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脂肪を燃やしてラクに走る【中級者向け】

ランニングを始めてみたが「思ったように痩せないなぁ」という方は、走りが脂肪燃焼に結びついていないのかも? 脂肪を燃やしやすいランのコツがあるので、参考にしてみてほしい。脂肪を燃焼しやすい体になれば、糖代謝に依存せずに走り続けることができる。「レース後半でいつもスタミナ不足になってしまう」という人も必見だ。

筋トレ後に走って、脂肪分解のスイッチをオン

夕方以降に走ることが習慣になっている人に試してほしいのが、走る前の筋トレだ。ポイントは、強度がやや高めのものを取り入れること。

高負荷の刺激で筋肉を鍛えているとき、副腎からアドレナリンが分泌する。それによって、脳内から成長ホルモンも分泌される。これが脂肪分解酵素『リパーゼ』の活性を促す物質だ。つまり、筋トレを取り入れると、ただ走るだけよりも脂肪をエネルギー源として使える状態へと、いち早くスイッチできるのだ。この状態をつくり出してから、有酸素レベル(話をしながらでも苦しくない程度の負荷)で走ることで、脂肪は効率的に燃焼される。
20170727_02_1

下のグラフはアドレナリンと成長ホルモンの分泌のタイミングを表したもの。ここからもわかるように、トレーニング直後から脂肪分解に寄与する成長ホルモンが一気に増え始める。このタイミングで走れば、脂肪燃焼効果が倍増するというわけだ。
20170727_02_2

ポイントはゆっくりペースを維持

走ることが習慣になっている人におすすめなのが、朝食前のランニング。空腹時も脂肪が分解されやすい状態にあるので、効果的に脂肪をエネルギー源として活用できる。ただし、運動強度の設定がポイントとなる。ただでさえ、低血糖状態なので、糖質に100%頼るような強度の高いペース(無酸素レベル)で走るのは厳禁。ペースを上げすぎるとさらに血糖値が下がってしまい、体への負荷が高くなる。

目安としては、誰かと話をしながらでも苦しくないペース。脂肪をしっかり燃やすには、脂肪細胞内にあるミトコンドリアに酸素が供給されることが必須条件。その意味でも酸素の供給が追いつかないようなペースでは、脂肪は燃えてくれないのだ。走る時間は20分でも十分な効果が得られるので、あまり長時間走る必要はない。

ちなみに、ランニング経験のない人は、そもそも酸素を取り込む肺活量が低かったり、酸素運搬機能をもつ血液中のヘモグロビン量が少ない傾向がある。

そうした人たちは、呼吸が上がりやすいので、ペースを目安にするよりも、体の感覚に耳を傾けることがとても重要になる。ジョギングペースは、6~7分/㎞といわれるが、数値にとらわれずに体を動かすことが先決。もし空腹で走るのがキツいと感じるようなら、ウォーキングからでもかまわない。

20170727_02_3 空腹時の運動がもっとも効果的に脂肪燃焼できることを示す研究データ。RQという値は、呼吸商と呼ばれる指標。酸素摂取量に対する二酸化炭素の排出量の比率だ。脂肪は糖質よりもこのRQ値が低いのが特徴。つまり、この値が低い=脂肪が燃焼されている証となる。(グラフ出典元:『川崎医療福祉学会誌』)

(出典:『ランニング・スタイル 2017年9月号 Vol.102』

(編集 M)

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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