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スペシャル対談 「何を考えて42.195kmを走っていますか?」

42.195 ㎞という距離は誰にとっても長い。人によっては走り切るのに長い時間がかかるものだ。そこで現役マラソンランナーと、ランニングギア専門誌の走れる編集長に、「フルマラソンの最中に何を思うか?」をテーマに話を聞いた。

取材協力/Runners Pulse

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(写真右)南井正弘さん
スタイリッシュなランナーのためのランニングギア専門誌「Runners Pulse」編集長。フル、ハーフ、駅伝など、国内外のイベントに多数参加。フルのベストタイムは3時間56分9秒。
(中央)吉田香織さん
Runners Pulse 所属の現役ランナーとして活躍するかたわら、市民ランナーへの指導も積極的に行っている。8月末の北海道マラソンでは、2時間33分14秒で2位を獲得。“超”がつく酒豪。
(左)本誌編集長・吉田
度付サングラスがトレードマークの「RUNNING Style」誌・編集長。フルマラソンは3度経験済で、いずれも完走はしているものの、楽しめた記憶は一切なし。ベストタイムは「5時間10分くらいかな?」。

ネガティブとポジティブの間くらいのマインドで

編集長・吉田(以下、編):以前から「フルを走っている最中にどうやってモチベーションをキープするのか」といったメンタル的な部分に興味があったんです。もちろん、そういうものって性格によって異なると思うし、走力によっても違いが出てくると思うんですけど、経験のあるお二人にお話しを聞くことで、今後の参考にできればと。ココ一番のレースのときって、何を考えて走るんですか?

吉田さん(以下、吉):まず「勝ちたい!」と思って力んだら、絶対ダメ。少し緊張していて、ひょうひょうとスタートできる状態がベストです。42.195㎞の間に苦しい波がくるのは、もうわかっているので、スタート前からあまり気負わないほうが頑張れる。

南井さん(以下、南):私もその感覚、わかりますね。“ポジティブ”が強すぎると失敗する。スタート直後に快調で「今日、オレ天才かも⁉」みたいなときほど、途中でツブれる。逆に、前日食べたものが消化しきれてないときなんかは、結構慎重に入って、その慎重な状態のまま30㎞くらいまで行くと「あれ? 意外と脚残ってるな」みたいなことが多い。ネガティブとポジティブの間くらいのマインドで臨んだほうが、結果が良かったりする。

編:気持ちのもち方ひとつで変わるものなんですね。

南:私はこれまでフルマラソンは10回以上走っているんですが、はじめの頃は「早く終わらないかなあ」って思ってたんですよ。でも、練習で長い距離を走るときは絶対信号で止められたりするけど、本番ではずーっと走らせてもらえる。それってすごく幸せなことだなと思うんです。いまでは後半になると「レースが終わっちゃうのが嫌だ」と思えるようになりましたね。

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最初の10㎞は適当にやり過ごすくらいのスタンス

編:長距離を走っていると、だんだん余計なことを考えなくなりませんか?

南:私は脳内でずーっと同じ曲が流れてるときが多いですね。基本的に大会のときって音楽聴きながら走ったらダメじゃないですか? だから、前日とか直前に聞いてた音楽が延々と頭のなかで流れてたりする。

吉:くだらないCM曲とかね。

南:フルマラソンのときはミドルテンポのダンスミュージックが自分のペースにちょうどいい。でもハーフでは少し遅いんですよね。ハーフを1時間半以内で走れたときは、「BE TOGETHER」(TMネットワークの名曲)っていう曲がなぜかずっと頭のなかで流れていて、あの曲はテンポが少し速めなのでいいペースで走れましたね。

編:余計なことを考えないって、平常心に近いですよね。

吉:アレコレ考えるのはエネルギーを使うのでよくないですね。脳が糖質を使っちゃうので。

南:以前(エリック・)ワイナイナさんが言っていたのが「もし考えるならポジティブなことのほうがイイ」みたいですね。私の知り合いに男運のない女の子がいて、「自分がその子を幸せにする」っていうストーリーを考えながら走ったら、結構いい記録が出たんですよ(笑)。

