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【PGTA参戦記】CP6(Day2) 新たな仲間とともに駆け抜ける

古く荒れた石畳のトレイル。
表面はツルツルしていて、雨でキラキラ輝いている。見ているぶんにはキレイだが、走って下るとなると話は別。先行している選手たちが悪戦苦闘しているのが見える。幸い長身の選手よりも視点が低い私は、腰をかがめリズミカルに他の選手たちをパスしていく。

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3つ目のCPで少し長めに休んでいると、オランダ人のKarinとイギリス人のSteveが「いまの下りはタフだったね」と話しかけてきた。最初夫婦かと思った2人はランニングメイトで、ステージレースに出るときによく一緒に走っているという。「男でも女でも、同じペースで走れる人ってとても貴重な存在だと思うんだ」と語るKarinは、なんと17歳の娘と15歳の息子のママ。この日はほとんどの時間、3人でトレイルを走る。

スイスのレースはどれもすばらしいと語るSteveと、不揃いの石畳に舌打ちするKarin。いいペアだな、と思った。2人はその後も着々と走り、Karinはなんと最終日、女子総合2位になる。最後のCPを抜けると、さらに下りがきつくなる。トレイルの幅も狭くなり、藪をかき分けて下る場面も。と思うと、広大なブドウ畑の間を突っ切ったり、乾いた川を下ったり、飽きさせないコースだ。

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遠くで車の走る音が聞こえるな……、
と思いながらトゲトゲした草むらを抜けていると、突然目の前に高速道路が現れる。あ、下界に降りて来た、と一瞬寂しくなった。

朝通った石造りの橋(これも300年前から変わらないらしい)を抜け、カーブを緩やかに右に曲がると、ゴールが見えた。MCが大きな声で「ナンバー62!コースケカトー!!ジャパーオ(日本)!」と叫んでいる。そしてゴールラインの向こう側にはアルゼンチンから一緒に旅して来た彼女の姿も。

満面の笑みでゴールした後は、MCから「コースケ、私は英語で質問するけど、日本語で答えてくれ。みんな日本語の発音が聞きたいから」と変なお題を出してくる。ポルトガルの山奥で日本語を話す自分がおかしくて笑ってしまう。続々と後続のランナーがゴールするなか、「ポルトガルの印象はどうだ?」というMCの最後の質問に、迷いなく「最高だ!」と日本語で叫ぶ。

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CP7へ続く。

 

 

加藤功甫(かとうこうすけ)

1988 年 長野生まれ。特定非営利活動法人Connection of the Children(CoC)代表理事。2011年にユーラシア大陸2万 kmを自転車で横断したことを皮切りに、いままでに世界 70カ国を旅する。その想いを軸に2014年にCoCを創業。小中学校への国際教育の出張授業や、多世代多国籍が集うシェアハウスCASACOの運営、留学生と行くサマーキャンプなどを実施している。2013年、2014年にロングディスタンストライアスロンで世界選手権に出場。2015年には第30回サハラマラソン完走。2018年4月から7月は南米の教育現場をつなぐ旅を実施。

加藤さんの普段の活動はこちらから!
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