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【ランスタトレラン部 Season2】信越五岳トレイルランニングレース挑戦記vol.02 きっと一人では走りきれなかった、18時間39分の長い旅

2017年春、トレラン好きな初~中級者が集まって結成された「ランスタトレラン部」。始めは30km前後のレースを完走するのもやっとだったメンバーたちが、結成2年目にして目標に掲げたのが100マイル(約160km)レースだ! そんなビッグチャレンジに向けたステップとして、9月16日(日)に開催された「信越五岳トレイルレース2018」の「110kmの部」に参加。ここでは、そのレースの模様を女性メンバーの一人、ゆいの目線でレポートする。

Text : ゆい(ランスタトレラン部)
Photo : 上田 崇

 

 

記録は気にせず、笑顔で楽しく走る!
いつもトレランのレースに出る際は、「記録は気にせず楽しく走る!」をモットーにしてきたが、今回の信越五岳トレイルレースでは“18時間切り”という、ちょっぴり背伸びした目標を設定し、レースに挑んだ。

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朝5時30分、110㎞の旅がスタート!
ウワサで聞いていたとおりの走りやすいコースで、出だしは好調。
しかし、気持ちよく走っていた矢先に10km地点付近でハチが大量発生!

本当に怖くて脚が止まりそうになったが、「18時間を切るためには、こんなところでタイムロスするわけにはいかない!」と急いでシェルを羽織って突き進む……。
痛ッ! 刺された! しかもお尻に!!!!!!!

お尻が痛いのはもちろん、徐々に頭も痛くなってきてパニックに。すぐさまバックパックの奥底にしまっていた携帯電話を取りだし、チームのみんなに連絡。部長のエマさんが電話をくれて「大丈夫、ハチに刺されても完走できる。痛みもそのうち引くから、歩いてもいいからバンフ(24km地点エイド)まで頑張って。氷を用意して待っているよ」

エマさんと話したら気持ちが少し落ち着き、「とりあえずバンフまで!」と再び歩き始める。しかし、ただでさえ痛いのに、歩くとその衝撃でさらに痛い。「やっぱりやめようかな……」などとへこんでいると、うしろからメンバーのゆういちさんが!
「ハチにお尻刺されたぁ~!」と泣きつくと「俺がポイズンリムーバーしようか?」とにやけ顔。その顔を見ていたらなんだか笑えてきて、不安と焦りで張りつめていた糸がフッと切れ、気持ちがラクになった。そこからゆういちさんとバンフまで楽しく走った。

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24km地点、バンフエイドでみんなに会える
バンフに到着すると、サポートメンバーたちの姿が! やっと会えて自然と笑顔に。用意してもらった氷をハチに刺されたところに当てると、痛みが徐々に和らいでいった。みんなの笑顔に癒されると同時に「しっかりゴールを目指そう!」という気持ちも復活した。

エイドにいるのは10分だけ、と最初から決めていたので、水を補充してトイレを済ませ、すぐさま走り出す。サポートメンバーが手伝ってくれたおかげで手際よく次に進めた。

 

39km地点、熊坂エイドまでの長~い下り
バンフを出て、袴岳を上り切ったあとは、長~い下り! なるべく脚に負担をかけないようフォームを意識。とくに下りは、ハチに刺されたところが着地の衝撃で痛むので丁寧に下った。

そして熊坂エイドに到着。ここはサポートエイドではないのでメンバーには会えないと思っていたのに、そこにあはメンバーの姿が!まさにサプライズでとてもうれしかった。
サポートメンバーはエイドには入れないので、走っている私にエマさんが沿道から大きな声で次までのコース説明をしてくれて、ハグ!「次まで頑張るぞ!」と気合いを入れ、エイドをあとにする。

そのあとの林道では走る→歩く→走る→歩くを交互に行い、できるだけ早く次の52km地点、黒姫エイドに到着できるよう、必死に突き進んだ。

 

みんなに会うたびホッとする
気付けばもう52㎞地点の黒姫エイド。またみんなに会えてホッとするも、予定していた時刻よりも時間が押していたため、そそくさとエイドを出る準備。すると、エマさんに「ゆいちゃん、楽しんで。このあとも楽しんで走るんだよ!」と声をかけられる。

たしかに、今日のレースでは時間を気にしすぎたり、飛んでいる虫が気になりすぎてトレイルに集中できなかったりと、いろんなことに必死になりすぎている自分がいた。トレランを楽しめていないことに気付き、ここで一度、深呼吸。「心に余裕をもって、楽しんで走ろう!」と気持ちを切り替え、再び走り出した。

