【ランスタトレラン部 Season2】信越五岳トレイルランニングレース挑戦記vol.01 仲間とともに走った110㎞という未知の旅
FUNQ
- 2018年09月28日
2017年春、トレラン好きな初~中級者が集まって結成された「ランスタトレラン部」。始めは30km前後のレースを完走するのもやっとだったメンバーたちが、チーム結成2年目にして目標に掲げたのが100マイル(約160km)レースだ! そんなビッグチャレンジに向けたステップとして、9月16日(日)に開催された「信越五岳トレイルレース2018」の「110kmの部」に参加。ここでは、そのレースの模様を女性メンバーの一人、もりもりの目線でレポートする。
Text : もりもり(ランスタトレラン部)
Photo : 上田 崇
出発前日まで仕事。終電帰宅でヘトヘト
レース前日、目覚ましをかける前に寝落ちしてしまい、会場への出発時刻に起床するといういきなりの大失態……。「事前に準備しておいてよかった」と思いつつ、持ち物の最終チェックができなかったことに不安を残しつつ、慌てて家を飛び出した。
現地でみんなと合流。昨年からさまざまなレースに一緒に出るようになり、いまや家族みたいな存在になったメンバーたち。顔を見たただけで不安が吹っ飛び、笑顔になった。
会場に着くと、まずは斑尾高原レストランハイジで必携装備のチェックが行われる。今回チェックされたのは以下4点。
・携帯電話(SMSを受信できる機種)
・マイカップ(各エイドステーションでは紙コップの用意はありません)
・レインウエア上下(防水・透湿性素材を使用し、縫い目をシームテープで防水加工したフードつきジャケットおよびパンツ)
※破損や著しい傷みがなく、十分な機能があるもの
・ライト2個およびそれぞれの予備電池(バッテリー可)
※夜間走行に対応できる明るさのもの(スマートフォンのライト等不可)
スタッフと1対1で各テーブルに着き、装備を見せる。
必携装備の規定は何回もチェックしていて問題ないはずなのに、「不備があってレースに出られなくなったらどうしよう」と急にドキドキし、緊張でザックから装備を出す手が震える。何度もセルフチェックをしていたこともあり、問題なくクリア!
選手受付も無事に済ませ、みんなと再び合流する。
宿でパッキングを済ませ、前夜祭へ
トレラン部メンバーのゆいちゃん、あっちゃんと3人部屋で、「補給食どれぐらい持っていく?」、「どんなウエアで走る?」、「ゼッケンどこにつける?」などを相談しながら、1時間以上かけてパッキング。メンバーおそろいの「NATHAN(ネイサン)」のバックパックがパンパンになって並ぶと、なんだかかわいい。
18時頃、サポートメンバーに預ける荷物(※)を持って前夜祭の会場へ。(※今回のレースでは24kmバンフ、52km黒姫、63km笹ヶ峰高原グリーンハウス、93km戸隠スキー場と計4カ所のサポート可能なエイドがあったので、そこで渡してほしいものをまとめていました)
前夜祭では、バイキング式の夕食がふるまわれた。焼きうどん、ちらし寿司、ハンバーグ、フルーツ……どれもおいしそう! 明日のレースに備え、みんなガッツリ炭水化物を摂取。
そして、19時30分になると100マイル部門の選手たちがスタート。
か、か、かっこいい……! 明日は自分がここから走り出すかと思うと、気分が高揚してきた。スタートを見届けた後は、翌日に備えて21時頃に就寝。
いよいよ始まる110㎞の旅
スタートは5時30分のため、3時に起床。眠い目をこすりながら、準備を済ませ現地に向かう。朝食はコッペパン、おにぎり、バナナにスープ……、たくさん食べてエネルギーを蓄える。スタート30分前にトイレに向かうと、女子トイレがまさかの大行列。ゆいちゃんと一緒に20分待ち。スタートラインに立てたのは5時25分を過ぎていて、緊張する余裕もなくスタートの号砲が鳴った。
スタート直後はいきなりスキー場の上り。
メンバーたちと一緒にスタートしたが、一瞬で置いていかれる。朝一の上りはツラい。スキー場を乗り越えると、その後は気持ちよく走れるふかふかトレイル。
