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【PGTA参戦記】CP8(Day3)油断大敵の50km

10km以上の上りを終えた先に待っていたのは、小刻みなアップダウンからの急斜面の下り。
途中、霧で道を外れ、後続の選手に「こっちだぞーーーー!」と呼び戻される(この日はこれ以外にも3回道に迷う)。一つ山を越え、牧場を突っ切り、2つ目の山頂を越えたところから、また急勾配な下り坂になる。もはや見慣れた不揃いなぬかるむ石畳の下り坂。隣でKarinが肩を落としている。中腹まで快調に小刻みなステップで走っていると、突然体に力が入らなくなる。

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「まずい、エネルギーが切れた」と、慌てて朝食から拝借してきたハムチーズサンドを取り出し、雨上がりの絶景を見ながら少し早めの昼食をとる。少し後から降りてきたSteveとKarinに「ピクニックしているみたい」とニヤニヤしながらシャッターをきられる。

10分ほど休憩したのち、二つ目のCPまで一気に坂を下りしっかり食料を補給、次の難所に向かう。昨日のブリーフィングによると、ここからもう一山越えるはず、と心してトレイルへ。ゆるやかな勾配の上りが続く。

「そろそろキツくなるか?」と走っているうちに、次のCPが見えてきた。拍子抜けするほどあっという間の6km。CPで会う選手たちとも「案外大したことなかったね」と口を揃えた。

 

ルートマップによるとゆるやかな下りが12kmほど続く。
「あとは楽チンだな」と、残り25kmほど残して不覚にも油断する。30km地点を過ぎたあたりから、山の中に流れる用水路(日本の道路にある側溝のような形状)の脇を走る。ほとんど走る場所がない。

ときに用水路に入りバシャバシャと水しぶきをあげて前へ進む。急な斜面に面していたので、右手に広がる景色は絶景。澄んだ空気の中思い切り深呼吸する。とその時、草に隠れていた石を踏み込んでしまう。右足首がズキズキと痛み出す……。

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やってしまった。
右足をかばいながら走る20kmは想像以上にしんどい。と、初日から抜きつ抜かれつだったブラジル人のGersonと40km地点で落ち合う。彼も満身創痍の様子。言葉は通じなくとも分かるお互いの状況。そこから1時間半。2人で歩みを進める。片言のスペイン語を使って。

道中はなぜか日本語とポルトガル語のレッスン。「日本語で女性はなんて言うんだ?」、「日本語で“美人”はなんて言うんだ?」、やっぱりそこが気になるんだね。Gersonのおかげで気づけばゴールの村へ。2人で手を取りお城のたもとのフィニッシュラインへガッツポーズでゴール!

そして、そそくさとお気に入りの女性スタッフに近づくジェルソン。日本語で「(君は)美人ー!」と子どものようにはしゃいでいる。

 

CP9へ続く。

 

 

加藤功甫(かとうこうすけ)

1988 年 長野生まれ。特定非営利活動法人Connection of the Children(CoC)代表理事。2011年にユーラシア大陸2万 kmを自転車で横断したことを皮切りに、いままでに世界 70カ国を旅する。その想いを軸に2014年にCoCを創業。小中学校への国際教育の出張授業や、多世代多国籍が集うシェアハウスCASACOの運営、留学生と行くサマーキャンプなどを実施している。2013年、2014年にロングディスタンストライアスロンで世界選手権に出場。2015年には第30回サハラマラソン完走。2018年4月から7月は南米の教育現場をつなぐ旅を実施。

加藤さんの普段の活動はこちらから!
http://coc-i.org/news_blog

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