【PGTA参戦記】CP7(Day3) これまでの好調の“代償”
FUNQ
- 2018年11月26日
順位などまったく気にしていなかった。
楽しく最後まで完走することが目標だった。それなのに、昨日まで想定外に調子が良かったため、ついつい気になって貼り出された順位を確認してしまった。16位。かなりいい順位じゃないか。
「功甫、山の練習をほとんどしていないのに、これ以上のハイペースはまずいぞ」
頭のなかでアラームが聞こえるも、元来の負けず嫌い根性がその声をかき消す。3日目は50km。合計4200mのアップダウンが待ち受けている。
前日のブリーフィングで主催者から「明日はこのレースで一番タフなコースだと思うから、覚悟しておいたほうがいいよ」と異例のタフ宣言があった。私がエントリーしているカテゴリの半分の距離のカテゴリの選手に向けて「最後の7kmがとてもキツいから、一つ手前のチェックポイント(CP)でやめてもフィニッシュ扱いにする」という御達しが出るほど。
この日の出発地点はホテルから車で1時間ほど山間に入った場所。
携帯電話の電波はもちろん圏外。スタート地点には9時半に到着。バスから降りると思わず身を震わすほどの寒さ。天候は雨。今回初めてレインコートを着てスタート地点に着く。
「スタートから3kmほど、すごく滑りやすいから気をつけて!」というアナウンス通り、スタートラインを越えてすぐから不揃いな丸みを帯びた石畳の下りが続く。その後小川にかかる橋は木製。これがまた滑る。足の裏に均一に体重を落とし、一歩一歩足を前に運ぶ。よしよし転ばずに渡りきれたぞ、と足元に落としていた目線をあげると、延々と続く登りが行く手にそびえ立っていた。
10kmほど延々と続く登り坂。雨でぬかるむ上にぐらつく石畳。とばそうにもとばせない。標高が上がるにつれて何度か雲の中を通り抜ける。「今日のコースは7日間で一番タフだけど、一番美しい景色が待ち受けているぞ!」との前評判を裏切る一面のスモッグ。これはこれで幻想的だよね、と一緒に走っていたオランダ人選手と苦笑い。
登りきった先、少し開けたところに最初のCPが見えた。とにかく寒い。そして無性に塩分を身体が欲している。ポテチとサラミを口に頬張っていると、昨日一緒に旅したSteveとKarinがCPにきた。いいコースだね、とSteve。
さて、ここからは下りが始まる。
CP8へ続く。
加藤功甫(かとうこうすけ)
1988 年 長野生まれ。特定非営利活動法人Connection of the Children(CoC)代表理事。2011年にユーラシア大陸2万 kmを自転車で横断したことを皮切りに、いままでに世界 70カ国を旅する。その想いを軸に2014年にCoCを創業。
加藤さんの普段の活動はこちらから!
http://coc-i.org/
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