【PGTA参戦記】CP9(Day4)足が思うように動かない……
FUNQ
- 2019年02月25日
ポルトガルとスペインの国境村の朝は早い。
窓から見えるスペインの山から日が昇る。時刻は午前6時。昨日のレース中に痛めた右足が火照っている。我慢できないほどではないが、普通に歩くことはできないくらいの痛み。痛み止めには頼りたくなかった。体の声に鈍感になるから。
足を引きずりながら朝食会場へ。幸い食欲はある。この4日間で一番うまい朝食。皿から溢れるほどのスクランブルエッグを平らげ、いつものごとくレース中に食べるサンドイッチをポケットに仕込み、朝食会場を後にする。
スタート地点まで1時間ほどバスに乗る。足の痛みで昨日あまり深く眠れていなかったのか、バスに乗った瞬間意識が遠のき、気付くとスタート地点の村に到着していた。バスを降りた瞬間息を飲む。巨大な岩山に張り付くように立つ教会と背後の抜けるような青空。いままでで一番の天気だ。
スタート地点に立つ。4日目にもなると、顔なじみの選手が増えてくる。昨日一緒にゴールしたGersonは最前列で踊っている。今日のコースは30kmの間に2800mのアップダウンがある。数字だけ見れば、距離、累積標高共に昨日に比べて少ない。「大丈夫、大丈夫」、そう言い聞かせて鳴り響く号砲とともにコースに飛び出す。
最初の5km、ゆるやかな下り。これが、かなりしんどい。
他の選手たちが軽快に走り抜けていくなか、自分は右足をかばいながらジョギングペース。体重をかけられない。5kmに1時間近くを費やす。まだ先は長い。そこから8kmほど最初のチェックポイント(CP)まで舗装路の上りが続く。太陽の直下、遮るものは何もない。アスファルトに反射した熱が体力を奪う。いつの間にかGersonが隣にいる。それだけでとても心強い。
CPに到着すると、彼女の姿が。この大会にはアカンパニープログラムという、選手の帯同で来た人たちが楽しめるツアーがある。ワイナリーに行ったり、遺跡を見たり、かなり充実した内容だ。今日は観光の途中、選手の応援に立ち寄ったらしい。何よりも大きなパワーチャージをする。
CP10へ続く。
加藤功甫(かとうこうすけ)
1988 年 長野生まれ。特定非営利活動法人Connection of the Children(CoC)代表理事。2011年にユーラシア大陸2万 kmを自転車で横断したことを皮切りに、いままでに世界 70カ国を旅する。その想いを軸に2014年にCoCを創業。
加藤さんの普段の活動はこちらから!
http://coc-i.org/
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