これまでレースを走っている際、バックパックのユレが気になっていたが、「NATHAN(ネイサン)」のバックパックはすごくいい! 女性専用設計モデルだからか、抜群のフィット感だ。
出だしは好調で「トレラン楽しいな~」と走っていたら、10km地点でしゃがみこんでいるランナーたちが! 手にはポイズンリムーバーを持っていたのでハチが発生したのかなと思いつつ、他のレースでも制限時間に追われている私は先を急いだ。
すると、うしろから「もりもりっ!」と呼ぶ声。振り返るとメンバーのゆういちさん。話によると、やはり大量のスズメバチが発生したとのことで刺されたランナーが数人いたとのこと。自然を相手にするトレランのレースにおいて、ポイズンリムーバーなどのファーストエイドは欠かせないアイテムなのだと改めて実感した出来事だった。
19kmの菅川ウォーターエイドまではあっという間
水を補給し、すぐにエイドを出発。斑尾山を上っていると野尻湖が見えてくる。雨予報だったから景色は期待していなかったのに、野尻湖がキレイに見渡せてテンションアップ! 斑尾山はそこまで上った感覚はなく、下りが長かった印象だ。ヒザに負担がかからないようにするのに意識を集中させた。
予定より30分遅れて、9時30分頃24km地点バンフエイドに到着。エイドに着くと、サポートメンバーが待ち構えてくれていて、自然と笑みがこぼれる。事前にエイドでサポートしてほしいことを伝えていたが、何も言わなくても水を補充してくれたり、次のエイドまでの攻略法を教えてくれたりと至れり尽くせり。サポートメンバーのテキパキした対応にびっくり!
手作りのはちみつレモンとおにぎりがおいしい。パワーチャージ。遅れていることもあり、あまり長居もできないので10分足らずでエイドを出発。次にメンバーに会えるのは52km黒姫エイドだから4~5時間後。先の長さに少し愕然とする。
熊坂エイドまでは袴岳の上りが山場だ。脚の疲れも出てきて、苦手な上りで何十人に抜かされる。途中でランナーに、「NATHAN(ネイサン)」のバックパックとパンツの色が合っていてかわいいですねと言われ、テンションがあがった!
下りは止まることなくひたすら走りぬく!
トレラン部の部長エマさんのアドバイスどおり、下りはひたすら走り続けた。39km熊坂エイドに到着すると、52km黒姫エイドまで会えないはずのサポートメンバーの姿が……! 元気と活をもらって、トマトひときれと水を補充して早々に出発。
気付けば自身最長距離の45kmを超え、一人感傷に浸った。
もうすぐ次のエイド! というところでぬかるみゾーン。ここでも、エマ部長のアドバイスどおり、気にせずまっすぐぬかるみを突き進む。脚には、「McDavid(マクダビッド)」のパワーレッグスリーブを着用。ぬかるみに浸かって濡れたはずなのに、速乾性がとてもよくて、“濡れ”も“ムレ”もまったく気にならない!
14時30分、52km黒姫エイドに到着。15時30分までの関門に間に合ってよかったと一安心。サポートメンバーが待っていて、マッサージしてくれたり、食べたいものを聞いてくれたり。後ろ髪ひかれたけど、ここも10分ちょっとでエイドを出発した。
次の63km笹ヶ峰高原グリーンハウスの関門が17時30分
11kmを2時間で走ればいいから次も通過できる……! と思ったのが甘い考えだった。その後が永遠に続く峠上り。一生終わらないのではないかと思うほど、とにかく長かった。
ようやく上りが終わると、今度は急いで下る。しかし、60km地点付近の吊り橋が2人ずつしか渡れないため大渋滞。30分ほどの待ち時間……。
その結果、63km笹ヶ峰高原グリーンハウスで10分タイムオーバー。
関門アウトとなった。
ペーサーを引き受けてくれたあっちゃんの待っている姿を目にした瞬間、悔しさと申し訳なさで涙が止まらなかった。ずっと信じて待っていてくれたサポートメンバーには本当に感謝しかない。
今回の私の挑戦は63km地点で終わり。
この悔しさを晴らす日まで、私の挑戦はまだまだ続く。
▼△ランスタトレラン部の活動の模様はインスタグラムでも更新中△▼
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