そこから気持ちの浮き沈みはあったものの順調に進み、この区間ではいろんなランナーと会話を楽しんだり、知り合いに会えたりと、トレランを存分に楽しめた。

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やっと! 63km地点の笹ヶ峰高原グリーンハウスエイド
私のうしろを走るメンバーのもりもりちゃんが黒姫エイド通過した、と聞きホッとする。「私も頑張ろう!」と勇気をもらい、ここも手早くエイドワークを済ませる。

その後の大橋林道から81㎞地点の大橋林道エイドの区間も、歩いたり走ったりを繰り返しながら一歩一歩進んでいく。いつもは走っている最中やゴール後に胃の調子が悪くなる傾向があるが、今回のレースでは胃の調子がいい。サポートメンバーがにぎってくれた一口サイズのおにぎりがおいしくて、たくさんエネルギーを補給できた。

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そして、この先はヘッドライトを使って進むナイトランのパート。夜のトレイルは暗くて不気味だし、とにかく苦手。そのうえ路面がドロドロで走りづらく、体も泥まみれだ。

戸隠神社エリアには「クマ注意」の看板と、神社の鳥居が数多く建ち並び、不気味で怖い! なるべくまわりのランナーに付いて走るようにした。

 

93km地点、戸隠スキー場エイドにもりもりちゃんの姿が
苦手なナイトランを必死に進み、エイドにたどり着くと、そこにはもりもりちゃんがいた。ここにいるということは……。

話によると63㎞地点でDNFになったとのこと。63㎞も走れば、早くお風呂に入って寝たいことだろう。しかし「みんなをサポートしたい」と、この93km地点まで来てくれた。本当に悔しかったと思う。そんなもりもりちゃんの姿を見て、「私は私にできることを精一杯やろう!」と心に火が着いた。

 

ラスボス瑪瑙山!
この付近は泥沼ズブズブゾーン! わざわざ避けるのも疲れるため、泥沼の真ん中をズンズン進む。もう水たまりも泥も、何も気にしない! 無心で瑪瑙山頂上を目指した。

もう体力も残ってないし、18時間なんて切れそうもない。急いで行く必要もないか、このまま歩いてゴールしようか……。そう何度も悪魔のささやきにのりそうになったが、少しでも早くトレラン部のみんなに会いたい、その気持ちだけで突き進んだ。

なんとか瑪瑙山を上り終え、最後の林道7kmへ突入。「泣いても笑ってもあと7kmだからすべてを出し切りたい!」という気持ちで、できるだけ走って進んだ。(気持ちは5分/㎞だけど実際は8分/㎞で)

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遠くから、みんなの声がする
「ゆいちゃーん!」とみんなの声が聞こえてきて、幸せの瞬間が訪れた!
やっと、やっと、本当にやっとゴール!!!!!!!!

18時間39分の長い長~い旅が終わった。
目標タイムには届かなかったが、ハプニングにも負けず精一杯走り切った達成感で心がいっぱいになった。

みんながいなかったら、最初の10kmであきらめていただろう。
みんながいなかったら、レースを楽しめなかっただろう。

そして、みんながいたから、この最高に幸せな瞬間にたどり着けた。
みんながいたから、最高のタイムでゴールできた!

「ロングレースは一人では走り切れない」
いつかエマさんが言っていた言葉を改めて実感し、これからも仲間を大切に、そして恩返しができるよう、トレランを楽しんでいきたいと思えたレースだった。

キャプチャ

▼△ランスタトレラン部の活動の模様はインスタグラムでも更新中△▼

 


 

COLUMN
110kmの旅をともにしたアイテムメモ

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NATHAN(ネイサン)のレースベスト12ℓ
今回、メンバー全員お揃いで使用したバックパックはネイサンの女性専用モデル。伸縮性に優れ、体にぴったりフィットしてくれるので、110㎞という長距離でもバックパックがゆれるストレスを感じずに走れた! フロントポケットが大きい点も便利で、アイテムが取り出しやすいのはもちろん、サポートメンバーにフラスクを入れ替えてもらうときもスムースだった。

 

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McDavid(マクダビッド)のパワーレッグスリーブ
ふくらはぎ全体を適圧サポートしてくれる、ロングレースの必需品! また、汗をかいたり、水たまりに飛び込んで濡れた場合もすぐ乾くので、ムレや冷えが気にならないのもお気に入りポイント。スタートからゴールまでずっと着用できる優れものだ。

アイテムに関するお問い合わせ:@nathan_japan

 

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