井さんともよくお話させてもらってますが、例えば「ハンターカブで林道ツーリング」とか「ハンターカブでキャンプ」なんていう楽しみ方も、全然アリだと僕は思うんです。お金をかけなくてもバイクは楽しめますからね。

白井 私たちメディアの提案の仕方にも課題がありそうです。

再びヨーロッパ事情を伺いたいのですが、当地の二輪業界のトレンドはどのような状況ですか?

原田 以前は、峠を攻めて走るライダーが多かったように思いますが、今はビッグバイク、特にアドベンチャー系のバイクでロングツーリングに出かける、というスタイルが主流になっています。

先ほどの話と重なりますが、ヨーロッパの二輪ユーザーも高齢化しているので、日本とほぼ同じような状況だと思います。

白井 BMW・R1250GSを中心としたアドベンチャー人気は、世界共通と聞きます。中でもヨーロッパのライダーは、オンロード/オフロードの両方を走るというイメージがありますが、実際のところはいかがですか?

原田 確かにオン/オフの両方を走りますね。これは道路事情の影響が大きいんじゃないかと思います。

僕も以前、GSに乗って1週間ほどかけてオーストリア、イタリア、スイスをツーリングしたことがあるんですが、普通にオンロードを走っていたかと思えばところどころオフロードが出てくる、なんていうシチュエーションがザラなんですよ。

オフロードと言っても、一般道の一部が砂利道になっている、という程度なんですけどね。そういう道路事情だからこそ、オン/オフの両方を走れるアドベンチャーモデルが人気なのではないか、と。

ただ、砂利道程度でもオフロードを走れるのは楽しいんですよ(笑)。ロングツーリングができて、オフも楽しめるから、アドベンチャーモデルがもてはやされるんだろうな、と思います。

白井 日本ではオンロードとオフロードがはっきりと区分されているように感じますが、ヨーロッパでは当り前のように混在している、ということですね。うらやましい(笑)。

原田 環境は大きいですよね。日本は道路整備が進んでいる分、オン/オフがはっきりしているんでしょう。

モナコではドゥカティ・スクランブラーで街乗りやツーリングを楽しむ。「日本とヨーロッパの両方でバイクに触れているからこそ見えてくるものがある」と原田さん

白井 モトGPを始めとした二輪レースは人気なのでしょうか?

原田 やはり人気は高いと思います。特にイタリア、スペインでは絶大な人気ですね。ライダーの層も厚い。

スペインのヘレスサーキットで行われるモトGPは、例年だと20万人ぐらいの観客が押し寄せてお祭り騒ぎになります。歴史のあるオランダ・アッセンTTも同じような雰囲気で盛り上がりますね。

日本グランプリもそうなってくれるとうれしいんですけどね(笑)。

白井 レースの盛り上がりは、バイクの普及にも影響しそうですね。

原田 バイク業界全体から見ると、レースはごく一部の活動だと思うんですよ。だから僕は、「レースを盛り上げることで、バイクの普及が促進される」というより、「バイクが普及することでレースが盛り上がる」と考えています。

冷静に振り返れば、僕たちの時代がまさにそうでしたよね。バイクがよく売れていたからこそ、メーカーに潤沢にお金が流れ込んで、だからレースにも力を入れられた。すごく自然な流れですよね。

だから、とても難しいことだとは思いますが、日本でももっともっとバイクが普及すれば、レースもそれに付随して盛り上がっていくと思っています。時間がかかる、本当に難しいことですが……。

ヨーロッパのライダーを見ていると、すごく自由にライディングを楽しんでいるように感じます。一方の日本は、まず形から入りがち(笑)。

もう少し自由に、ピュアに、そしてローコストでライディングを楽しめる環境が整えばいいな、と思います。

白井 私たちの間でよく話題になる「ハンターカブで林道ツーリングやキャンプ」などは、まさに当てはまりますね。

一方で、ヨーロッパでのバイク趣味には別の意味合いがあるとか。

原田 ええ、ユーザー層の高齢化に伴ってのことだと思いますが、バイクという趣味が上流階級の社交の場としても成り立っているのが特徴ですね。

例えばサーキット走行会やツーリングなどで知り合いになり、ランチやキャンプなどで親交を深める、といった具合です。普段のビジネスとは離れた場だからこそ、リラックスした空気の中でより親しくなれるんでしょうね。

白井 日本ではなかなか考えづらい華やかさですが(笑)、二輪業界の今後を考えて行くうえではヒントになりそうです。

原田 二極化するんだろうな、と思っています。つまり、若年層を取り込むためのローコストなピュア路線と、高齢層を満足させるためのハイグレード路線。

この両軸のどちらにも同じように力を入れていく必要があるのではないでしょうか。

白井 私たちもメディアとしてのあり方を見つめ直し、業界の動きをリードしていけたらと思っています。

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PROFILE

RIDERS CLUB 編集部

RIDERS CLUB 編集部

1978年の創刊時から、一貫してスポーツバイクの魅力を探求し続けるオピニオンマガジン。もはやアートの域に達している、バイクの美しさを伝えるハイクオリティの写真はいまも健在。

RIDERS CLUB 編集部の記事一覧

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