吉:モロッコのカサブランカマラソンっていう大会に出たときに、たまたま調子の悪かった男子選手が私を引っ張ってくれたんですよ。そのときはずーっと「ゴールしたらこの人に告白しようかな」って考えながら走ってましたね。

編:すごいポジティブですね。

吉:勝負脳ですよね。レースではなく自分に勝つ。そのためには「もう走れない」みたいな否定的な言葉は使わないっていう。あと余計なこと考えたくないから、5㎞おきになぞなぞとか出してほしいですね。というか、人間って30㎞くらいしかもたない動物なんですよね。だからいかに前半の10㎞をラクに走れるかが大切なんですよ。前半の30㎞で頑張っちゃったら、あとは苦しむしかない。

南:逆に、マラソンが30㎞で終わりだったら一回経験してやめる人が多いらしいんです。「こんなもんか」って。あの42.195㎞のツラさがあるからリベンジしたくなるんですよね。

編:じゃあ最初の10㎞はある意味適当にやり過ごすくらいのスタンスでいいんですかね。

吉:よく市民ランナーの人たちをよく見ていると、「レースより早いペースでウォーミングアップしているよね?」みたいな、気合入りすぎちゃってる人が多い。あとは、せっかくその土地に来たからといって前日に走りすぎちゃう人。そういう人がミスしているかな。とにかくテンションは上げすぎない!

南:とはいえ、1年ぶりくらいにフルマラソン走ったりすると、やっぱり緊張して舞い上がっちゃったりすると思うんですよ。だから、狙ってるレースの2カ月くらい前に1度走っておくといいと思いますね。それから走ったあとに楽しみがあるとポジティブになれる場合もありますよ。私の場合はやっぱり肉ですね。しかもその土地土地にある有名な肉。ニューヨークシティマラソンに今年も出る予定なんですけど。現地に「ベンジャミン」っていうステーキハウスがあって、そこのお肉を食べることがいまから楽しみです。

補給食は 何を、いつとる?

編:レースのときに食べ物とかは携帯しますか?

南:補給食は持っていきます。40分に1回くらいのペースでとるようにしています。

吉:私はジェルを1本。

編:どういうタイミングで摂るんですか?
吉:だいたい15㎞地点でと決めていますけど、最近走った北海道マラソンでは、ポケットがないウエアを着ていたこともあって、邪魔だから5㎞地点くらいで飲みました(笑)。

南:トップの選手って持ってないですよね、あまり。

吉:そうですね。ガムテープでくっつけちゃう選手もいるし。ただ、確実に給水所でドリンクを取れるかわからないので、私は1本ジェルをもっていくようにしているんです。

編:僕は全然速いほうじゃないから、途中のエイドにあるものが本当においしいな、と思っちゃうんです(笑)。

南:そういえば最近、“メダリスト”のジェルが異様にウマいことに気が付いて。ウマすぎて逆に効いてる感じがしないんですよ。ああいった補給系のジェルって、ちょっと独特な味だからこそ、効いてくる感じがするものじゃないですか。ショッツのコーラ味とかまさにそんな感じで、個人的には結構好きですね。

吉:そういえば、UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)とか160㎞クラスのレースになると、ドリンクのコーラを飲む人もいるみたいですね。

南:トレイルの人は多いらしいですね。ロードでも本当にラストスパートならいいと聞いたことがあります。でも途中で飲むと血糖値があがりすぎてアウトみたいですね。

吉:でも給水所にビールとかあったら元気出ちゃうでしょ?

編:出ちゃうでしょ~。

南:LAマラソンにはありましたよ。気温が32度くらいあったんで“ホットビール”みたいな
ノリで置いてありました。あとメドックマラソンにはワインがありますしね。

編:あの大会なら僕、強いと思いますよ(笑)。

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(編集 M)

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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