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彗星のごとく現れた 上田昇さんのフォームの変化

イラストレーター松屋正蔵が描く熱狂バイククロニクル

世界GPを好きになって随分時間が経ちました。工業高校を、赤点を取りながらも何とか追試、追試、を繰り返し、無事卒業式に出られたのが1980年でした。

高校を卒業してから直ぐにフランスパンで有名な会社に就職し、製造工場でパンの仕込みの仕事をしていました。

仕事を覚えた頃、やはり子供時代から夢であった漫画家になりたい気持ちが強くなり、色々ありまして、その年の秋には矢口高雄先生のアシスタントとして働き始めました。

矢口プロでは新人に下働きがありまして、通常では半年ほどで新人が入り、下働きを卒業することが出来るのですが、僕の後輩が1年半も入ってこず、ずっとアトリエの掃除からお茶入れ、夜中には先輩方の夜食作りを続けていました。

そんな’81〜’82年くらいに偶然テレビで観た、モリワキレーシングのドキュメント番組がきっかけとなり、ロードレースに出会いました。

当時住んでいた、まるで隠れ家みたいな四畳半一間の、共同トイレ・風呂無しアパートでは、留守番録画にて各種レース系のテレビ番組を録り貯めし、休日にそれらの番組を観るのが気分転換となっていました。

若い時期はそんなフツフツとした毎日を送っていました。そして時は流れ、’91年シーズンの世界GPが始まります。開幕戦は日本! 鈴鹿サーキットでのレースでした。

このレース観戦のためにバスツアーに申し込み、金曜日から鈴鹿サーキットに入りました。サーキット内を歩き回り、いろいろな観戦ポイントからGPライダー達の走りを、カメラの望遠レンズ越しに観ていました。

そしてGP125㏄クラスの予選トップは日本人の上田昇選手…… 上田選手? 知らない……。

衛星放送で全日本ロードレースが放送されるようになったのは、確か翌’92年からで、全日本をしっかりと観る事は出来ない環境でした。その事が原因だったのでしょう。

上田昇選手の事を知らなかったのです。当時を知る読者さまの中でも、同様に驚かれた方もいらっしゃると思われます。正に青天の霹靂! いきなり速い日本人ライダーが現れたのです。

この日本GPの予選でも見事ポールポジションを獲っており、その勢いそのままに名だたるGPライダーらを薙ぎ倒し、決勝レースでも優勝してしまったのでした。

日本GP後もその勢いで世界GPに参戦し、初サーキットばかりなのにも関わらずトップグループを走る姿は強烈なインパクトでした。

後年、GP125㏄クラスの名門・チームピレリでも走り、日本人には見慣れない海外メーカーのヘルメットと革ツナギで身を固め、マルボロカラーでも走りました。

イタリア語もあっと言う間に覚えてしまったようで、チーム内でも和気あいあいと過ごす姿がテレビ放送から伝わって来ました。

そんなノビー上田さんのライディングを、’90年の全日本を収録したビデオであらためて確認しました。

僕の記憶では、上田さんは強い前乗りで上半身が立ち気味! と覚えていましたが、当時のビデオで観察してみると、腰は引き気味でリアに体重を掛けるポジションで乗っていました。

初参戦初優勝の日本GPでは、その上に上体の伏せ方も強めにしていました。

ただ’95年のビデオを観ると、引き気味の腰は変わらずに上半身が立ち気味となり、まるでリーンアウトとも思えるフォームに変わって来ていました。

GPキャリアを重ねていく中での変化ですから、必要不可欠な変更だったのでしょう。

現在はテレビ放送での解説もされているノビー上田さんは、現役時代から実にユニークな存在感のGPライダーでした!

上田 昇
’67年、愛知県生まれ。’90年に全日本GP125ccクラスデビュー。翌年世界GPの日本GPにワイルドカードで出場し、ポルトゥーウィンを達成。そのままフル参戦を開始した。’92 年と’97 年には年間2位を獲得するなど、第一線で活躍。引退後はMotoGPのTV解説や、レーシングチームの運営などの活動をしている

 

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PROFILE

RIDERS CLUB 編集部

RIDERS CLUB 編集部

1978年の創刊時から、一貫してスポーツバイクの魅力を探求し続けるオピニオンマガジン。もはやアートの域に達している、バイクの美しさを伝えるハイクオリティの写真はいまも健在。

RIDERS CLUB 編集部の記事一覧

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